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塩味アルファが甘くなるまで・結婚番外SS
がらん、がらん。母校の鐘がミチルのために鳴り響く。
深山ユキトは白いタキシードを着て、照れくさそうにミチルを見下ろしている。ユキトの奴、ようやく緊張が解けたか。ミチルは可笑しくなる。こういう厳かなの、慣れてねえもんな。
ふたりの薬指には銀色の指輪が控えめに輝いていた。生活指導の谷中神父は、いつもの陰鬱な表情をほんのわずか、わかる人にはわかる程度に緩めてふたりを見守っている。
小さなチャペルを、アルファとオメガは手をつないで後にする。ヴァージンロードの脇を見れば、ミチルの母はぐちゃぐちゃになったハンカチを手に、顔を真っ赤にして大泣きしている。もう、母さんったら。ミチルはいとおしいような、困ったような気持になる。案の定、深山の義母はちらりとミチルの母を見て嫌そうな顔をした。
その後ろで、親友のチュウヤは真剣な顔をして拍手をしていた。左手の薬指には指輪が光っている。大学卒業を待って同時に結婚するはずが、結局チュウヤが先だった。ミチルの方が深山家と加藤家の繊細な関係を調整するのに数か月を要したせいだ。ミチルが手を振ると、陣野チュウヤは微笑んで頷いた。
ふたりがドアをくぐると外は晴れわたっている。学生たちが投げた花びらがわっと舞い上がって、つがいの肩に降り注ぐ。
その光景に、アパート前の桜が散るさまが重なった。ユキトが座って待っていたあのベンチがミチルの脳裏をよぎる。
やっとだ。ようやくここまで来た。この日のためだけに聖フィアナ学園の校則に耐え、受験を乗り越え、学業を修め、義母をなだめすかして円満な結婚にこぎつけた。
ミチルの視界がにじんだ。ユキトを好きになってもう何年になるだろう。ユキトしかいらなかった。ドライな雰囲気の後ろにいつも優しさを隠した、このアルファだけが好きだった。
「どうした?」
「なんでもない。すげえ幸せってだけ」
ミチルはぎゅっとユキトの腕につかまる。アルファの香りを吸い込めば、あのころと変わらず瞼の裏に色とりどりの光が散った。
ゆっくりと目を開け、青空に思い切り手を伸ばしてピースサインを作る。友人たちから歓声があがる。
帰りのタクシーで、ユキトはミチルの肩を抱き寄せた。
「ごめんな、うちの親のせいで。ほんとは披露宴、やりたかっただろ」
「俺はユキトがいればなんでもいいよ」
あまり長く深山家と加藤家をいっしょにしていると危ないのは、ここ数か月の間で身に染みるほどわかっている。ミチルの母には悪気はないのだが、何気ない発言がユキトの母のコンプレックスを刺激してしまいやすい。不穏な雰囲気に何度ひやひやさせられたことか。ユキトの母は会社の人を招いて披露宴をした方がいいと主張していたが、ミチルはやんわりと断った。いくら頑丈なミチルでも、せっかくの晴れの日に気苦労はしたくない。
「俺の純白のタキシード姿なんてご披露したってさぁ、ベータの花婿さんにしか見えないしな!」
「かわいかったぞ。ああこいつ、やっとちゃんと俺のもんになったんだって思った。もう金輪際、誰にも邪魔されねえって」
ユキトはぼそりと言った。
「これからはずっといっしょだ、ミチル。健やかなるときも病めるときもってな」
「うん」
誰にも邪魔をされないユキトの腕の中で、ミチルはぐりぐりと額を擦りつける。ユキトはそっとミチルの頭を撫でる。
その夜はミチルのリクエストで、予約していたとびきりの店で焼肉を食べた。
「お前さぁ、こういうときってふつうフレンチとかじゃね? せめて鉄板焼きとかさ」
ユキトは苦笑している。
「緊張する店で慣れないことするより、こういう方がいいじゃん。服も普通でいいし。うんま、いいお肉」
箸を口に運び、ミチルはうっとりと目を細めた。
「ま、お前らしいけどな。今日聖フィアナの様子見て思ったけどさ、ミチルをあんな堅苦しいとこに入れるとか残酷なことしたもんだ、俺も」
ユキトは自嘲するように言った。
「あの鉄壁のオメガ学園なら、俺の代わりにお前をアルファから守ってくれるとか、そんなことしか頭になかった。行かせた俺がこんなこと言うのも無責任だけど、よっぽど合わなかっただろ」
「合わなかった! 谷中先生見ただろ、俺あの人にすげえ怒られまくってさぁ」
