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第9章︰彼等の愛した世界
第110話
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「あのさ…フラン。実は、少し寄りたい場所があるんだけど…付き合ってもらえないかな?」
「僕も付き合ってもらったから、もちろんいいよ。」
「ありがとう!じゃあ、行こう。」
僕はタックと共に、今度は病院へとやって来た。近くの木陰に馬を引連れ、再び手網を括り付ける。
「僕はここで待ってるね。」
「うん。薬をもらってくるだけだから、すぐ戻ってくるよ。」
彼は小走りで、病院の中へと入っていった。近くにあったベンチに腰掛け、ぼんやりと建物の方を眺める。すると、建物の中から一人の女性が外へ出てきた。
「あれってもしかして…。」
淡い桃色の装いに身を包んでいる彼女は、この病院の関係者である事がわかる。しかもその顔は、遠目から見てもわかるほど、知り合いにそっくりだった。
「あれ~?フランくんじゃーん!」
彼女はこちらの存在に気付き、僕に向かって手を振った。マコティメリアは長すぎるので、僕は彼女をマコと呼んでいる。
元々研究の助手をしていた彼女は、少々作業内容が変わった程度で、オズモールの下で働く事自体は変わっていない。
「マコ…久しぶりだね。」
「だね~。この間会ったのはー…カナ村だったっけ?」
「そうだね。オズモール先生が、訪問診療をしてた時だったと思うよ。」
「そっかあの時か~!フランくんは、騎士団の仕事で来てたんだったよね。ってあれ?ここには何の用事で来たの?具合は悪そーじゃないけど…。」
「今日は、友達の付き添いだよ。タック…タクトが薬をもらって来るって言ってた。」
「あぁ~!タクトさんね!あの人、けっこーかっこいーよね?恋人とかいるのかな~?」
「恋人はいないけど、好…」
「居ないの!?じゃー、思い切ってアタックしちゃおっかな~!」
「あ、マコ。好きなひ…」
楽しそうに飛び跳ねながら、彼女は病院の方へと駆けて行く。誤解を招く言い方をした事が気にかかり、僕は彼女の後を追った。
しばらく病院の中を歩き回るが、彼女の姿はどこにも見当たらない。
「あら?騎士様、どうかなさいましたか?」
マコと同じ服を着た女性が、僕の事を騎士様と呼んだ。
「あ…フェリ!」
「フランくん?病院に来るなんて珍しいわね。誰かのお見舞いかしら?」
彼女は、ガゼルの妹のフェリシエルだ。
彼と同じタイミングでギルドに入ったが、その後ディオース島の教会で働く事になる。そこで僕達人間の平和を願って、祈りを捧げる日々を過ごしていた。
現在はマコと共に、オズモールの元で働いている。
「いや…タックの付き添いで…マコを探してて…」
「え?タクトさんと一緒に…マコを探してるって事…?」
「ええと…そうじゃなくて…!」
「フェリから離れてー!」
横から素早く駆け寄った女性が、両手で僕の身体を突き飛ばした。思ったよりも衝撃は軽く、床に倒れることなく壁に手をついた。
「ちょっとウナ…!フランくん…大丈夫?」
「え…フラン?」
僕を突き飛ばした少女は、元ギルドメンバーのウナだった。彼女もフェリと一緒に島で生活していた。
2人は怪我人の手当や薬の調合について知識があり、その能力を活かす為にここで働いているのだ。
「ごめん!また変な人かと思って…。」
「前にも変な人に話しかけられた事があるの?」
「変な人じゃないわ。騎士様と少しお話しだだけよ?」
「でも、家の場所聞かれた。知らない人に、住処教える…良くない。」
「ウナ。今度またフェリを困らせる人がいたら、フランっていう騎士が恋人だって嘘をついて。」
「え?でもそれじゃあ…」
