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7.オーナメント
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順々に注文した料理がテーブルの上に広げられていく。先に山本さんが頼んだ半チャーハンと台湾風ラーメンがきて、僕の頼んだ塩ラーメンは一番最後になってしまった。
しばらくは、食べ物を黙々と食べた僕たち。時間がたつにつれ、お店の中はお客さんが少しずつ増えてきた。
「濱田くん」
注文の声や、調理の音、テレビの音声で、騒めく店内で、山本さんの声は、塩ラーメンの山盛りになっていた野菜と格闘している僕の耳に容易に届いてしまう。すでに食べ終えていた山本さんが、いつの間に注文したのか、二本目のビールを自分のグラスに注ぎながら、声をかけてきた。
ずるずると麺をすすりながら、僕は丼の中から目を離せない。
「そのままでいいから、俺の話、聞いて」
僕は頷くこともできずに、麺をもくもくと咀嚼する。さっきまで美味しいって思ってのに、一気に味がしなくなった。
そして、どうしてか、それを飲み込むことができない。
「あの日、君が言ってくれた言葉、正直、戸惑った」
それはそうだろう。男の、それもこんな地味でカワイイわけでもない僕に告白されたって、普通の感覚だったら、嬉しいなんて思うはずもない。
むしろ、気持ち悪いとか、思い切り拒絶するものだろう。
「あれから、ずっと考えてた」
ごくん、と、ようやっと麺を飲み込んで、ゆっくりと山本さんの顔を見上げた。
そこにあったのは、山本さんの少し困った顔だった。その瞳には僕への嫌悪感はなくて、とても優しい瞳があった。僕はそれにどう反応していいかわからなくて、手に持った箸が中途半端な場所で宙に浮いたまま
「戸惑いはしたけど……君の気持ちは嫌じゃなかった」
山本さんは僕から視線をはずすと、少し照れくさそうな顔をしてる気がした。少し酔ったのだろうか。目元が少し赤らんで見える。
「だから、ちゃんと君と話がしたいと思ったんだけど、俺、濱田くんの連絡先、知らないし」
グラスに入っているビールを少し口にした。
「だから、いつものように仕事帰りに百均に行ったんだけど、君の姿は見えないし。うちにバイトに来てる……何さんだっけ?」
「……湯浅さん……」
「そう、彼女に聞いたんだ。学部が違うからわからないって言ってたのに、わざわざ調べてくれたみたいで。君が大学には来てるって聞いて、少し安心したんだ」
僕は箸を持ったまま、テーブルに手を置くと、ラーメンが伸びてしまうのも忘れて、いつの間にか山本さんの話す姿に見惚れていた。
こんな風に山本さんが僕のことを気にかけてくれていた。そんなことがあっていいんだろうか。これは夢なんじゃないか。そう思い始めた。
「濱田くんは知らなかっただろうけど、これでも、時間があるときは仕事帰りに必ず寄っていたんだよ」
その言葉にびっくりする。
「僕、火曜日はいました。」
僕がポツリと言うと、山本さんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに優しく微笑んだ。
「そうなの? タイミング悪いねぇ。火曜日は夕方から定例の会議があるもんだから、来たことがなかったんだ」
それで、平日がいないなら、と、週末に来てみたという。
「ビンゴだったね」
嬉しそうに笑う山本さんに、僕は泣きそうになった。
しばらくは、食べ物を黙々と食べた僕たち。時間がたつにつれ、お店の中はお客さんが少しずつ増えてきた。
「濱田くん」
注文の声や、調理の音、テレビの音声で、騒めく店内で、山本さんの声は、塩ラーメンの山盛りになっていた野菜と格闘している僕の耳に容易に届いてしまう。すでに食べ終えていた山本さんが、いつの間に注文したのか、二本目のビールを自分のグラスに注ぎながら、声をかけてきた。
ずるずると麺をすすりながら、僕は丼の中から目を離せない。
「そのままでいいから、俺の話、聞いて」
僕は頷くこともできずに、麺をもくもくと咀嚼する。さっきまで美味しいって思ってのに、一気に味がしなくなった。
そして、どうしてか、それを飲み込むことができない。
「あの日、君が言ってくれた言葉、正直、戸惑った」
それはそうだろう。男の、それもこんな地味でカワイイわけでもない僕に告白されたって、普通の感覚だったら、嬉しいなんて思うはずもない。
むしろ、気持ち悪いとか、思い切り拒絶するものだろう。
「あれから、ずっと考えてた」
ごくん、と、ようやっと麺を飲み込んで、ゆっくりと山本さんの顔を見上げた。
そこにあったのは、山本さんの少し困った顔だった。その瞳には僕への嫌悪感はなくて、とても優しい瞳があった。僕はそれにどう反応していいかわからなくて、手に持った箸が中途半端な場所で宙に浮いたまま
「戸惑いはしたけど……君の気持ちは嫌じゃなかった」
山本さんは僕から視線をはずすと、少し照れくさそうな顔をしてる気がした。少し酔ったのだろうか。目元が少し赤らんで見える。
「だから、ちゃんと君と話がしたいと思ったんだけど、俺、濱田くんの連絡先、知らないし」
グラスに入っているビールを少し口にした。
「だから、いつものように仕事帰りに百均に行ったんだけど、君の姿は見えないし。うちにバイトに来てる……何さんだっけ?」
「……湯浅さん……」
「そう、彼女に聞いたんだ。学部が違うからわからないって言ってたのに、わざわざ調べてくれたみたいで。君が大学には来てるって聞いて、少し安心したんだ」
僕は箸を持ったまま、テーブルに手を置くと、ラーメンが伸びてしまうのも忘れて、いつの間にか山本さんの話す姿に見惚れていた。
こんな風に山本さんが僕のことを気にかけてくれていた。そんなことがあっていいんだろうか。これは夢なんじゃないか。そう思い始めた。
「濱田くんは知らなかっただろうけど、これでも、時間があるときは仕事帰りに必ず寄っていたんだよ」
その言葉にびっくりする。
「僕、火曜日はいました。」
僕がポツリと言うと、山本さんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに優しく微笑んだ。
「そうなの? タイミング悪いねぇ。火曜日は夕方から定例の会議があるもんだから、来たことがなかったんだ」
それで、平日がいないなら、と、週末に来てみたという。
「ビンゴだったね」
嬉しそうに笑う山本さんに、僕は泣きそうになった。
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