ミチルは懐かしく笑った。
「でも、全部いい思い出だ。親友もできたし、行ってよかったよ」
ミチルはしみじみと言った。
「そう言ってくれると助かるけどな」
ユキトは少しほっとした声を出した。それからグラスのビールに目を落とした。
「昔の俺ってほんとバカ。ああやって隔離されて初めてお前の良さがわかるとか」
「今はすっげえ賢くなったな、結婚までしちゃったもんな!」
「たしかに」
店にタクシーを頼んでアパートに戻る。ユキトが大手企業に就職して余裕ができたため、大学時代よりはずっと新しい部屋だ。
「おかえり、俺の奥さん」
ユキトは先に入ると、ほろ酔いのミチルを玄関で抱きとめる。ミチルはにっと笑った。
「おかえり、旦那さん……って、わっ」
強引な手が身体を這い始めた。ミチルは慌ててユキトの首にすがった。飢えたアルファの匂いが一気に溢れだして、ミチルの身体を熱くする。
「いきなりどうしたんだよ」
「ん? だって、結婚ってのはこういうことでしょ」
涼しい顔で言うと、ミチルの手を引いて、ユキトはさっさと寝室に入っていく。
「かわいそうにな。ずっと俺に閉じ込められてるのも気づかないで」
ミチルをベッドに座らせ、ひとりごとのようにユキトはつぶやいた。
「ユキト?」
ユキトはそっとミチルの耳を撫でた。
「なんでもねぇ。お前はずっとそのまま、なんもわかんなくていい」
甘い余韻で頭をぼうっとさせたまま、ミチルはシャワーを浴びている。まだ夢を見ているような、起きているような、ユキトに抱かれているような変な具合だ。水音の向こうで誰かがチャイムを鳴らしたのが聞こえて、ミチルはようやく我に返った。
「ユキトー! 出てー!」
浴室から叫ぶと、ん、という眠そうな声がして、ユキトがベッドから立ち上がる音が聞こえた。
まだ午前中だが、いったい誰だろう。宅配便が来る予定はなかったはず。ミチルはごしごしと顔を洗うといそいで浴室から出た。
「何考えてんの」
苛立ったユキトの声がしてミチルはびくりとした。ユキトがミチルに向かって怒鳴ったことはないが、つがいのアルファが不機嫌だとやはりオメガは不安になる。
あの感じからすると、もしかしてお客さんって。嫌な予感がした。服を着ると、まだ濡れた髪のまま、ミチルはそうっとリビングを覗く。
「来週は新婚旅行に行ってしまうでしょう、だから今のうちに新生活のお手伝いをしようかと思っただけよ」
げっ、やっぱユキトのお母さんじゃん。さすがのミチルも真っ赤になった。ユキトの方は上半身裸、ミチルは風呂から上がりたて。今出て行ったら何をしていたか一目瞭然である。ミチルはドアを閉めて隠れた。
「手伝うことは特にないよ」
ユキトは辛抱強い声で言った。
「苗字が変わる方にはいろいろあるの。知り合いの司法書士に、手続きのこといろいろ聞いてきたから。当のミチルさんは?」
「風呂だよ」
ユキトははっきり言った。ミチルは内心ぎゃーと叫んでしゃがみ込む。ユキトのバカ。
「やだ、そんな、まあ」
義母はミチルが万引きか何かをしていたかのような、ショックを受けた声を出した。
「だってもうすぐ十一時でしょう、こんな時間までそんな……なんてだらしないの」
ほらバレた。
「母さんが突撃してくるとは思ってなかったんだよ。休みは今日までなんだ。俺たちがどう過ごしたっていいだろ」
「だからって」
ユキトは声をあげて遮った。
「ベータの夫婦とは違うんだ。アルファとオメガのことに口出ししないで」
いつユキトが怒鳴ってしまうかと、ミチルはひやひやしている。せっかく円満に結婚できることになったのに、また元通りユキトの実家と縁が切れてしまうのは困る。
ユキトの母はため息をついた。
「まあ、今日のところは帰りますけど。どんな素晴らしい学校で教育を受けても、加藤さんの息子は加藤さんの息子なのね。先が思いやられるわ」
「おい」
びりびりするような怒気を孕んだ声だった。ダメだ、ユキトが爆発する。ミチルは思わず風呂場を飛び出していた。
「こ、こんにちは!」
「ミチルさん! まあ、髪も乾かしてないのに」
「お前、出てきちゃダメだろ」
ユキトもその母も目を丸くしている。
「いや、えっと、えっと、ご挨拶と思って……お義母さんが俺に何か教えてくれるって聞こえたので」
「え、ええ、そうだけど」
