筋肉があれば良くね?

はるる

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幼年期

1話

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俺が物心ついた時には暗くて酷い臭いがする場所が当たり前のスラムにいた

小さい頃の自分はその日を生き抜くのも大変で毎日ゴミを漁って食べられるものであればなんでも食べた

だが師匠と会ったその日はスラムの年上に自分の持っていた食べ物を横取りされそうになって逃げまわっていた時だったよな。

「おい!お前の手に持ってる食べ物俺らに分けてくれよ?」

ニヤニヤと俺の持っているリンゴを奪おうと2人の男が近づいてきた

「俺が先に見つけたやつだ!!お前らなんかに渡すもんか!」

「なんだと!?俺らが少し優しくしたからって調子に乗りやがってぶっ殺してやる!!!」

腰につけていたポーチから男はナイフを取り出して威嚇してきた

「そ、そんなのだしたって怖くないんだからなばーーか!!」

そう言ってアレクシスは逃げ出した

「待ちやがれクソガキ!」


激高して追いかけてくる男になにか逃げ切る方法を考える

くねくねとしたスラム街特有の地形は子供のアレクシスにとって逃げやすく物が散乱しているため気持ちの高ぶっている男は足元なんか気にしないだろうと思い転ばせることのできるものを探した

「あった!これでもくらえ!」

道のわきに積んであった空き瓶の山を倒した

追いかけてきている男とは少し距離が離れていたため倒したときの物音に気付かれることはなかった

「追いついたぞ!これでもく!!!!」


言葉を言い切る前にナイフを振り上げた状態で滑って転んでしまっていた

「ぐあ!!痛てえぇ!!!!!」

もだえ苦しんでいる男の口に足元で動いていたネズミを突っ込んであげておまけに顎に蹴りを入れてあげた

「うごっ.....」

口に入れてあげたネズミは男の口の中で血まみれになり死んでいて男も美味しそうに食べて寝てしまったのでさっさと退散することにした

「早く逃げないといつ起きるかわからないから」

振り向いて走り出そうとすると誰かにぶつかって尻もちをついてしまった

「うう...痛い」

「おまえ!俺の弟を殺しやがったな!!!許さねえぇ!」

さっき俺を追いかけてきていたもう一人の男であった


「子供のくせに調子に乗りやがって苦しませて殺してやる」

少しでも遠くへ逃げようとするが腰が抜けてしまいうまくたつことが出来なかった

いつの間にか伸びてきた男の手に捕まり首を絞められてしまった

「ううっ...離せよ....」

男の手から逃げようと蹴ったりも暴れたりするが大人との力の差が出てしまいどうしようもなかった

「やばい...い..いしきが...」

目の前が少しずつ暗くなってきたときに遠くから声が聞こえた

「何をしているんだ!その子を離すんだ!!」

男の力が急に無くなり息ができるようになったが確認もできずに意識を失ってしまった















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