「僕には恋人もいなければ、心に決めた人も居ない。もちろん…フェリさえ良ければだけどね?」
「私も同じようなものだわ。あなたが良ければ、そうさせてもらうわね。ウナにも兄さんにも、心配はさせたくないもの。」
「フラン…ありがとう。」
「これくらいお易い御用だよ。ところで、マコは…」
「あれ…フラン!外で待ってるんじゃなかったの?」
話をする僕達の元に、薬の袋を抱えたタックがやって来た。彼の隣には、見覚えのある女性の姿もある。
「オズモール先生。お久しぶりです。」
「おやおやフランくんじゃないか~。今日は何?切り傷?刺し傷?それとも骨折?」
「先生…。患者の前で、そんなに嬉しそうにしないで下さい。」
「ごめんごめん。つい…。」
オズモールは、カナ村で診療所を開いていた頃にギルドメンバーとなった。医者である彼女がギルドに入った経緯も不明だが、その後プラニナタで吸血鬼を研究する研究者となった経緯も不明だ。
「診察は終わったの?」
「うん。薬も貰ったしもう帰れるよ。」
「フランくんは、友達想いだね~。心配しなくても、タクトくんの身体は順調に回復してるよ。」
「それなら安心しました。」
「それより、君の方はどうだい?」
「え?僕ですか?」
彼女は僕の元へ歩み寄り、胸元に手を添えた。
「もう1人の君が、悪さしてないかなー?と思ってね。」
「ルドルフはもう居ませんよ。前に検査したじゃないですか。」
吸血鬼の力を失ったと同時に、吸血鬼であるルドルフの存在も失った。以前は少しなら魔法を扱えたのだが、今ではすっかり使えなくなってしまった。幸い、剣の腕は鈍って居なかったので、騎士団へ戻る事に大きな支障はなかった。しかし、心強い味方を失った事は大きな損失と言えるだろう。
「ごめんごめん。身体の中にもう1人居るなんて、今までじゃ考えられなかったからね。今後、どんな変化があってもおかしくはないと思ったんだ。これといって自覚症状がないのであれば、心配する事もなさそうだね。」
「心配してくださってありがとうございます。」
「何かおかしいなと感じたら、すぐに私の所へ来てちょうだい。」
「はい。そうします。」
「じゃあ、俺達はこれで。先生、ありがとうございました。」
「はいはーい。タクトくんも、お大事ね。」
彼女達に別れを告げ、病院の外へやって来た。すると、木陰で休ませていた馬を撫でる女性の姿があった。
「あれ?あそこにいるの…ステラ様じゃない?」
「あ!タック…とフラン?そっか…この子は、君達が連れてきたんだね。」
ーブルルル!
撫でられたのがよほど嬉しかったのか、彼の肩に頭を乗せて顔を擦り付けた。彼の長い白髪が、馬のたてがみと絡み合う。
「わっ…!あはは…くすぐったいなぁ。」
「ステラ様は、お1人でこちらに来られたんですか?」
エーリで理事長をしている彼は、イリスシティアで暮らしている。わざわざサトラテールに来ているという事は、何か用事があったのだろう。
「うん。フェリ達と一緒に食事する約束をしてるんだ。あ、そうだ!フランとタックも一緒にどう?大勢の方がきっと楽しいよ。」
「是非…!お誘い頂けて嬉しいです。」
「す、すみません…。俺、今日は先約があって…。」
誘いを受ける僕に対し、タックは先約があるからと誘いを断った。彼の指にはめられた指輪が、光を反射して輝く。
どんな用事なのか気にはなったが、彼のプライベートに踏み込み過ぎるのは良くないと思い、深く言及はしなかった。
「そっか…残念だけど、それなら仕方ないね。フラン、家の場所知ってたっけ?」
「ええと…何となくは覚えてますが、詳しい場所までは…。」
「なら、孤児院で待ってるよ。フェリ達には、僕から話しておくね。」
「わかりました。仕事が終わり次第、向かいます。」