ユキトの母は呆れすぎて何を言っていいかわからない様子だ。ミチルは畳みかけた。
「今朝、ユキトと俺の上に味噌汁ぶちまけちゃって、風呂入ってて……こんな格好でごめんなさい、お話聞かせてください!」
苦しい言い訳だったが、ユキトの母は勢いに飲まれたようだった。
「いいわよ、風邪を引いちゃうから。書類だけ置いて帰るわ」
「ほんとに失礼しました!」
ユキトの母は釈然としない顔で帰っていく。ドアの向こうで、やっぱり加藤さんの息子はエキセントリックね、とつぶやくのが聞こえた気がした。
「ふう、なんとかなったぜ」
「ごまかすことはないだろ。夫婦がすることをしてただけ。母さんがどうこう言えることじゃない」
「そりゃ、ユキトとラブラブなのは自慢だけどさ。お義母さんに嫌われちゃっても困るじゃん」
「そもそも来るなって話なんだ」
ユキトはまだドアを睨んでいる。ミチルは腕を伸ばしてユキトの頭をわしわしと撫でた。
「ユキトえらい、よく怒鳴るの我慢した!」
ユキトはふっと表情を緩め、ミチルを撫で返した。
「お前こそ怒ったっていいんだぞ。ここはあの人の家じゃなくてお前の家なんだからさ」
「うん。ありがと、ユキト」
ふたりきりの部屋に甘い空気が戻っていく。
ふたりが結婚して二か月が経った。
「疲れた……」
義実家から戻ったミチルは呻いた。義母は事あるごとにミチルを呼んで家事をさせ、一緒に出掛けたがる。義父の具合があまりよくないので、ひとりでは気分が鬱するのだろう。ミチルはなるべく誘いを断らないようにしていた。
(気に入ってもらってんだから、いいことだ、うん)
ミチルは自分に言い聞かせる。徹底的に嫌われていた大学時代を考えると雲泥の差だ。
だが一方的に気遣いをし続ける関係は、いくらミチルでも消耗してしまう。ユキトの匂いが恋しかった。
(ユキトの奴、今夜も遅くなるのか)
画面を見て、ミチルはため息をつく。義母の前でスマートフォンを弄ると嫌がられるから、ユキトからメッセージが来ていたのには気づいていなかった。ユキトは私生活と仕事とのバランスを取ってくれるし、こうして連絡もまめにしてくれる。それでもオメガの本能はアルファの帰巣を願ってしまう。
(わがままだってわかってんだけどな。ユキトが頑張ってんのに)
ふっと気が緩んだ瞬間、存在をぐらぐらと揺るがせるような寂しさが襲ってきた。
ダメ、限界。ミチルは大いそぎで押し入れに飛び込んだ。吊るしてあるユキトの服に頭から埋もれ、布団に脚を突っ込み、グレープフルーツの香りに包まれるとオメガの本能は少し鎮まってくる。ミチル流の巣作りである。
どうしよう、ご飯作らないと。ユキトに悪い。理性ではわかっているのだが身体がどうしても動かない。魂が鉛になってしまったかのようだ。
「おーい、奥さん」
ユキトが押し入れの引き戸を開け、にやにやと見下ろしている。ミチルははっと目を覚ました。
「おかえり……えっと」
「全然返信ねえから、こんなことだろうと思った。弁当買ってきてやったぞ」
「ユキトー! ごめん!」
ミチルはユキトに抱きついた。今まで頭から被っていたユキトの服がどさどさと床に落ちる。
「いいんだよ。普段頑張ってんの知ってるもん。メンタル沈んだときくらい甘えとけ」
義母の愚痴をユキトに漏らしたことはないし、そもそも頻繁に義実家通いをしていることも言っていない。ユキトがまた母親と険悪になってしまうといけないからだ。ユキトの目からは、つがいの帰りが遅いだけで死ぬほど落ち込むダメオメガに見えているかもしれない。なのにユキトは。
「ユキト優しい、惚れ直した」
ミチルはしみじみと言った。
「じゃ、抱いてやろっか」
「うん! あ、でもユキト、寝不足になっちゃうか……?」
ユキトは笑った。
「こんなん我慢するぐらいなら寝不足のほうがましだっての」
翌朝、ユキトは早くに出勤した。いっぱい甘やかしてもらった分、昨日の失敗は繰り返したくねえ。ミチルは大張り切りで家事を片付け、午前中のうちに買い物を済ませ、夕飯の作り置きを始める。お義母さんに呼ばれる前に全部済まさないと。
野菜を切り、肉を漬けたところで着信音が鳴り響いた。ほら来た。ミチルはいそいで手を洗うと電話をとりに駆けていく。
「来月からお父さんが検査入院することになったのよ」
義母は言った。ただの愚痴を聞くつもりだったミチルは慌てた。
