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第8章:迷走
第97話
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「これから、人間の領土へ降り立つ。その前に、いくつか注意事項を確認しておく。」
甲板に集められた僕達は、ヴァン様の声に耳を傾けた。
船はもうすぐ、人間の領土の最南端にあるノースガルム港に停泊する。そこから船を降りる訳だが、全員が一斉に降りてしまうと人間達に怪しまれる恐れがある。そこで、レジデンス、イムーブル、クラディーレそれぞれの建物ごとに別れ、船を降りる事になった。
「まずは、我々レジデンスの幹部が船を降りる。その後、少し時間をおいてイムーブルの幹部達が降り、最後にクラディーレの皆様に降りてもらう。その点は問題ないか?」
「はい!わかりました。」
「港を出た後は、人気のない洞窟を通る。その辺りは目立つ行動をしない限り、怪しまれる事もないだろう。俺の後に続き、しばらく歩いてもらう。何か質問などはあるか?」
「いいえ。特にありません。」
「総務の皆様も、大丈夫そうでしょうか?」
「こっちは大丈夫。僕が1度行ってるから、はぐれてもなんとかなるよ。」
「心配なのはイムーブルだねー。ちゃんと見失わないように、ライガ達について行ってよー?」
「そこは僕が気を配ります。多少ですが…土地勘もありますから。」
「ありがとうフラン~。頼りになるわ~。」
「それでは出発しよう。行くぞフィー。」
「は、はい…!」
俺はフランと交代し、姿を変える魔法を唱えた。
そして、船を降りる幹部達の後に続き、港に降り立った。前を歩く2人と少々距離を取りながら、後ろから降りてくるイムーブルの幹部達に気を配る。
少々面倒ではあるが、フランが言い出した事を投げ出す訳にも行かず…渋々、奴の顔を立ててやることにした。
「いや~やっぱ見事な腕前やな。すっかり別人になっとるわ。」
「感心している場合か?お前も幹部なら、これくらい出来るようになれ。」
「え~。でも俺、今まで顔を変えなあかん状況になった事ないで?」
「…貴様は常に平和そうで、羨ましい限りだ。」
「ちょっと…!喋ってないで進みなさいよ。見失ったらどうするつもり?」
「お前達じゃあるまいし、俺様はそんなヘマはしない。」
「…いちいち癇に障る言い方するわねあんた。」
「まぁまぁユイ…落ち着いて落ち着いて…。」
「こっちだ。さっさと着いてこい。」
奴等を引き連れ、周りの人間達に怪しまれないよう港の外へ出た。後からやって来たクラディーレの総務達も合流し、ライガヴィヴァンの案内で洞窟の中へ足を踏み入れる。
「ここから先は暗いから、足元に気をつけろ。」
「ありがとうございますヴァン様~。」
「…ん?なにか足元に当たっ…きゃー!?」
後方から、甲高い女の悲鳴が聞こえてきた。
「ユイ!危な…!」
「姉様!」
「うわぁぁぁ!」
岩が崩れるような音と共に、複数人の慌てふためく声が届く。周囲の暗さで状況が掴めずにいると、双子の片割れが駆け足でこちらに歩み寄って来た。
「ヴァン様!姉様とアレクが、足を踏み外して下の方に落ちて行きました…!」
「それはまずいな…。ステラ様、ここから先の案内を任せてもよろしいでしょうか?俺は、下に落ちた者達を街まで案内します。」
「うん。わかった。じゃあ、街の入口で合流しよう。」
「ヴァン様。俺も一緒に行きます。多少の怪我なら治せるかもしれません。」
「わかった。滑りやすいから気をつけろ。ハイト様、チェリム様、後はよろしくお願いします。」
「2人も気を付けてね。」
俺はライガヴィヴァンと共に崖を降り、落ちていった幹部達の元へ向かった。
崖下では、床に座り込む娘の姿と側に膝を着く奴の姿があった。
「お前達!大丈夫か?」
「ヴァン様…!俺は大丈夫だったんやけど…ユイが怪我を…。」
「見せろ。」
娘の元へ歩み寄ると、治癒魔法を唱えた。
「立てるか?」
「えぇ…。大丈夫みたい。」
「はぁ~…。大したこと無くてほんま良かったわぁ…。」
「あんたは大袈裟なのよ…。しかも、一緒に落ちてくるなんて…馬鹿じゃないの?」
「目の前でユイが落ちそうになっとる所を、黙って見とる方が馬鹿やろ!?」
「こいつの言う通りだ。この程度で済んだのだから、礼を言うべきだと思うが?」
「そ、そうね…。ありがとうアレク。助かったわ。」
「仲間なんやから当然や!ほんま、大怪我せんで良かったわ。」
「って…あんたの方が怪我してるじゃない!腕から血が…。」
暗くてよく分からなかったが、娘の言葉で奴の左腕が赤く滲んでいる事に気付いた。
「こんなん舐めとったらすぐ治るから、心配要らへんって!」
「待ちなさいよ!これ巻いて、止血くらいしておきなさい。」
