溺愛展開を信じるには拾い主が怪しすぎる

蟹江カルマ

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32 大好きだよ※  

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 ローションをたっぷりまとった雄が、ぐちゃりと恭弥のうしろに触れる。先端にはちゃんとゴムの突起がある。アランはまた手品を使ったらしい。
 
「ぁう、んあ」
 
 うしろから片腕で抱きしめられ、先端で孔を小突かれて、恭弥は鳴いた。

「いれるよ」

 ぐっと雄が中へめり込む。ずぷぷ、と肉をかき分けて、待ちわびていたものが恭弥の内側を埋めていく。
 
「んぁあぁあああぁ」

 恭弥は悦びに全身を震わせた。これがほしくてたまらなかった。
 焦らされて疼ききった壁が、さざめいてアランを引き絞る。
 
「すっごい。吸い付いてくる」

 アランは笑った。
 優しくへそのあたりを手で支えられる。じわじわと中に押し込まれ、恭弥の内側がアランのかたちにひずんでいく。
 
(すき、すき……これ、すき)

「あぁ、ぁああぁああ」

 弱点をねっとりと擦られている。
 恭弥は喘ぎながら胸をそらした。恭弥の上体は、天井を向いた自分の性器と同じ曲線を描いている。
 
「ぁ、ぁあ、んあっ、ああっ」

 ぐっぐっと中に押し込まれ、恭弥の声がきれぎれになる。
 
「っぁあ!」
 
 ぱん、と音を立てて、肌がぶつかった。恭弥の尻にアランの腰骨が強く接して、恭弥の奥に振動がつたわっていく。
 
「ねえ、ここにぼくのがあるよ。触ってごらん」

 アランはそっと恭弥の手を取って、へその下に触れさせた。
 
「っぁ……」

 自分の腹に触れると、恭弥はぞくりと肌を粟立てた。
 
「わかる?」
 
 薄い腹の下に、かたく丸い異物の感触がある。
  
(亜蘭、さんの……ほんとに、はいってる)

 いとおしさと信じられなさとで、恭弥はそこを無意識に撫でた。
 そのたびに腹の奥がじりじりと痺れて、気持ちよかった。
 
「なでなでしてくれるの? かわいい」
 
 アランは恭弥の手に自分の手を重ねた。
 
「動くね」
 
 アランはゆっくりと腰を波打たせた。
 
「んああっ!!」

 ずん、と手のひらに衝撃が走る。外側に手があるせいで、アランの雄はより深く、より強く、恭弥の内壁を押し上げる。
 
「かわいい声。もっと鳴いてみせて、猫ちゃん」

 アランは恭弥の耳にキスすると、連続して恭弥の中を叩いた。
 速い脈拍の速度で、アランの雄が手のひらにぶつかってくる。 
 
「ぁあ、っあああ、っあぁあ、はあぁ、っんんあ」
「上手」

 アランにしっかりと支えられ、中を杭打たれて、恭弥は我を忘れて喘いだ。
 何度も、何度も、何度も、アランのものが恭弥の中を行き来する。
 さびしかった内側を太い熱で擦られ、掻きむしられて、恭弥は何も考えられなくなる。
 
「みてみて。窓にぼくらが映ってるよ」

 優しく顎をとられ、恭弥はそちらを向かされる。
 間接照明がガラスに反射して、浴室の中を描き出している。中央で、ふたりの痩せた男が立ったままつながっている。
 
「ごらん。恭弥くん、かわいいねぇ」
 
 アランの優美な腰が、まるで動物のように絶えず動いて、恭弥をうしろから犯している。そのたびに恭弥の前はふるふると揺れて、犯される悦びをあらわにしている。
 もうすっかり湯気は引いて、ガラスは透明だった。上がったばかりの月が、反射光の向こう側に透けている。
 
「~~~!!」

 恥ずかしさが恭弥を追いつめた。
 ぎゅっぎゅっと恭弥のうしろが締まる。達しているとしか思えない強い快楽が、恭弥の脳を焦がしていく。
 
「ああ、いっちゃってるのかな? 恥ずかしいの、気持ちいいね」

 恭弥を抱き支え、捏ねるように腰を使いながら、アランは笑う。

「大丈夫、見えない見えない。エッチでかわいい恭弥くんは、ぼくとお月さましか知らない」

 軽く息を切らしながら、アランはささやく。
 
「恭弥くんがとっても敏感なことも、胸にばんそうこうの痕がついてることも、かわいい喘ぎ声も。中だけでいっちゃうぐらい、おちんちんいれられるのが大好きになっちゃったことも」

 ゆっくりと数え上げられて、恭弥は恥ずかしさで震えた。

「誰にも教えてやらないさ」

 アランは恭弥の腹を押さえ、力強く恭弥の中を穿った。

「っ……!!」

 恭弥はふるりと腰を震わせた。ぱたぱたと恭弥の精液が床に落ちた。

「出ちゃった」

 涙でぐしょぐしょの恭弥の頬を、アランは舐める。

「はは、ぼく、危ないなぁ。ぼくがもっと悪い人なら、君のこと、閉じ込めてたかもしれない。だって……」

 アランは何か言いかけて、やめた。

「うそうそ。そんなことしないよ。君の意思で君はここにいる……こうしてぼくに全部くれる……」

 アランは夢見るように言って、荒々しく奥を叩いた。
 
「あぁ、んあ、あああっ」

 小さく、軽く、やわらかくなった性器を耳飾りのように揺らして、恭弥はなおも喘ぐ。
 精を出してしまったのに、内側の熱はひどくなる一方だった。

「大好きだよ」

 ぐり、と腰骨をめいいっぱい恭弥の尻に押し付け、アランは呻く。
 はじけるような衝撃とともに、恭弥の内側でゴムが質量を増していく。

(このひとは、おれが、すき)

 恭弥はアランの熱を受け止めながら、ぼんやりと口角を上げた。
 
(なんか、うそ、みてぇ……)


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