「大変じゃないですか、お大事になさってください。お手伝いが必要だったら遠慮なく」
「そう? 悪いわね」
遠慮する気は義母には最初からなかった様子だ。
「まあ検査だし、入院はいつものことだけど。貯めてた旅行代がみんな入院費用になっちゃうの。嫌になるわ」
「そんな、残念」
ミチルは心から言った。
「そうなのよ。温泉にでも行けば、お父さんの具合もよくなるかもしれないと思ったんだけど」
義母はため息をついた。
「代わりに今度、あなたたちに連れて行ってもらおうかしら。あの子結構稼いでるそうじゃない。ミチルさん、ちょっと頼んでおいてちょうだいな。私から頼むより言うこと聞くでしょ、あの子は」
同情していたミチルはここに来てうっと言葉に詰まった。ユキトと旅行なら本当はふたりきりで行きたい。一日中いっしょにいられる貴重な時間を義母と過ごすのはちょっと、いやだいぶつらい。
「お父さんのこと、元気なうちに温泉に連れてってあげたかった。それだけなのよ」
ミチルの良心がちくちくと痛んだ。ミチルのエゴで温泉に行けないまま、義父に何かあったらどうしよう。ユキトだってきっとそれは嫌だろう。
「えっと、一応訊いてみますね……」
ユキトのため。そう自分に言い聞かせ、ミチルはしぶしぶ言った。
「ありがとう、次の長いお休みっていつかしら? 楽しみだわ」
義母の声が華やいだ。義母の中ではもう決定事項になっているようだった。うわあ、どうしよう。
ユキトが帰ってくると、ミチルはジャケットを脱ぐのを手伝いながら切り出した。
「あのさ、お義母さんから電話があって、お義父さんが検査入院するって」
「ああ、それは聞いてる。いつものだろ」
「その入院費用で旅行代が飛んじゃったって、お義母さん悲しがっててさ。今度の長い休みに、ユキトに温泉に連れてってもらいたいらしくて……」
ネクタイを解くのをやめ、ユキトは唇を引き結んだ。
「それをお前に伝言してきたの」
「うん。お義父さんのこと、温泉に入れてあげたいらしくて」
ユキトは長いため息をついてスマートフォンを取り上げた。
「もしもし、母さん」
つながったらしく、ユキトは静かに言った。
「悪いけど休みはミチルと過ごすから。温泉だったら父さんとふたりで行ってきて。旅行代は出してもいい。その代わり、もう実家のことにミチルを巻き込まないで。ミチルは母さんのものじゃなくて俺のだから。それだけ。じゃあ」
一方的に言ってユキトは電話を切った。ミチルは慌てた。
「おい、いいのか、あんなこと言って。お義父さん具合悪いから、ご両親ふたりだと大変なんじゃ」
「普通に動ける状態だから。無理なら旅行を見送ってもいいはずだろ」
「でもお義父さんに何かある前に行っておきたいみたいで」
「それ、たぶん父さんじゃなくて母さんが行きたいだけ」
ユキトはだんだん苛立った声になる。
「っていうか、それはお前が考えなきゃいけないことじゃない。お前はどうしたいんだ。貴重な俺の休みをいっしょに過ごしたいのは母さんか? 俺か?」
ミチルはきょとんとして、それからゆっくり笑顔になる。俺、バカだ。
「そんなのユキトに決まってんじゃん!」
「よし。ならこれ以上悩むな」
「ん。ごめん」
ミチルはユキトにぎゅっと抱きついた。
「あー、でもなー。俺の伝え方が悪かったって、お義母さんへそ曲げてるかも」
「そんなの勝手に曲げてる方が悪くね?」
「そうだけどさ。しばらくちょっと会いたくねぇ」
ミチルはぽろっとこぼした。ユキトはむ、と言ってミチルの顔を覗いた。
「お前さ、どんぐらいあのうち行ってんの」
ミチルはぎくりとした。
「二日にいっぺん……いやもうちょっとかも。いやだって、お義母さん看病つらそうだしさ」
ユキトの顔がどんどん曇るのを見て、ミチルは慌てた。
「昨日は?」
「行きました……」
ユキトはため息をついた。
「それでかよ。てっきり俺の帰りが遅いだけで落ち込んでたんだと思った。ぬか喜びを返せ」
「ぬか?」
ユキトはミチルの鼻をつんと押した。
「お前にも言っとくな。お前の結婚相手は母さんじゃなくて俺なの。もう母さんのために擦り減るな。そのぐらいなら俺のためにしろ」
「減らねえよ、ユキトは優しいもん」
「こいつ。意地悪な俺に戻ってやろうか」
ユキトはミチルの頬を軽くつねった。ミチルは笑った。
「へへ、絶対無理だね! ユキト俺にメロメロだもん!」
