勇者ライフ!

わかばひいらぎ

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現れし弟編

その3 兄弟再会

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 授業が終わり、マルセラは部活に行ったアリスと別れて校門に向かう。すると、そこには顔馴染みの人達がいた。

「あっ!お兄ちゃん!それに、クライブさんにフーリさんも。どうしたの?」

「マルセラだ!実はね、フーリの弟に会いに来たんだ」

「フーリさん弟さんいたんですね。どんな人なんですか?」

「う~ん……あいつは大人しい奴だけど、オタク気質の持ち主だな。特に武器に関しては凄いぜ、あいつ。ま、総じていえば人見知りだけど優しい奴だよ。便器よりイケメンだし」

「何と比べてんだよ」

「へぇー会ってみたいな~。私も混じっていいですか?」

「いいよ。こっちに住むなら後々マルセラちゃんとも会うだろうし」

  マルセラは嬉々としてマルセルの横にちょこんと座った。

「……高校に私服の奴がいると結構目立つみたいだな」

「ね、めっちゃ見られてる。なんか背徳感で興奮してきた」

「それは分からんわ」

「フーリさん、弟さんって何時頃来るんですか?」

「授業終わったらすぐ来るって言ってたんだけどなぁ~。迷ってんじゃね?」

 そう言いながらフーリはクッキーを口にくわえた。

「あ、いる?」

 そう言って他の三人にも分けた。

「お前にしては気が利くな」

「ね。いつものフーリなら『僕の物だ!絶対に、死んでも離さねぇ!』とか言ってくれないのにね」

 普段からフーリを知る二人は疑いの目をもってなかなかクッキーを口にしない中、マルセラだけは美味しそうに頬張る。

「う~ん美味しい!」

 と言った瞬間、マルセラは顔を歪ませた。

「ん!?何これ酸っぱい!」

「ほらやっぱり。何入れたんだ?」

「中にレモンっぽいものを入れた」

「っぽいもの!?」

「お兄ちゃん酸っぱいよ~助けて~」

「助けるって……何すればいいの?酸味を無くす魔法なんてないよ?」

「……チューしてくれれば治るかも」

「えっ!?なんで!?」

 マルセラはマルセルに顔をグイグイ近づける。マルセルは頑張って後ろに退くがそれでも迫ってくる。

「あれ媚薬でも入ってたのかな?」

「かもな」

 フーリとクライブが冷静に分析している中、マルセルの唇は奪われしまった。

「ぷはっ……はっ!お兄ちゃん!?私なんてこと……」

「あ、解けた」

 どうやら接吻をすると効果の切れる酸っぱい媚薬だったらしい。だが、この少しゴタゴタした集団に近づいてくる人影がある。

「……フー兄さん?フー兄さんだ!」

「この声帯の使い方……ルイスか!」

「どんな見分け方だよ」

 逆光でよく顔が見えないが、フーリには溌剌とした声、細いフォルムからルイスだと分かった。

「えっ?貴方って……ルイスくん!?貴方がフーリさんの弟なの!?」

「えっと、貴方隣の席の……マニマニさん?」

「違うわよ!マルセラ、マルセラよ」

「あぁそうでした!本当にごめんなさい!」

 ルイスはマルセラを避けるように迂回してフーリの元に行った。

「お前な……クラスメイトならもっと親しく接しろよ」

「だって怖……恥ずかしいんだもん」

 こうして、学校の校門に兄妹と兄弟が揃った。ちなみにクライブは蚊帳の外になりつつあるので用務員の人と花壇の草むしりを手伝うことにした。
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