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悪役令嬢、転生者だとバレる
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「随分こじんまりした厨房ね。ちょっと
狭いんじゃない?」
「私のお菓子作り専用の厨房なので、この
広さで充分なんです。」
以前は宮廷料理を作る厨房の片隅を借りて
いたんだけど、ほぼ毎日お菓子を作るので
専用の厨房を作ってもらったのよ。
狭くて悪かったわね。
あなたが美味しいお菓子の作り方を教えて
欲しいって言うからここに入れてあげたん
じゃないの!
文句があるなら出てってもらって構わない
んですけど!?
お気に入りの厨房にケチをつけられ、眉間
にシワが寄りそうになるのを必死に抑え、
私は笑顔を作った。
「最初は失敗の少ないマドレーヌあたりが
いいと思うのですが、他になにか作ってみ
たいお菓子はありますか?」
お菓子作りと言っても、簡単なものから難
易度の高いものまで種類は様々だ。
「ああ、あれ。嘘だから。」
「…え?」
アリーナの予想外の答えに、思考が追いつ
かない。
「お菓子作りを教えて欲しいなんて嘘よ。
あなたと二人きりになるための口実が欲し
かっただけ。」
いや、こっちはあなたと二人きりになんて
なりたくないんですけど。
こういう場合、二人きりになるとろくな
展開にならないことを私は知っている。
アリーナはジリジリと私に近づくと、耳元
で囁いた。
「あなた、転生者でしょ。」
「!?」
なんでアリーナが転生者って言葉を知って
るの!?
もしかして転生者!?
「な、なんのことでしょう。」
この流れで転生者だと認めるのは危険だと
本能で感じた私は、とりあえずしらを切る
ことにした。
「隠さなくてもいいのよ。私も転生者だか
ら。」
あ~…やっぱり…。
「転生した時は、自分が誰なのかわからな
くて大変だったわ。アリーナなんてキャラ
知らなかったもの。でもカインが留学して
きてわかったのよ。ゲーム・クレセント・
ナイトの中の世界だって。」
ああ、この子はカイン殿下が留学しなかっ
たら、どのゲームに転生したのかもわから
ないままだったのか。
「だけど不思議だったのよ。カインが留学
するなんてエピソードはなかったし、悪役
令嬢のはずのセセリアは国外追放されない
し。」
ですよね…。
私もお菓子作りをがんばった結果、こんな
展開になるとは思ってなかったですから。
「あなた、国外追放されたくなくて、シナ
リオを書き換えたわね?」
図星をさされ、返す言葉がない。
「まぁ、それはいいのよ。国外追放される
とわかってたら当然回避するわよね。でも
納得いかないのよ。だって私はこのゲーム
の中の一番の推しはカインなのに、なんで
私がセセリアに転生できなかったの!?」
「そ、そんなこと言われても…。私だって
好きでセセリアに転生したわけじゃないん
だから。」
咄嗟に口から出た私の言葉に、アリーナは
ニヤリと笑いながら言った。
「それなら私にカインを譲ってよ。」
狭いんじゃない?」
「私のお菓子作り専用の厨房なので、この
広さで充分なんです。」
以前は宮廷料理を作る厨房の片隅を借りて
いたんだけど、ほぼ毎日お菓子を作るので
専用の厨房を作ってもらったのよ。
狭くて悪かったわね。
あなたが美味しいお菓子の作り方を教えて
欲しいって言うからここに入れてあげたん
じゃないの!
文句があるなら出てってもらって構わない
んですけど!?
お気に入りの厨房にケチをつけられ、眉間
にシワが寄りそうになるのを必死に抑え、
私は笑顔を作った。
「最初は失敗の少ないマドレーヌあたりが
いいと思うのですが、他になにか作ってみ
たいお菓子はありますか?」
お菓子作りと言っても、簡単なものから難
易度の高いものまで種類は様々だ。
「ああ、あれ。嘘だから。」
「…え?」
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かない。
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かっただけ。」
いや、こっちはあなたと二人きりになんて
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「あなた、転生者でしょ。」
「!?」
なんでアリーナが転生者って言葉を知って
るの!?
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「な、なんのことでしょう。」
この流れで転生者だと認めるのは危険だと
本能で感じた私は、とりあえずしらを切る
ことにした。
「隠さなくてもいいのよ。私も転生者だか
ら。」
あ~…やっぱり…。
「転生した時は、自分が誰なのかわからな
くて大変だったわ。アリーナなんてキャラ
知らなかったもの。でもカインが留学して
きてわかったのよ。ゲーム・クレセント・
ナイトの中の世界だって。」
ああ、この子はカイン殿下が留学しなかっ
たら、どのゲームに転生したのかもわから
ないままだったのか。
「だけど不思議だったのよ。カインが留学
するなんてエピソードはなかったし、悪役
令嬢のはずのセセリアは国外追放されない
し。」
ですよね…。
私もお菓子作りをがんばった結果、こんな
展開になるとは思ってなかったですから。
「あなた、国外追放されたくなくて、シナ
リオを書き換えたわね?」
図星をさされ、返す言葉がない。
「まぁ、それはいいのよ。国外追放される
とわかってたら当然回避するわよね。でも
納得いかないのよ。だって私はこのゲーム
の中の一番の推しはカインなのに、なんで
私がセセリアに転生できなかったの!?」
「そ、そんなこと言われても…。私だって
好きでセセリアに転生したわけじゃないん
だから。」
咄嗟に口から出た私の言葉に、アリーナは
ニヤリと笑いながら言った。
「それなら私にカインを譲ってよ。」
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