「クソ、ぐうの音も出ねえ」
深山ユキトは白いタキシードを着て、照れくさそうにミチルを見下ろしている。ユキトの奴、ようやく緊張が解けたか。ミチルは可笑しくなる。こういう厳かなの、慣れてねえもんな。
ふたりの薬指には銀色の指輪が控えめに輝いていた。生活指導の谷中神父は、いつもの陰鬱な表情をほんのわずか、わかる人にはわかる程度に緩めてふたりを見守っている。
小さなチャペルを、アルファとオメガは手をつないで後にする。ヴァージンロードの脇を見れば、ミチルの母はぐちゃぐちゃになったハンカチを手に、顔を真っ赤にして大泣きしている。もう、母さんったら。ミチルはいとおしいような、困ったような気持になる。案の定、深山の義母はちらりとミチルの母を見て嫌そうな顔をした。
その後ろで、親友のチュウヤは真剣な顔をして拍手をしていた。左手の薬指には指輪が光っている。大学卒業を待って同時に結婚するはずが、結局チュウヤが先だった。ミチルの方が深山家と加藤家の繊細な関係を調整するのに数か月を要したせいだ。ミチルが手を振ると、陣野チュウヤは微笑んで頷いた。
ふたりがドアをくぐると外は晴れわたっている。学生たちが投げた花びらがわっと舞い上がって、つがいの肩に降り注ぐ。
その光景に、アパート前の桜が散るさまが重なった。ユキトが座って待っていたあのベンチがミチルの脳裏をよぎる。
やっとだ。ようやくここまで来た。この日のためだけに聖フィアナ学園の校則に耐え、受験を乗り越え、学業を修め、義母をなだめすかして円満な結婚にこぎつけた。
ミチルの視界がにじんだ。ユキトを好きになってもう何年になるだろう。ユキトしかいらなかった。ドライな雰囲気の後ろにいつも優しさを隠した、このアルファだけが好きだった。
「どうした?」
「なんでもない。すげえ幸せってだけ」
ミチルはぎゅっとユキトの腕につかまる。アルファの香りを吸い込めば、あのころと変わらず瞼の裏に色とりどりの光が散った。
ゆっくりと目を開け、青空に思い切り手を伸ばしてピースサインを作る。友人たちから歓声があがる。
帰りのタクシーで、ユキトはミチルの肩を抱き寄せた。
「ごめんな、うちの親のせいで。ほんとは披露宴、やりたかっただろ」
「俺はユキトがいればなんでもいいよ」
あまり長く深山家と加藤家をいっしょにしていると危ないのは、ここ数か月の間で身に染みるほどわかっている。ミチルの母には悪気はないのだが、何気ない発言がユキトの母のコンプレックスを刺激してしまいやすい。不穏な雰囲気に何度ひやひやさせられたことか。ユキトの母は会社の人を招いて披露宴をした方がいいと主張していたが、ミチルはやんわりと断った。いくら頑丈なミチルでも、せっかくの晴れの日に気苦労はしたくない。
「俺の純白のタキシード姿なんてご披露したってさぁ、ベータの花婿さんにしか見えないしな!」
「かわいかったぞ。ああこいつ、やっとちゃんと俺のもんになったんだって思った。もう金輪際、誰にも邪魔されねえって」
ユキトはぼそりと言った。
「これからはずっといっしょだ、ミチル。健やかなるときも病めるときもってな」
「うん」
誰にも邪魔をされないユキトの腕の中で、ミチルはぐりぐりと額を擦りつける。ユキトはそっとミチルの頭を撫でる。
その夜はミチルのリクエストで、予約していたとびきりの店で焼肉を食べた。
「お前さぁ、こういうときってふつうフレンチとかじゃね? せめて鉄板焼きとかさ」
ユキトは苦笑している。
「緊張する店で慣れないことするより、こういう方がいいじゃん。服も普通でいいし。うんま、いいお肉」
箸を口に運び、ミチルはうっとりと目を細めた。
「ま、お前らしいけどな。今日聖フィアナの様子見て思ったけどさ、ミチルをあんな堅苦しいとこに入れるとか残酷なことしたもんだ、俺も」
ユキトは自嘲するように言った。
「あの鉄壁のオメガ学園なら、俺の代わりにお前をアルファから守ってくれるとか、そんなことしか頭になかった。行かせた俺がこんなこと言うのも無責任だけど、よっぽど合わなかっただろ」
「合わなかった! 谷中先生見ただろ、俺あの人にすげえ怒られまくってさぁ」
ミチルは懐かしく笑った。
「でも、全部いい思い出だ。親友もできたし、行ってよかったよ」
ミチルはしみじみと言った。
「そう言ってくれると助かるけどな」
