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ジジイとババアー夏の陣ー
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孫:「おばあちゃーん!おじいちゃーん!夏休みの間、お世話になります」
ジジイ:「遠くからよく来たねぇ」
ババア:「疲れたでしょ。おあがり」
孫:「うん!」
ジジイ:「暑かったろう。しっかり水分をとるんだよ」
ババア:「はい、コレ。麦茶だよ」
孫:「ありがとう!おばあちゃん!」
ナレーション:ジジイとババアのアイコンタクト…。
ババア:(M)フン!気の利かない、じいさんだねぇ。
ジジイ:(M)ばあさん、抜けがけしおって。
ババア:(M)じいさんが、ボサっとしてるのが悪いんだよ。
ジジイ:(M)負けぬ!負けぬぞ!
ナレーション:わずか0.01秒の意思疎通である。
ジジイ:「孫や、夏休みの自由研究はナニを作るんじゃ?」
孫:「えっと…えっと…えっとねぇ!」
ジジイ:「やっぱり、昆虫採集かい?」
孫:「ユーチューバー!」
ジジイ:「え?ユーチューバー?アイスバーか何かかい?」
ババア:「じいさん、ユーチューバーも知らんのか!」
ジジイ:「ばあさんは知ってるのか?ユーチューバーだぞ!」
ババア:「ユーチューバーっていうのはね。動画配信サイトのユーチュー(ぴー)に自作の動画を投稿することで、動画の総再生数や登録
者数の基準を満たしたことで広告収入を得ている人たちのことを言うのですよ」
孫:「さすが、おばあちゃん!」
ジジイ:「ぐぬぬ!」
孫:「ユーチューバーさん達みたいな動画を作って、それを自由研究にするの!」
ババア:「パソコンとか撮影機材とか、家には揃っていないよ?」
孫:「大丈夫!この…あいぽんサーティーンがあればね!撮影も編集もお任せあれなんだぁ!」
ジジイ:「わしらの孫は、将来、天才ぷろぐらまーになるのか!」
ナレーション:ユーチューバーは知らなくてもプログラマーは知っているジジイである。
ババア:「孫ちゃん、どんな動画を撮りたいのかい?」
孫:「昨今は過激な内容も飽きられてきてる傾向にあるんだよねー」
ジジイ:「あれは、どうじゃ?じいさんが、滝を降ってみたとか!」
孫:「そんな危険なこと、おじいちゃんにやらせられないよ!」
ジジイ:「そうかのう、再生数爆上がり間違いなしだと思ったのじゃが」
ババア:「巨大ロボで山を吹き飛ばしてみた。そして山を作り直しました……とか?」
孫ちゃん:「楽しそうだけど、生態系を崩すのはやり過ぎかなぁ」
ナレーション:理解力の高いジジイと過激の尺度がズレいてるババアだ。山を吹き飛ばすのは倫理的にアウトである。
孫:「そうだ!ペットボトルロケットで大気圏を撮影してみた!にする。そしたら秘密裏に発射された(ぴー)とか!隠蔽され続けてる(ぴー)とかも映るかもしれないし!」
ナレーション:孫も孫だ。
ババア:「じゃあ、片手でも食べられるオヤツを作るね」
孫:「ありがとう!」
ジジイ:「ご近所さんから使えそうな材料を貰ってくるわい」
孫:「サスティナブルだね!」
ナレーション:数時間後
ジジイ:「おお!立派なロケットじゃな!」
ババア:「センスのあるデザインと、正確な図面だね」
孫:「コレを、こうして……出来た!ペットボトルロケット!先端にアイポンとGPS、パラシュートを付ければ…完成!」
孫:「廃材で作った発射台も完成!」
ナレーション:次の日
孫:「よぉーし!3・2・1……発射!」
ナレーション:発射したペットボトルロケットは順調に空へ飛ぶ。その間際、水鳥の群れが迫る。
ジジイ:「うおおおおお!……たぁ!!」
ナレーション:ジジイが山を駆ける。滝を逆走し、拾った石を水鳥の後頭部にクリンヒット!超!エクサイティング!
ジジイ:「今晩は……鴨鍋じゃ」
ナレーション:ジジイの貢献もあり、孫のペットボトルロケットは無事、大気圏に突入する。その真横を(ぴー)が秘密裏に打ち上げた人工衛星が接近する。このままだと衝突してしまう!
ババア:「ババダム!発射!」
ババア:「孫ちゃんの邪魔は…させない!」
ナレーション:山が割れる。謎の巨大ロボ……ババダムが宇宙へと飛び立つ。……ババダムって何だよ。ババダムが人工衛星をビームサーベルで切断!コレが…地球のモビ(ぴー)スーツか!
ババア:「しまった!人工衛星の破片が!」
ジジイ:「豆腐より脆いわッ!」
ナレーション:上半身半裸のジジイが宇宙空間で、人工衛星の破片を蹴り飛ばす。破片は粉砕され、ペットボトルロケットへの衝突を回避させた。
ナレーション:数分後…。
孫:「帰ってきたぁ!」
ナレーション:無事、データは差し替えられたペットボトルロケットは地上へ落下した。
ババア:「良かったねぇ」
ジジイ:「落ちてきた位置も完璧じゃな」
ババア:「さて、ご飯にしましょ。孫ちゃんが好きなきんぴら作ったよ」
ジジイ:「孫の好きな、イワナの塩焼きじゃ」
ババア:「ジイさん……!」
ジジイ:「バアさん……ぐぬぬ!」
ナレーション:夏休みと小競り合いは続く。
0:おわり
ジジイ:「遠くからよく来たねぇ」
ババア:「疲れたでしょ。おあがり」
孫:「うん!」
ジジイ:「暑かったろう。しっかり水分をとるんだよ」
ババア:「はい、コレ。麦茶だよ」
孫:「ありがとう!おばあちゃん!」
ナレーション:ジジイとババアのアイコンタクト…。
ババア:(M)フン!気の利かない、じいさんだねぇ。
ジジイ:(M)ばあさん、抜けがけしおって。
ババア:(M)じいさんが、ボサっとしてるのが悪いんだよ。
ジジイ:(M)負けぬ!負けぬぞ!