すると娘は上着からハンカチを取りだし、奴の腕に巻き付けた。
「ユイこれ…。もしかして、俺がダンクデーでプレゼントした…。」
「そうだったかしら?昔の事すぎて覚えてないわ。」
「他にも怪我してないだろうな?」
「しとらんしとらん!ほら!この通り、ピンピンしとるで!」
そう言うと、奴はその場で数回飛び跳ねて見せた。
「大丈夫そうだな。下に落ちた事で距離は縮まったが、ステラ様を待たせる訳にはいかない。」
「すみませんヴァン様…!ほな、さっさと進みましょう!」
「足元には気を付けてな。」
「は、はい…!」
しばらく奥へと進んでいき、先頭を歩いていたライガヴィヴァンが歩みを止めた。
「ここで少し待っていろ。」
「わ、わかりました。」
奴は俺達の元を離れ、壁際へと歩き出す。
「あ、そういえば…ルドルフ。さっきはありがとう…お礼を言いそびれてたわ。」
「別にお礼を言われたいからした訳では無い。フランにごちゃごちゃ言われるのが嫌だっただけだ。」
「あたしが言いたいから言うのよ。借りを作るのは好きじゃないの。」
「それにしても、崖から落ちる奴をもう一度見る事になるとは思わなかったな。」
「え?もう一度って?」
「ルナがここを通った時、奴も崖下に転がった事があった。その時は、フランが巻き添えを食らっていたな。」
「ルナが!?それ、ほんまなん!?」
「嘘をついてどうする。まぁ…その時も大した怪我はしなかったがな。」
「そう…そんな事があったのね。」
「そういえば…あの後、ライガヴィヴァンに会ったな…。この洞窟から悪魔の街とやらに行き、墓参りをした訳か…。」
「待たせたな。」
以前の出来事を思い返していると、側を離れていた奴が戻って来た。
「いえ全然!ところで…何をしとったんですか?」
「あぁ…奥へ進む為の道を開けていた。」
「道を…開ける?」
奴の視線の先を見ると、先程まで壁だった場所に人が通れる程の穴が開いていた。
「この洞窟は、人間が通る事もある場所だ。間違えて街に辿り着かないよう、普段は岩で道を塞いでいる。」
「なるほど…。それを退かしたっちゅう訳ですね。」
「あんなに大きな岩をどうやって動かしたのかしら…?」
「さぁ、先を急ぐぞ。」
俺達が穴を通り抜けると、奴は何食わぬ顔で魔法を唱え、来た道を岩で塞ぎ直した。どうやら、人間には扱えない“ミシク”で岩を動かしているらしい。
悪魔の街が人間の領土にあると聞いた時、なぜ今まで見つからなかったのか不思議だった。しかし、その理由は目の前で証明され、胸のつかえが取れたような清々しい気持ちで奥へと歩き出した。
甲板に集められた僕達は、ヴァン様の声に耳を傾けた。
船はもうすぐ、人間の領土の最南端にあるノースガルム港に停泊する。そこから船を降りる訳だが、全員が一斉に降りてしまうと人間達に怪しまれる恐れがある。そこで、レジデンス、イムーブル、クラディーレそれぞれの建物ごとに別れ、船を降りる事になった。
「まずは、我々レジデンスの幹部が船を降りる。その後、少し時間をおいてイムーブルの幹部達が降り、最後にクラディーレの皆様に降りてもらう。その点は問題ないか?」
「はい!わかりました。」
「港を出た後は、人気のない洞窟を通る。その辺りは目立つ行動をしない限り、怪しまれる事もないだろう。俺の後に続き、しばらく歩いてもらう。何か質問などはあるか?」
「いいえ。特にありません。」
「総務の皆様も、大丈夫そうでしょうか?」
「こっちは大丈夫。僕が1度行ってるから、はぐれてもなんとかなるよ。」
「心配なのはイムーブルだねー。ちゃんと見失わないように、ライガ達について行ってよー?」
「そこは僕が気を配ります。多少ですが…土地勘もありますから。」
「ありがとうフラン~。頼りになるわ~。」
「それでは出発しよう。行くぞフィー。」
「は、はい…!」
俺はフランと交代し、姿を変える魔法を唱えた。
そして、船を降りる幹部達の後に続き、港に降り立った。前を歩く2人と少々距離を取りながら、後ろから降りてくるイムーブルの幹部達に気を配る。
少々面倒ではあるが、フランが言い出した事を投げ出す訳にも行かず…渋々、奴の顔を立ててやることにした。
「いや~やっぱ見事な腕前やな。すっかり別人になっとるわ。」
「感心している場合か?お前も幹部なら、これくらい出来るようになれ。」
「え~。でも俺、今まで顔を変えなあかん状況になった事ないで?」
「…貴様は常に平和そうで、羨ましい限りだ。」
「ちょっと…!喋ってないで進みなさいよ。見失ったらどうするつもり?」
「お前達じゃあるまいし、俺様はそんなヘマはしない。」
「…いちいち癇に障る言い方するわねあんた。」
「まぁまぁユイ…落ち着いて落ち着いて…。」
「こっちだ。さっさと着いてこい。」