ユキトは少しほっとした声を出した。それからグラスのビールに目を落とした。
「昔の俺ってほんとバカ。ああやって隔離されて初めてお前の良さがわかるとか」
「今はすっげえ賢くなったな、結婚までしちゃったもんな!」
「たしかに」
店にタクシーを頼んでアパートに戻る。ユキトが大手企業に就職して余裕ができたため、大学時代よりはずっと新しい部屋だ。
「おかえり、俺の奥さん」
ユキトは先に入ると、ほろ酔いのミチルを玄関で抱きとめる。ミチルはにっと笑った。
「おかえり、旦那さん……って、わっ」
強引な手が身体を這い始めた。ミチルは慌ててユキトの首にすがった。飢えたアルファの匂いが一気に溢れだして、ミチルの身体を熱くする。
「いきなりどうしたんだよ」
「ん? だって、結婚ってのはこういうことでしょ」
涼しい顔で言うと、ミチルの手を引いて、ユキトはさっさと寝室に入っていく。
「かわいそうにな。ずっと俺に閉じ込められてるのも気づかないで」
ミチルをベッドに座らせ、ひとりごとのようにユキトはつぶやいた。
「ユキト?」
ユキトはそっとミチルの耳を撫でた。
「なんでもねぇ。お前はずっとそのまま、なんもわかんなくていい」
甘い余韻で頭をぼうっとさせたまま、ミチルはシャワーを浴びている。まだ夢を見ているような、起きているような、ユキトに抱かれているような変な具合だ。水音の向こうで誰かがチャイムを鳴らしたのが聞こえて、ミチルはようやく我に返った。
「ユキトー! 出てー!」
浴室から叫ぶと、ん、という眠そうな声がして、ユキトがベッドから立ち上がる音が聞こえた。
まだ午前中だが、いったい誰だろう。宅配便が来る予定はなかったはず。ミチルはごしごしと顔を洗うといそいで浴室から出た。
「何考えてんの」
苛立ったユキトの声がしてミチルはびくりとした。ユキトがミチルに向かって怒鳴ったことはないが、つがいのアルファが不機嫌だとやはりオメガは不安になる。
あの感じからすると、もしかしてお客さんって。嫌な予感がした。服を着ると、まだ濡れた髪のまま、ミチルはそうっとリビングを覗く。
「来週は新婚旅行に行ってしまうでしょう、だから今のうちに新生活のお手伝いをしようかと思っただけよ」
げっ、やっぱユキトのお母さんじゃん。さすがのミチルも真っ赤になった。ユキトの方は上半身裸、ミチルは風呂から上がりたて。今出て行ったら何をしていたか一目瞭然である。ミチルはドアを閉めて隠れた。
「手伝うことは特にないよ」
ユキトは辛抱強い声で言った。
「苗字が変わる方にはいろいろあるの。知り合いの司法書士に、手続きのこといろいろ聞いてきたから。当のミチルさんは?」
「風呂だよ」
ユキトははっきり言った。ミチルは内心ぎゃーと叫んでしゃがみ込む。ユキトのバカ。
「やだ、そんな、まあ」
義母はミチルが万引きか何かをしていたかのような、ショックを受けた声を出した。
「だってもうすぐ十一時でしょう、こんな時間までそんな……なんてだらしないの」
ほらバレた。
「母さんが突撃してくるとは思ってなかったんだよ。休みは今日までなんだ。俺たちがどう過ごしたっていいだろ」
「だからって」
ユキトは声をあげて遮った。
「ベータの夫婦とは違うんだ。アルファとオメガのことに口出ししないで」
いつユキトが怒鳴ってしまうかと、ミチルはひやひやしている。せっかく円満に結婚できることになったのに、また元通りユキトの実家と縁が切れてしまうのは困る。
ユキトの母はため息をついた。
「まあ、今日のところは帰りますけど。どんな素晴らしい学校で教育を受けても、加藤さんの息子は加藤さんの息子なのね。先が思いやられるわ」
「おい」
びりびりするような怒気を孕んだ声だった。ダメだ、ユキトが爆発する。ミチルは思わず風呂場を飛び出していた。
「こ、こんにちは!」
「ミチルさん! まあ、髪も乾かしてないのに」
「お前、出てきちゃダメだろ」
ユキトもその母も目を丸くしている。
「いや、えっと、えっと、ご挨拶と思って……お義母さんが俺に何か教えてくれるって聞こえたので」
「え、ええ、そうだけど」
ユキトの母は呆れすぎて何を言っていいかわからない様子だ。ミチルは畳みかけた。
「今朝、ユキトと俺の上に味噌汁ぶちまけちゃって、風呂入ってて……こんな格好でごめんなさい、お話聞かせてください!」
