32 / 47
32
しおりを挟む
魔法を一瞬で打ち消したモニカを見てロイは興奮を抑えきれなかった。
「あは!あはははは!!さすがだよモニカさん!!杖も持っていないのにその威力かい?!君には驚くばかりだ!!!」
「モ…モニカ…?」
「ジュリア。私の後ろへ。…さっきはありがとう。すごく嬉しかった」
脱力してへたりこんだジュリアをぎゅっと抱きしめてから、今度はモニカがジュリアの前へ立った。モニカは凍えるほどの冷気を纏わせながら、ロイに向けて両手を差し出し深く息を吐いた。
「私のかわいいジュリアを怖がらせたこと、後悔させてあげる」
「ああ!もっと見せてほしい!モニカ!君の美しい魔法を!!ああ!この学院に来てよかった!!こんな素晴らしい人間を手に入れられるなんて!!僕はなんて幸せ者なんだろう!!」
(モニカ!モニカ!!やっぱり君は他の人間とは違う!!君をさんざんこけにしていた王女をかばうなんて!!なんて気高いんだろう!!それになんて魔力量だ!!はやく欲しい!!はやく君を僕のものにしたい!!)
高揚したロイはさまざまな属性の魔法をモニカに向かって放った。それをモニカが的確に反属性魔法で打ち消していく。モニカが風魔法でロイの首を狙うが、彼もそれを軽々と打ち消した。しばらく魔法を打ち合ったが、ロイは彼女の動きに違和感を抱いた。
(僕の強魔法に一切動じていない…。…おかしい。いくら魔力が多くたって、この僕とここまで互角に魔法を打ち合えるなんて。瞬時に判断して僕の魔法を打ち消してくるし、まだ余力を残しているようにすら見える。この子…)
「戦い慣れているねモニカさん。ただの貴族の子どもではないね?」
「あなたに教えることはなにもないわ」
(その言いぶり、僕の言葉を肯定してるのと一緒だよ)
「君は本当に面白い。でも、そろそろ大人しくしてもらおうかな」
ロイは動きを止めた。セルジュに教えてもらった中で最も難解な魔法…人間を仮死状態に至らしめる、魔物しか使えない恐ろしい魔法。それを使うために深呼吸をしてから杖を握りなおした。呪文を唱え始めた矢先、モニカがロイに詰め寄り杖を叩き落とした。彼女の予想外の行動にロイは顔をしかめる。
「ちっ。体術までできるとは」
(一流には程遠いけど、訓練を受けた動きだ。本当に…彼女は一体何者なんだ!!無傷で持ち帰りたいのに、もう!!)
モニカがロイの杖を火魔法で燃やそうとしたとき、ロイがモニカの頭を掴んで床に叩きつけた。
「う"っ…」
「モニカ!!!」
「もう、こんなに強かったら手加減ができないじゃないか。僕たち吸血鬼は回復魔法を使えないんだ。頼むから大人しくしてくれないかな?せっかく手に入れた君を間違って殺しちゃうなんてあんまりだからさ」
頭を強く打ち付けられたモニカは、頭から血を流し虚ろな目でぐったりしている。
「……」
「ああ、やっと静かになってくれた。良かったあ。…じゃあ次は王女の番ですね。ごめんなさい王女。モニカはこれからずっと僕の傍に置くつもりだからあまり痛めつけなかったですけど、あなたはただの餌なので暴れるなら両腕と両脚を砕きます」
「はっ…はっ…モニカから手を離しなさい…っ」
「…いい眺めですね王女。普段あんなに気の強い王女が泣きながら虚勢を張っているなんて。たいして魔力も大きくないのに威張り散らすのは楽しかったですか?あなたの100倍以上の魔力量があるモニカさんを"出来損ないの子猫ちゃん"なんて呼んで…あはは、本当に滑稽でしたよ」
ロイはそう言いながら、意識が朦朧としているモニカを抱き寄せた。首元をぺろりと舐め、ニヤリと笑う。
「王家の血には二種類あるとお父さまは言っていました。高潔な血と、薄汚い血。高潔な血はどの人間の血より美味らしい。そして薄汚い血はどの人間よりも不味い。姫、あなたはどちらかな。僕は薄汚い血の方だと思いますが。…僕のモニカ、少し待っていてね。まずはこの王家の餌とそこに寝転がってる餌から味わうことにするね。君の血は最後にいただくよ」