奴等を引き連れ、周りの人間達に怪しまれないよう港の外へ出た。後からやって来たクラディーレの総務達も合流し、ライガヴィヴァンの案内で洞窟の中へ足を踏み入れる。
「ここから先は暗いから、足元に気をつけろ。」
「ありがとうございますヴァン様~。」
「…ん?なにか足元に当たっ…きゃー!?」
後方から、甲高い女の悲鳴が聞こえてきた。
「ユイ!危な…!」
「姉様!」
「うわぁぁぁ!」
岩が崩れるような音と共に、複数人の慌てふためく声が届く。周囲の暗さで状況が掴めずにいると、双子の片割れが駆け足でこちらに歩み寄って来た。
「ヴァン様!姉様とアレクが、足を踏み外して下の方に落ちて行きました…!」
「それはまずいな…。ステラ様、ここから先の案内を任せてもよろしいでしょうか?俺は、下に落ちた者達を街まで案内します。」
「うん。わかった。じゃあ、街の入口で合流しよう。」
「ヴァン様。俺も一緒に行きます。多少の怪我なら治せるかもしれません。」
「わかった。滑りやすいから気をつけろ。ハイト様、チェリム様、後はよろしくお願いします。」
「2人も気を付けてね。」
俺はライガヴィヴァンと共に崖を降り、落ちていった幹部達の元へ向かった。
崖下では、床に座り込む娘の姿と側に膝を着く奴の姿があった。
「お前達!大丈夫か?」
「ヴァン様…!俺は大丈夫だったんやけど…ユイが怪我を…。」
「見せろ。」
娘の元へ歩み寄ると、治癒魔法を唱えた。
「立てるか?」
「えぇ…。大丈夫みたい。」
「はぁ~…。大したこと無くてほんま良かったわぁ…。」
「あんたは大袈裟なのよ…。しかも、一緒に落ちてくるなんて…馬鹿じゃないの?」
「目の前でユイが落ちそうになっとる所を、黙って見とる方が馬鹿やろ!?」
「こいつの言う通りだ。この程度で済んだのだから、礼を言うべきだと思うが?」
「そ、そうね…。ありがとうアレク。助かったわ。」
「仲間なんやから当然や!ほんま、大怪我せんで良かったわ。」
「って…あんたの方が怪我してるじゃない!腕から血が…。」
暗くてよく分からなかったが、娘の言葉で奴の左腕が赤く滲んでいる事に気付いた。
「こんなん舐めとったらすぐ治るから、心配要らへんって!」
「待ちなさいよ!これ巻いて、止血くらいしておきなさい。」
すると娘は上着からハンカチを取りだし、奴の腕に巻き付けた。
「ユイこれ…。もしかして、俺がダンクデーでプレゼントした…。」
「そうだったかしら?昔の事すぎて覚えてないわ。」
「他にも怪我してないだろうな?」
「しとらんしとらん!ほら!この通り、ピンピンしとるで!」
そう言うと、奴はその場で数回飛び跳ねて見せた。
「大丈夫そうだな。下に落ちた事で距離は縮まったが、ステラ様を待たせる訳にはいかない。」
「すみませんヴァン様…!ほな、さっさと進みましょう!」
「足元には気を付けてな。」
「は、はい…!」
しばらく奥へと進んでいき、先頭を歩いていたライガヴィヴァンが歩みを止めた。
「ここで少し待っていろ。」
「わ、わかりました。」
奴は俺達の元を離れ、壁際へと歩き出す。
「あ、そういえば…ルドルフ。さっきはありがとう…お礼を言いそびれてたわ。」
「別にお礼を言われたいからした訳では無い。フランにごちゃごちゃ言われるのが嫌だっただけだ。」
「あたしが言いたいから言うのよ。借りを作るのは好きじゃないの。」
「それにしても、崖から落ちる奴をもう一度見る事になるとは思わなかったな。」
「え?もう一度って?」
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「ルナが!?それ、ほんまなん!?」
「嘘をついてどうする。まぁ…その時も大した怪我はしなかったがな。」
「そう…そんな事があったのね。」
「そういえば…あの後、ライガヴィヴァンに会ったな…。この洞窟から悪魔の街とやらに行き、墓参りをした訳か…。」
「待たせたな。」
以前の出来事を思い返していると、側を離れていた奴が戻って来た。
「いえ全然!ところで…何をしとったんですか?」
「あぁ…奥へ進む為の道を開けていた。」
「道を…開ける?」
奴の視線の先を見ると、先程まで壁だった場所に人が通れる程の穴が開いていた。
「この洞窟は、人間が通る事もある場所だ。間違えて街に辿り着かないよう、普段は岩で道を塞いでいる。」
「なるほど…。それを退かしたっちゅう訳ですね。」
「あんなに大きな岩をどうやって動かしたのかしら…?」
「さぁ、先を急ぐぞ。」
俺達が穴を通り抜けると、奴は何食わぬ顔で魔法を唱え、来た道を岩で塞ぎ直した。どうやら、人間には扱えない“ミシク”で岩を動かしているらしい。
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