苦しい言い訳だったが、ユキトの母は勢いに飲まれたようだった。
「いいわよ、風邪を引いちゃうから。書類だけ置いて帰るわ」
「ほんとに失礼しました!」
ユキトの母は釈然としない顔で帰っていく。ドアの向こうで、やっぱり加藤さんの息子はエキセントリックね、とつぶやくのが聞こえた気がした。
「ふう、なんとかなったぜ」
「ごまかすことはないだろ。夫婦がすることをしてただけ。母さんがどうこう言えることじゃない」
「そりゃ、ユキトとラブラブなのは自慢だけどさ。お義母さんに嫌われちゃっても困るじゃん」
「そもそも来るなって話なんだ」
ユキトはまだドアを睨んでいる。ミチルは腕を伸ばしてユキトの頭をわしわしと撫でた。
「ユキトえらい、よく怒鳴るの我慢した!」
ユキトはふっと表情を緩め、ミチルを撫で返した。
「お前こそ怒ったっていいんだぞ。ここはあの人の家じゃなくてお前の家なんだからさ」
「うん。ありがと、ユキト」
ふたりきりの部屋に甘い空気が戻っていく。
ふたりが結婚して二か月が経った。
「疲れた……」
義実家から戻ったミチルは呻いた。義母は事あるごとにミチルを呼んで家事をさせ、一緒に出掛けたがる。義父の具合があまりよくないので、ひとりでは気分が鬱するのだろう。ミチルはなるべく誘いを断らないようにしていた。
(気に入ってもらってんだから、いいことだ、うん)
ミチルは自分に言い聞かせる。徹底的に嫌われていた大学時代を考えると雲泥の差だ。
だが一方的に気遣いをし続ける関係は、いくらミチルでも消耗してしまう。ユキトの匂いが恋しかった。
(ユキトの奴、今夜も遅くなるのか)
画面を見て、ミチルはため息をつく。義母の前でスマートフォンを弄ると嫌がられるから、ユキトからメッセージが来ていたのには気づいていなかった。ユキトは私生活と仕事とのバランスを取ってくれるし、こうして連絡もまめにしてくれる。それでもオメガの本能はアルファの帰巣を願ってしまう。
(わがままだってわかってんだけどな。ユキトが頑張ってんのに)
ふっと気が緩んだ瞬間、存在をぐらぐらと揺るがせるような寂しさが襲ってきた。
ダメ、限界。ミチルは大いそぎで押し入れに飛び込んだ。吊るしてあるユキトの服に頭から埋もれ、布団に脚を突っ込み、グレープフルーツの香りに包まれるとオメガの本能は少し鎮まってくる。ミチル流の巣作りである。
どうしよう、ご飯作らないと。ユキトに悪い。理性ではわかっているのだが身体がどうしても動かない。魂が鉛になってしまったかのようだ。
「おーい、奥さん」
ユキトが押し入れの引き戸を開け、にやにやと見下ろしている。ミチルははっと目を覚ました。
「おかえり……えっと」
「全然返信ねえから、こんなことだろうと思った。弁当買ってきてやったぞ」
「ユキトー! ごめん!」
ミチルはユキトに抱きついた。今まで頭から被っていたユキトの服がどさどさと床に落ちる。
「いいんだよ。普段頑張ってんの知ってるもん。メンタル沈んだときくらい甘えとけ」
義母の愚痴をユキトに漏らしたことはないし、そもそも頻繁に義実家通いをしていることも言っていない。ユキトがまた母親と険悪になってしまうといけないからだ。ユキトの目からは、つがいの帰りが遅いだけで死ぬほど落ち込むダメオメガに見えているかもしれない。なのにユキトは。
「ユキト優しい、惚れ直した」
ミチルはしみじみと言った。
「じゃ、抱いてやろっか」
「うん! あ、でもユキト、寝不足になっちゃうか……?」
ユキトは笑った。
「こんなん我慢するぐらいなら寝不足のほうがましだっての」
翌朝、ユキトは早くに出勤した。いっぱい甘やかしてもらった分、昨日の失敗は繰り返したくねえ。ミチルは大張り切りで家事を片付け、午前中のうちに買い物を済ませ、夕飯の作り置きを始める。お義母さんに呼ばれる前に全部済まさないと。
野菜を切り、肉を漬けたところで着信音が鳴り響いた。ほら来た。ミチルはいそいで手を洗うと電話をとりに駆けていく。
「来月からお父さんが検査入院することになったのよ」
義母は言った。ただの愚痴を聞くつもりだったミチルは慌てた。
「大変じゃないですか、お大事になさってください。お手伝いが必要だったら遠慮なく」
「そう? 悪いわね」
遠慮する気は義母には最初からなかった様子だ。
