100均で始まる恋もある2

三森のらん

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7.オーナメント

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 ここ数日、定時とはいわないまでも早めに帰るようになった俺に、遠藤や小島までもが、訝し気に見るようになった。どちらかといえば、残業していることの多かった俺だけに、変にみられても仕方がないかもしれない。最後には遠藤には「もしかして、彼女でもできましたか?」などと、揶揄われてしまった。

「そんなんじゃないよ」

 俺はそう答えて会社を出るが、実際、百均の店に行っても濱田くんの姿はなく、毎回、空振りになっていた。まさか、ここのバイトの仕事を辞めてしまったのではないか、と一抹の不安を感じた。
 最後の頼みの綱、とばかりに、平日がダメなら週末だったら、と思いながら、お昼を過ぎた頃に百均の店のほうに行ってみた。普段は、どちらかといえばスウェットの上下のような楽な格好で過ごすことが多いが、今日は濱田くんに会うと思い、一応、ちゃんとした格好をしてきたつもりだった。ちゃんとといっても、スウェットからセーターとジーンズに変わった程度だが。

 週末には滅多にここまで来ないので、ある意味新鮮ではあった。平日の夜に比べると、ずいぶんとお客さんが多いのに驚く。
 そして、店には久しぶりに見る濱田くんの姿があった。商品の補充をしているのだろう。足元のカゴから、商品を取り出しては棚へと入れている。彼の元気そうな姿を見て、一安心する。
 こんな時期なのに、額の汗を拭っている姿に、一瞬、声をかけられなくなる。懸命に仕事に向かっている姿は、彼の真面目さをうかがわせた。
 フロアに「チリリン」というベルの音が鳴った。その音にはじかれたように、カゴを抱えた濱田くんが、俺に背を向け、レジのほうへと向かおうとしたが、すぐに立ち止まった。誰か代わりの人でも入ったのかもしれない。俺は、今だ、と思い、「濱田くん」と声をかけた。

「……」
「濱田くんだろ?」

 濱田くんだってわかってるけれど、本人の返事がないと不安になる。ゆっくりと彼のそばへと歩み寄る。

「……濱田くん?」

 それでも彼は応えてくれない。俺が彼の肩へ手を伸ばそうとした時。

「あの、お客様、どうかなさいましたか?」

 別の店員が俺に声をかけてきた。本人としては親切心なのだろうけれど、俺にしてみると、最悪のタイミングだ。

「あ、いや……あ、濱田くんっ」
 
 濱田くんは振り返りもせず、俺から離れていく。こうして逃げられると、無性に捕まえたくなる。君がそうなら、俺にも考えがある。

「お客様?」
「ああ、いや、大丈夫です」

 声をかけてくれた彼には罪はないが、苛立たしい気持ちは抑えられない。それでもなんとか作り笑いを浮かべると、俺は手近にあったカゴに手を伸ばした。
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