ナレーション:わずか0.01秒の意思疎通である。
ジジイ:「孫や、夏休みの自由研究はナニを作るんじゃ?」
孫:「えっと…えっと…えっとねぇ!」
ジジイ:「やっぱり、昆虫採集かい?」
孫:「ユーチューバー!」
ジジイ:「え?ユーチューバー?アイスバーか何かかい?」
ババア:「じいさん、ユーチューバーも知らんのか!」
ジジイ:「ばあさんは知ってるのか?ユーチューバーだぞ!」
ババア:「ユーチューバーっていうのはね。動画配信サイトのユーチュー(ぴー)に自作の動画を投稿することで、動画の総再生数や登録
者数の基準を満たしたことで広告収入を得ている人たちのことを言うのですよ」
孫:「さすが、おばあちゃん!」
ジジイ:「ぐぬぬ!」
孫:「ユーチューバーさん達みたいな動画を作って、それを自由研究にするの!」
ババア:「パソコンとか撮影機材とか、家には揃っていないよ?」
孫:「大丈夫!この…あいぽんサーティーンがあればね!撮影も編集もお任せあれなんだぁ!」
ジジイ:「わしらの孫は、将来、天才ぷろぐらまーになるのか!」
ナレーション:ユーチューバーは知らなくてもプログラマーは知っているジジイである。
ババア:「孫ちゃん、どんな動画を撮りたいのかい?」
孫:「昨今は過激な内容も飽きられてきてる傾向にあるんだよねー」
ジジイ:「あれは、どうじゃ?じいさんが、滝を降ってみたとか!」
孫:「そんな危険なこと、おじいちゃんにやらせられないよ!」
ジジイ:「そうかのう、再生数爆上がり間違いなしだと思ったのじゃが」
ババア:「巨大ロボで山を吹き飛ばしてみた。そして山を作り直しました……とか?」
孫ちゃん:「楽しそうだけど、生態系を崩すのはやり過ぎかなぁ」
ナレーション:理解力の高いジジイと過激の尺度がズレいてるババアだ。山を吹き飛ばすのは倫理的にアウトである。
孫:「そうだ!ペットボトルロケットで大気圏を撮影してみた!にする。そしたら秘密裏に発射された(ぴー)とか!隠蔽され続けてる(ぴー)とかも映るかもしれないし!」
ナレーション:孫も孫だ。
ババア:「じゃあ、片手でも食べられるオヤツを作るね」
孫:「ありがとう!」
ジジイ:「ご近所さんから使えそうな材料を貰ってくるわい」
孫:「サスティナブルだね!」
ナレーション:数時間後
ジジイ:「おお!立派なロケットじゃな!」
ババア:「センスのあるデザインと、正確な図面だね」
孫:「コレを、こうして……出来た!ペットボトルロケット!先端にアイポンとGPS、パラシュートを付ければ…完成!」
孫:「廃材で作った発射台も完成!」
ナレーション:次の日
孫:「よぉーし!3・2・1……発射!」
ナレーション:発射したペットボトルロケットは順調に空へ飛ぶ。その間際、水鳥の群れが迫る。
ジジイ:「うおおおおお!……たぁ!!」
ナレーション:ジジイが山を駆ける。滝を逆走し、拾った石を水鳥の後頭部にクリンヒット!超!エクサイティング!
ジジイ:「今晩は……鴨鍋じゃ」
ナレーション:ジジイの貢献もあり、孫のペットボトルロケットは無事、大気圏に突入する。その真横を(ぴー)が秘密裏に打ち上げた人工衛星が接近する。このままだと衝突してしまう!
ババア:「ババダム!発射!」
ババア:「孫ちゃんの邪魔は…させない!」
ナレーション:山が割れる。謎の巨大ロボ……ババダムが宇宙へと飛び立つ。……ババダムって何だよ。ババダムが人工衛星をビームサーベルで切断!コレが…地球のモビ(ぴー)スーツか!
ババア:「しまった!人工衛星の破片が!」
ジジイ:「豆腐より脆いわッ!」
ナレーション:上半身半裸のジジイが宇宙空間で、人工衛星の破片を蹴り飛ばす。破片は粉砕され、ペットボトルロケットへの衝突を回避させた。
ナレーション:数分後…。
孫:「帰ってきたぁ!」
ナレーション:無事、データは差し替えられたペットボトルロケットは地上へ落下した。
ババア:「良かったねぇ」
ジジイ:「落ちてきた位置も完璧じゃな」
ババア:「さて、ご飯にしましょ。孫ちゃんが好きなきんぴら作ったよ」
ジジイ:「孫の好きな、イワナの塩焼きじゃ」
ババア:「ジイさん……!」
ジジイ:「バアさん……ぐぬぬ!」
ナレーション:夏休みと小競り合いは続く。
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