「うん。お仕事頑張ってね。」
彼に見送られ、僕達は騎士学校へと戻って行った。
武器の点検状況をアリサ団長に報告し、街の巡回や城の警備などをするうちに、太陽は山の陰へ沈んで行った。
「僕も付き合ってもらったから、もちろんいいよ。」
「ありがとう!じゃあ、行こう。」
僕はタックと共に、今度は病院へとやって来た。近くの木陰に馬を引連れ、再び手網を括り付ける。
「僕はここで待ってるね。」
「うん。薬をもらってくるだけだから、すぐ戻ってくるよ。」
彼は小走りで、病院の中へと入っていった。近くにあったベンチに腰掛け、ぼんやりと建物の方を眺める。すると、建物の中から一人の女性が外へ出てきた。
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淡い桃色の装いに身を包んでいる彼女は、この病院の関係者である事がわかる。しかもその顔は、遠目から見てもわかるほど、知り合いにそっくりだった。
「あれ~?フランくんじゃーん!」
彼女はこちらの存在に気付き、僕に向かって手を振った。マコティメリアは長すぎるので、僕は彼女をマコと呼んでいる。
元々研究の助手をしていた彼女は、少々作業内容が変わった程度で、オズモールの下で働く事自体は変わっていない。
「マコ…久しぶりだね。」
「だね~。この間会ったのはー…カナ村だったっけ?」
「そうだね。オズモール先生が、訪問診療をしてた時だったと思うよ。」
「そっかあの時か~!フランくんは、騎士団の仕事で来てたんだったよね。ってあれ?ここには何の用事で来たの?具合は悪そーじゃないけど…。」
「今日は、友達の付き添いだよ。タック…タクトが薬をもらって来るって言ってた。」
「あぁ~!タクトさんね!あの人、けっこーかっこいーよね?恋人とかいるのかな~?」
「恋人はいないけど、好…」
「居ないの!?じゃー、思い切ってアタックしちゃおっかな~!」
「あ、マコ。好きなひ…」
楽しそうに飛び跳ねながら、彼女は病院の方へと駆けて行く。誤解を招く言い方をした事が気にかかり、僕は彼女の後を追った。
しばらく病院の中を歩き回るが、彼女の姿はどこにも見当たらない。
「あら?騎士様、どうかなさいましたか?」
マコと同じ服を着た女性が、僕の事を騎士様と呼んだ。
「あ…フェリ!」
「フランくん?病院に来るなんて珍しいわね。誰かのお見舞いかしら?」
彼女は、ガゼルの妹のフェリシエルだ。
彼と同じタイミングでギルドに入ったが、その後ディオース島の教会で働く事になる。そこで僕達人間の平和を願って、祈りを捧げる日々を過ごしていた。
現在はマコと共に、オズモールの元で働いている。
「いや…タックの付き添いで…マコを探してて…」
「え?タクトさんと一緒に…マコを探してるって事…?」
「ええと…そうじゃなくて…!」
「フェリから離れてー!」
横から素早く駆け寄った女性が、両手で僕の身体を突き飛ばした。思ったよりも衝撃は軽く、床に倒れることなく壁に手をついた。
「ちょっとウナ…!フランくん…大丈夫?」
「え…フラン?」
僕を突き飛ばした少女は、元ギルドメンバーのウナだった。彼女もフェリと一緒に島で生活していた。
2人は怪我人の手当や薬の調合について知識があり、その能力を活かす為にここで働いているのだ。
「ごめん!また変な人かと思って…。」
「前にも変な人に話しかけられた事があるの?」
「変な人じゃないわ。騎士様と少しお話しだだけよ?」
「でも、家の場所聞かれた。知らない人に、住処教える…良くない。」
「ウナ。今度またフェリを困らせる人がいたら、フランっていう騎士が恋人だって嘘をついて。」
「え?でもそれじゃあ…」
「僕には恋人もいなければ、心に決めた人も居ない。もちろん…フェリさえ良ければだけどね?」