「まあ検査だし、入院はいつものことだけど。貯めてた旅行代がみんな入院費用になっちゃうの。嫌になるわ」
「そんな、残念」
ミチルは心から言った。
「そうなのよ。温泉にでも行けば、お父さんの具合もよくなるかもしれないと思ったんだけど」
義母はため息をついた。
「代わりに今度、あなたたちに連れて行ってもらおうかしら。あの子結構稼いでるそうじゃない。ミチルさん、ちょっと頼んでおいてちょうだいな。私から頼むより言うこと聞くでしょ、あの子は」
同情していたミチルはここに来てうっと言葉に詰まった。ユキトと旅行なら本当はふたりきりで行きたい。一日中いっしょにいられる貴重な時間を義母と過ごすのはちょっと、いやだいぶつらい。
「お父さんのこと、元気なうちに温泉に連れてってあげたかった。それだけなのよ」
ミチルの良心がちくちくと痛んだ。ミチルのエゴで温泉に行けないまま、義父に何かあったらどうしよう。ユキトだってきっとそれは嫌だろう。
「えっと、一応訊いてみますね……」
ユキトのため。そう自分に言い聞かせ、ミチルはしぶしぶ言った。
「ありがとう、次の長いお休みっていつかしら? 楽しみだわ」
義母の声が華やいだ。義母の中ではもう決定事項になっているようだった。うわあ、どうしよう。
ユキトが帰ってくると、ミチルはジャケットを脱ぐのを手伝いながら切り出した。
「あのさ、お義母さんから電話があって、お義父さんが検査入院するって」
「ああ、それは聞いてる。いつものだろ」
「その入院費用で旅行代が飛んじゃったって、お義母さん悲しがっててさ。今度の長い休みに、ユキトに温泉に連れてってもらいたいらしくて……」
ネクタイを解くのをやめ、ユキトは唇を引き結んだ。
「それをお前に伝言してきたの」
「うん。お義父さんのこと、温泉に入れてあげたいらしくて」
ユキトは長いため息をついてスマートフォンを取り上げた。
「もしもし、母さん」
つながったらしく、ユキトは静かに言った。
「悪いけど休みはミチルと過ごすから。温泉だったら父さんとふたりで行ってきて。旅行代は出してもいい。その代わり、もう実家のことにミチルを巻き込まないで。ミチルは母さんのものじゃなくて俺のだから。それだけ。じゃあ」
一方的に言ってユキトは電話を切った。ミチルは慌てた。
「おい、いいのか、あんなこと言って。お義父さん具合悪いから、ご両親ふたりだと大変なんじゃ」
「普通に動ける状態だから。無理なら旅行を見送ってもいいはずだろ」
「でもお義父さんに何かある前に行っておきたいみたいで」
「それ、たぶん父さんじゃなくて母さんが行きたいだけ」
ユキトはだんだん苛立った声になる。
「っていうか、それはお前が考えなきゃいけないことじゃない。お前はどうしたいんだ。貴重な俺の休みをいっしょに過ごしたいのは母さんか? 俺か?」
ミチルはきょとんとして、それからゆっくり笑顔になる。俺、バカだ。
「そんなのユキトに決まってんじゃん!」
「よし。ならこれ以上悩むな」
「ん。ごめん」
ミチルはユキトにぎゅっと抱きついた。
「あー、でもなー。俺の伝え方が悪かったって、お義母さんへそ曲げてるかも」
「そんなの勝手に曲げてる方が悪くね?」
「そうだけどさ。しばらくちょっと会いたくねぇ」
ミチルはぽろっとこぼした。ユキトはむ、と言ってミチルの顔を覗いた。
「お前さ、どんぐらいあのうち行ってんの」
ミチルはぎくりとした。
「二日にいっぺん……いやもうちょっとかも。いやだって、お義母さん看病つらそうだしさ」
ユキトの顔がどんどん曇るのを見て、ミチルは慌てた。
「昨日は?」
「行きました……」
ユキトはため息をついた。
「それでかよ。てっきり俺の帰りが遅いだけで落ち込んでたんだと思った。ぬか喜びを返せ」
「ぬか?」
ユキトはミチルの鼻をつんと押した。
「お前にも言っとくな。お前の結婚相手は母さんじゃなくて俺なの。もう母さんのために擦り減るな。そのぐらいなら俺のためにしろ」
「減らねえよ、ユキトは優しいもん」
「こいつ。意地悪な俺に戻ってやろうか」
ユキトはミチルの頬を軽くつねった。ミチルは笑った。
「へへ、絶対無理だね! ユキト俺にメロメロだもん!」
「クソ、ぐうの音も出ねえ」
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