(モニカ…!とうとう僕のものになった!!もう離さない。君が死ぬまで、ずっとずっと大切にするからね)
名残惜しそうにモニカの頬にキスをして、ロイはそっと彼女を床に置きライラのもとへ近寄った。口から流している血を指ですくい舌先で舐めた。
「…うん、普通だね。他の餌と変わらない」
「うう…」
「ん?意識が戻ったのかい?すごいね。体内がぐちゃぐちゃになってるのに。さすがこの年齢でA級アーチャーに上り詰めただけある。アーサーと同じで体のつくりがちがうんだろうね」
「ひっ…王女にひどいこと…しちゃ…だめ…ゴブッ」
「だめだよライラ。喋ったらもっと内臓が痛んじゃう。そこで大人しく惨めに転がっててね」
そう言い捨て、ロイはジュリア王女の前に立った。乱暴に彼女の腕を掴み手首に噛みつく。王女は痛みに顔を歪めた。
「うっ…」
「うーん…そこまで不味くないかなあ。むしろ今まで飲んできた血の中で一番美味しいかも。僕の予想は外れちゃったか。おめでとうございます王女。あなたは高潔な血を持っているらしい」
「きもちわるいっ…腕から口を離しなさい!!」
「すみません王女。思いのほか美味しくて止まりません。しばらく我慢していてくださいね」
意外にも、ジュリア王女もミモレスの血を多少引いていた。今まで飲んできたアパンの血と異なり、生臭くなく舌触りの良い血がサラサラと喉を通る。あまりのおいしさに、ロイは夢中になって喉を鳴らしながら王女の血を飲んだ。勢いよく血を奪われている王女の体はだんだんと冷たくなっていく。
そんなロイの背中に一本の矢が刺さった。ロイは血を飲みながらその矢を引き抜く。後ろを振り返りもせず、矢を射た人間に声をかけた。
「驚いたよライラ。まだ弓を引く気力があったのかい?」
「王女…から、はな…れろっ…!」
ライラは血を吐きながら、ブルブルと震える腕で再び弓を引いた。だが最後の力をこめて射た矢は、ロイの体に触れることもなく風魔法で跳ね返された。跳ね返された矢はライラの胸に刺さった。王女が悲痛な叫びをあげる。
「あ…う…」
「ライラ!!!ライラぁ!!!」
「大丈夫です王女。心臓は外しました。お父さまに見せるまで殺しません」
「こんな…!!こんな腐った王族のために命を捨てるなんておやめなさい!!!あなたの腕は…あなたの腕は、今失われるべきではない!!」
「あははは!!王女、ご自身でも王族が腐っていることを自覚しているのですね。…ん?どうしたんだいモニカ」
いつの間にかロイの後ろまで這って来ていたモニカが彼の手を掴んだ。まだ意識が朦朧としているのか、目の焦点が定まっていない。彼女がもう片方の手を伸ばすと、ロイは困ったような嬉しいような顔でモニカを抱き寄せた。
「あは!あはははは!!さすがだよモニカさん!!杖も持っていないのにその威力かい?!君には驚くばかりだ!!!」
「モ…モニカ…?」
「ジュリア。私の後ろへ。…さっきはありがとう。すごく嬉しかった」
脱力してへたりこんだジュリアをぎゅっと抱きしめてから、今度はモニカがジュリアの前へ立った。モニカは凍えるほどの冷気を纏わせながら、ロイに向けて両手を差し出し深く息を吐いた。
「私のかわいいジュリアを怖がらせたこと、後悔させてあげる」
「ああ!もっと見せてほしい!モニカ!君の美しい魔法を!!ああ!この学院に来てよかった!!こんな素晴らしい人間を手に入れられるなんて!!僕はなんて幸せ者なんだろう!!」
(モニカ!モニカ!!やっぱり君は他の人間とは違う!!君をさんざんこけにしていた王女をかばうなんて!!なんて気高いんだろう!!それになんて魔力量だ!!はやく欲しい!!はやく君を僕のものにしたい!!)