「私も同じようなものだわ。あなたが良ければ、そうさせてもらうわね。ウナにも兄さんにも、心配はさせたくないもの。」
「フラン…ありがとう。」
「これくらいお易い御用だよ。ところで、マコは…」
「あれ…フラン!外で待ってるんじゃなかったの?」
話をする僕達の元に、薬の袋を抱えたタックがやって来た。彼の隣には、見覚えのある女性の姿もある。
「オズモール先生。お久しぶりです。」
「おやおやフランくんじゃないか~。今日は何?切り傷?刺し傷?それとも骨折?」
「先生…。患者の前で、そんなに嬉しそうにしないで下さい。」
「ごめんごめん。つい…。」
オズモールは、カナ村で診療所を開いていた頃にギルドメンバーとなった。医者である彼女がギルドに入った経緯も不明だが、その後プラニナタで吸血鬼を研究する研究者となった経緯も不明だ。
「診察は終わったの?」
「うん。薬も貰ったしもう帰れるよ。」
「フランくんは、友達想いだね~。心配しなくても、タクトくんの身体は順調に回復してるよ。」
「それなら安心しました。」
「それより、君の方はどうだい?」
「え?僕ですか?」
彼女は僕の元へ歩み寄り、胸元に手を添えた。
「もう1人の君が、悪さしてないかなー?と思ってね。」
「ルドルフはもう居ませんよ。前に検査したじゃないですか。」
吸血鬼の力を失ったと同時に、吸血鬼であるルドルフの存在も失った。以前は少しなら魔法を扱えたのだが、今ではすっかり使えなくなってしまった。幸い、剣の腕は鈍って居なかったので、騎士団へ戻る事に大きな支障はなかった。しかし、心強い味方を失った事は大きな損失と言えるだろう。
「ごめんごめん。身体の中にもう1人居るなんて、今までじゃ考えられなかったからね。今後、どんな変化があってもおかしくはないと思ったんだ。これといって自覚症状がないのであれば、心配する事もなさそうだね。」
「心配してくださってありがとうございます。」
「何かおかしいなと感じたら、すぐに私の所へ来てちょうだい。」
「はい。そうします。」
「じゃあ、俺達はこれで。先生、ありがとうございました。」
「はいはーい。タクトくんも、お大事ね。」
彼女達に別れを告げ、病院の外へやって来た。すると、木陰で休ませていた馬を撫でる女性の姿があった。
「あれ?あそこにいるの…ステラ様じゃない?」
「あ!タック…とフラン?そっか…この子は、君達が連れてきたんだね。」
ーブルルル!
撫でられたのがよほど嬉しかったのか、彼の肩に頭を乗せて顔を擦り付けた。彼の長い白髪が、馬のたてがみと絡み合う。
「わっ…!あはは…くすぐったいなぁ。」
「ステラ様は、お1人でこちらに来られたんですか?」
エーリで理事長をしている彼は、イリスシティアで暮らしている。わざわざサトラテールに来ているという事は、何か用事があったのだろう。
「うん。フェリ達と一緒に食事する約束をしてるんだ。あ、そうだ!フランとタックも一緒にどう?大勢の方がきっと楽しいよ。」
「是非…!お誘い頂けて嬉しいです。」
「す、すみません…。俺、今日は先約があって…。」
誘いを受ける僕に対し、タックは先約があるからと誘いを断った。彼の指にはめられた指輪が、光を反射して輝く。
どんな用事なのか気にはなったが、彼のプライベートに踏み込み過ぎるのは良くないと思い、深く言及はしなかった。
「そっか…残念だけど、それなら仕方ないね。フラン、家の場所知ってたっけ?」
「ええと…何となくは覚えてますが、詳しい場所までは…。」
「なら、孤児院で待ってるよ。フェリ達には、僕から話しておくね。」
「わかりました。仕事が終わり次第、向かいます。」
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