勇者ライフ!

わかばひいらぎ

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日常編(単発)

暇対策

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「フーリ……何する?」
「クライブ……なにしよっか」
 ある日、二人は手持ちぶさたになっていた。先程までマルセルがいて、『何の魔法で攻撃されてるか当てるチャレンジ』をしていたのだが、急用が入ったとか入ってないとかでどこかに行ってしまったのだ。
「……まだ続ける?チャレンジ」
「俺は氷結魔法しか使えないし、お前はそもそも魔法が使えないだろ。バリエーションがねぇからチャレンジなんて出来ねぇよ」
「そんな幸の無いこと言うなよ。じゃあどうする?虫取りでもする?」
「今どきの子供ですらしねぇよ」
「それじゃあおままごと?」
「なんで子供ものしか出てこないんだよ」
「あれ?お前熟女好きだった?」
「そういうことじゃねぇよ!」
 さて、クライブの性癖が露呈してしまったところで、フーリがある事に気づいた。
「地の文てめぇ……別に性癖じゃねぇって」
「おい!僕がある事に気づいた設定なんだからお前は喋んな!」
「すまんすまん。で、何に気づいたんだ?」
「……何で『暇』を『潰す』んだろうな」
「は?」
「潰す……昔の人は、何かを潰して暇な時間を過ごしていたと言うことか?」
「なるほど、言葉の意味を深読みして時間を過ごす作戦か。なかなかやるじゃないか」
「でもなんか結論でなそうだから考えるのや~めた!はいこの話終わり!クソが!」
「何に対しての怒りだよ」
「怒り……?怒りねぇ……」
「ん?」
「『怒』。女の又の心か。つまり、女性の股が怒りの根源ということなのか?」
「そんなことねぇと思うけどな」
「まぁ僕達に女なんて縁のねぇ話だ!はいこの話終わり!クソが!」
「なんで俺も一括りにされてるんだよ」
「マルセルはいいよなぁ……金持ってるから。磁石みてぇに人よってくるだろ」
「あいつの場合、性格が極端だからくっついてきた人間はすぐ離れてくと思うけどな」
「確かに。挨拶がわりに人を燃やすやつだからな」
「俺は初めて会った次の日に水魔法で滝行させられたぞ」
「そりゃあいつモテねぇわけだ……ん?」
「どうした?」
「なんか勝手にモテないって決めつけちゃったけどさ、あいつ今まで付き合ったことあるのかな?」
「あ~確かに。マルセルの色恋沙汰って聞いたことないかもな」
「クライブは色んな人を誑かしてるもんな」
「はぁ?だから人を巻き込むなって!俺は誑かしてないからな!その……向こうからよってくるだけだ!」
「いいよな~、お前もなんだかんだで金あるし、有名な家系だもんな~。やっぱり浮世は辛いね」
「そこまで言うなよ」
「いや待てよ……今クライブに彼女がいないということは……。まさか!お前歴代彼女を稽古に使ってきただろ!」
「使ってねぇわ!」
 こうして、なんだかんだで話の弾む二人であった。ちなみに、最終的には高級ティッシュの味について論議して終わったらしい。
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