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1、どうも、卵から生まれる筈だった魔人です。
しおりを挟むどよんとした暗い室内。
石で出来た冷たい台座の上で、僕は呆然としていた。
「…これが私の使い魔になる魔人だと?どう見てもただの太った小鳥ではないか…。」
目の前には赤髪の目付きの悪い男が僕を見下ろしている。
どうしよう…とキョロキョロ周りを見渡せば壁際にひっそりと立つ銀髪の男と目が合ったが、そこで別の男が口を開きそちらに意識を向けた。
「殿下、此度の召喚は失敗では?魔人を呼ぶ筈がこの様なただの鳥が召喚されるなど、聞いたことがありませぬ。」
「そうだな。とてもじゃないが、こいつを私の使い魔などには出来ない。誰か、始末しろ。」
赤髪の男がそう言うと、近くに居た男達が剣を持って近付いてくる。
それを見てガタガタ震えていると、そこへあの銀髪の男が目の前に割って入った。
「殿下、これはただの鳥などではありませんし、無闇に魔獣を殺してはいけません。この様な小さな魔獣は自らの危険を悟ると更に強い魔獣を呼び込み己を守ろうとする者もおります。万が一王都に被害が出れば取り返しのつかない事態になってしまうでしょう。」
僕、そんな事出来ないけど…。
僕が固まっているとどうやら赤髪の男は銀髪の男の言葉に僕を殺すのを思い止まったらしい。
僕をジロリと睨んでから、銀髪の男に不機嫌そうに告げた。
「なら、お前がどうにかせよ。私はこんな魔獣はいらん。」
「えっ。………畏まりました。」
鼻を鳴らして赤髪の男が部屋から出ていくのを確認すると、銀髪の男が僕の方を振り返る。
「……はぁ~あ、失敗したな…まさかあの馬鹿王子、俺にそのまま丸投げしてくるとは…。でも実際魔獣は生態が良く分かってないから下手に扱えないんだよな…。…お前、鳥型の魔獣か?そんな太ってるけど、一応鳥っぽいし飛べんの?」
「!!??」
さっきの優しげな声から一転、銀髪の男は髪をかきあげながら心底面倒そうな声で話し掛けて来る。
あまりの豹変ぶりに唖然としていると、銀髪の男は呆れたように溜息をついた。
「やっぱ飛べねぇの?それじゃ伝書鳥にも出来ねぇな。仕方ねぇな…もうちょいデカくなってから使い道考えるか。」
そう言って銀髪の男は僕の首根っこを摘むと、嫌そうな顔で何処か別の場所へと移動を始めた。
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