世界一嫌いな自分へ

古明地 蓮

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次は私の番

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グーっと伸びをした彼は、何やら付箋らしきものに、乱雑に字を書いた。
そして、その付箋を私に手渡して

「じゃあね」

と言って、走り出した。

私は、走って彼のことを追いかけた。
でも、男子の全力疾走に追いつくはずもなく、彼はすでにフェンスの外にいた。

「待って...!!」

と、私が後ろから叫ぶと、彼は振り返ってこっちを見て

「自分で決めたことだから」

と言って、体を後ろに倒した。
急いで彼の手をつかもうと、フェンスから身を乗り出したけど、届くはずもなかった。
そして、虚しく何もつかめなかった右手を、握りしめた。

彼の足が地面を離れて1.6秒
彼の頭が地面についた。

そして、はじけ飛ぶ彼の体
中からあふれ出る血
見るも無残な彼の姿がそこにあった。

あまりに痛々しすぎて、見るに堪えがたいものがあった。
私は、ふっと視線を外そうとしたけど、何故か彼の姿に見入ってしまった。

多分二十秒弱だった
私は彼の姿を、できるだけ脳内にとどめた。
そして、もう十分だと思い、また屋上の中ほどに戻った。
はたと気が付いて、彼からもらった付箋を開くと

「五年後は君だ」

と書かれていた。
その時、私は彼の公式の意味を完全に理解できた。
そして、私はまた授業中のクラスに帰っていった。

あれから、私が自殺について悩んだことはない。
なぜなら、考えても、五年後には死ねるからと思って生き続けた。
あの日から五年たった今までは...
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