溺愛展開を信じるには拾い主が怪しすぎる

蟹江カルマ

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18 褒めて※

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 どれぐらい経っただろう。
 
「ぁ……はぁ……あ……」
 
 内側の快楽に喘いでいるうちに、気づけば三本の指が恭弥の中にはいっていた。異物の侵入を拒んでいたはずの肉の縁が、ローションと刺激でとろとろにふやかされている。
 
「えらかったね。がんばったね」

 甘い誉め言葉とともに、ちゅぽんと指が身体から出ていく。
 
「ひゃう」
 
 一気に楔を引き抜かれ、恭弥はがくんと胸をそらした。上を向いたままの恭弥のものが、身体の前で激しく揺れる。
 
「ああ、ごめん。ちょっとこらえ性がなかった」

 アランは涙で濡れた恭弥の頬にキスした。
 
「ベッド、行こ?」

 恭弥は頷いた。腹の中が寂しくて、きゅんと疼いて仕方がなかった。
 
「いいこ」

 頬を撫でられて、恭弥はうっとりと目を細める。
 
「じゃ、ちょっとここで待ってて。ムード作ってくるから」

 アランは先に寝室に向かった。カーテンを閉めるかすかな音がする。恭弥の心臓は激しく鼓動している。
 
「いいよ、おいで」

 おぼつかない足取りで、恭弥は部屋に入った。
 ぼんやりとランプが灯っている。アランは裸になってベッドの上に腰かけていた。おずおずと近づくと、恭弥の肉体をほしがっている証が反り立っているのが見えた。
 ざくろの色をした先端。白い肌に覆われた茎はいっぱいに張り詰め、血管が浮いている。
 恭弥は自分が恐れているのか、興奮しているのか、わからなくなる。

「おいで。ぼくの方に顔を向けて、またぐ感じ」

 アランに促され、恭弥は少し困惑しながら、アランの膝にまたがって膝立ちになった。これで合っているんだろうか。
 アランはまたあの優しいまなざしで恭弥を見上げている。恭弥はごくんと唾を飲んだ。
 
「この方が、負担が少ないらしいから。……そう、いいよ」
 
 手と手を絡め、もう片方の手で恭弥の尻を支えて、アランは微笑む。
 ゴムの被覆をまとった男のものが溝に触れる。手際がよすぎて、いつ用意したかさえ恭弥にはわからなかった。
 
「っ……」
 
 緩んだ入口を丸いもので擦られて、恭弥は息を詰める。
 
「そのまま腰をおろして……できる?」

 こわかった。だがそれ以上に、アランと早くつながりたかった。
 恭弥は覚悟を決めてぎゅっと目を瞑ると、アランの肩に掴まって、おそるおそる腰を下ろしていった。
 ぐっと丸い先端が身体の中にめりこむ。
 
「くっ……」

 あまりの大きさに、恭弥は眉を寄せる。
 
(はいるわけ、ねぇ、こんなの……)

 せめて恭弥と同じぐらいの、ふつうの大きさだったらよかった。

「難しい?」

 アランは指で恭弥の溝を押し広げた。
 ざわりとした快感が指の触れた場所に生まれた。
 
「んん……」
「手伝ってあげる」

 アランのもう片方の手が、シャツの前立てをかきわけて恭弥の胸に伸びる。
 くに、と乳首を捏ねられ、恭弥は驚いて目を見開く。
 強く甘い痺れがうしろの孔に走った。
 
「ぁあっ」

 ぐぷん。弾みで大きな先端が、恭弥の中に滑り込んだ。
 恭弥の肉の輪よりもアランの亀頭が太いことを、恭弥はあらぬところで感じ取る。もう二度と抜け出ることはないんじゃないか、一生このままなんじゃないかという、理屈に合わない恐怖が恭弥の背筋を震わせた。
 
「はは、乳首弄ったら、ほんとにはいっちゃった。すごいすごい」

 視界をちかちかさせながら、恭弥はへたりこむように腰を落とした。
 大きくて熱い肉の杭が恭弥をゆっくりと貫いていく。
 
「ぁ……あ……」
「そうそう、その調子」
 
 アランが乳首を捏ねるたび、びりびりとした痺れが孔の中を走っていく。
 蛇の鎌首に似たものが、浅い場所をそのかたちに押し拓いていく。いちばん弱い場所をじっくりと擦られて、恭弥は涙ぐんだ。
 
「あとちょっと。十センチぐらいかな? がんばれ」

 アランは恭弥の肩の上に片手を置いた。軽く圧をかけて、恭弥に座り込むよう促してくる。
 
「あああっ」

 ぐぷぷ、と太いものが奥へはいってくる。
 あまりのこわさに、恭弥は思わず逃れようとした。が、肩に置かれた手と、身体の奥に深く突き立てられた雄が、それを許してはくれなかった。
 恭弥はバランスを崩して、アランの上に座り込んでしまった。
 ぱちゅん。尻の下で、卑猥な音が鳴った。アランのなめらかな脚が恭弥の尻にぴったりとついている。

「んあっ……!!」

 強すぎる刺激が恭弥の身体をしならせる。
 おそろしいほどの圧迫感だ。浅い場所にある弱点も、奥も、壁と言う壁がアランの雄に押し潰されている。

「一気に全部はいっちゃった。恭弥くんはえらいなぁ、頑張った」

 アランはそっと恭弥の後ろ頭を撫でた。恭弥の身体がつま先まで震えた。
 
「ほら、ごらん。自分からお膝に乗ってくるようになったでしょう」
 
 アランは勝ち誇ったように言った。
 
「思ったよりずっと早くてうれしいよ」
 
 下から少しだけ首を伸ばして、アランは恭弥の唇にキスする。
 それから恭弥の腰骨を掴んで、ゆっくりと動きはじめた。
 
「はぁ、っぁ、ぁあ」

 回転木馬の上にいるように、恭弥の身体が上下する。かたくなりきったまま放置されている恭弥のものが、アランの腹の前でふるん、ふるんと揺れた。
 
「かわいい」

 アランは片手を擦り上げて、恭弥の脇腹から胸を愛撫する。
 親指で乳首の先を捏ねられ、恭弥はひどく泣いた。

「ひっく、う、ぅう゛……」
「気持ちいいね?」

 しゃくりあげながら、恭弥は素直にうなずいた。
 
「そっか、気持ちよくなれてえらいなぁ」
 
 期待していた通りの報酬を得て、恭弥はさらに気持ちよくなる。
 アランの声はいつ聞いても、どこまで本気なのかさっぱりわからない。
 もしかしたら、茶化されているだけかもしれない。バカにされているだけかもしれない。
 だが恭弥は、そんな軽いアランの言葉にすべてを差し出してもいいとさえ思う。
 
(だって)
 
 ずりずりと肉の筒を擦る大きなもの。甘い言葉。
 
(こいつは俺を褒めてくれる)

 アランがくれる、すべてが恭弥を肯定していた。
 
「恭弥くん、気づいてるかなぁ。褒めるとね、おちんちんをぎゅうって締めてくれるの。うれしいって」

 遊ぶように恭弥を小突きながら、アランは笑う。
 
「たまんないよ、ほんと」

(もっと褒めて)

 親指で乳首を弄ったまま、アランはぐちゅぐちゅと小刻みに奥を捏ねてくる。

「あ、ぁあ、ぁあ、ああ」
「かわいい声。恭弥くん、エッチすぎ」
 
(いっぱい、褒めて)

 恭弥の身体が甘い快楽でいっぱいになる。

 
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