高揚したロイはさまざまな属性の魔法をモニカに向かって放った。それをモニカが的確に反属性魔法で打ち消していく。モニカが風魔法でロイの首を狙うが、彼もそれを軽々と打ち消した。しばらく魔法を打ち合ったが、ロイは彼女の動きに違和感を抱いた。
(僕の強魔法に一切動じていない…。…おかしい。いくら魔力が多くたって、この僕とここまで互角に魔法を打ち合えるなんて。瞬時に判断して僕の魔法を打ち消してくるし、まだ余力を残しているようにすら見える。この子…)
「戦い慣れているねモニカさん。ただの貴族の子どもではないね?」
「あなたに教えることはなにもないわ」
(その言いぶり、僕の言葉を肯定してるのと一緒だよ)
「君は本当に面白い。でも、そろそろ大人しくしてもらおうかな」
ロイは動きを止めた。セルジュに教えてもらった中で最も難解な魔法…人間を仮死状態に至らしめる、魔物しか使えない恐ろしい魔法。それを使うために深呼吸をしてから杖を握りなおした。呪文を唱え始めた矢先、モニカがロイに詰め寄り杖を叩き落とした。彼女の予想外の行動にロイは顔をしかめる。
「ちっ。体術までできるとは」
(一流には程遠いけど、訓練を受けた動きだ。本当に…彼女は一体何者なんだ!!無傷で持ち帰りたいのに、もう!!)
モニカがロイの杖を火魔法で燃やそうとしたとき、ロイがモニカの頭を掴んで床に叩きつけた。
「う"っ…」
「モニカ!!!」
「もう、こんなに強かったら手加減ができないじゃないか。僕たち吸血鬼は回復魔法を使えないんだ。頼むから大人しくしてくれないかな?せっかく手に入れた君を間違って殺しちゃうなんてあんまりだからさ」
頭を強く打ち付けられたモニカは、頭から血を流し虚ろな目でぐったりしている。
「……」
「ああ、やっと静かになってくれた。良かったあ。…じゃあ次は王女の番ですね。ごめんなさい王女。モニカはこれからずっと僕の傍に置くつもりだからあまり痛めつけなかったですけど、あなたはただの餌なので暴れるなら両腕と両脚を砕きます」
「はっ…はっ…モニカから手を離しなさい…っ」
「…いい眺めですね王女。普段あんなに気の強い王女が泣きながら虚勢を張っているなんて。たいして魔力も大きくないのに威張り散らすのは楽しかったですか?あなたの100倍以上の魔力量があるモニカさんを"出来損ないの子猫ちゃん"なんて呼んで…あはは、本当に滑稽でしたよ」
ロイはそう言いながら、意識が朦朧としているモニカを抱き寄せた。首元をぺろりと舐め、ニヤリと笑う。
「王家の血には二種類あるとお父さまは言っていました。高潔な血と、薄汚い血。高潔な血はどの人間の血より美味らしい。そして薄汚い血はどの人間よりも不味い。姫、あなたはどちらかな。僕は薄汚い血の方だと思いますが。…僕のモニカ、少し待っていてね。まずはこの王家の餌とそこに寝転がってる餌から味わうことにするね。君の血は最後にいただくよ」
(モニカ…!とうとう僕のものになった!!もう離さない。君が死ぬまで、ずっとずっと大切にするからね)
名残惜しそうにモニカの頬にキスをして、ロイはそっと彼女を床に置きライラのもとへ近寄った。口から流している血を指ですくい舌先で舐めた。
「…うん、普通だね。他の餌と変わらない」
「うう…」
「ん?意識が戻ったのかい?すごいね。体内がぐちゃぐちゃになってるのに。さすがこの年齢でA級アーチャーに上り詰めただけある。アーサーと同じで体のつくりがちがうんだろうね」
「ひっ…王女にひどいこと…しちゃ…だめ…ゴブッ」
「だめだよライラ。喋ったらもっと内臓が痛んじゃう。そこで大人しく惨めに転がっててね」
そう言い捨て、ロイはジュリア王女の前に立った。乱暴に彼女の腕を掴み手首に噛みつく。王女は痛みに顔を歪めた。
「うっ…」
「うーん…そこまで不味くないかなあ。むしろ今まで飲んできた血の中で一番美味しいかも。僕の予想は外れちゃったか。おめでとうございます王女。あなたは高潔な血を持っているらしい」
「きもちわるいっ…腕から口を離しなさい!!」
「すみません王女。思いのほか美味しくて止まりません。しばらく我慢していてくださいね」
意外にも、ジュリア王女もミモレスの血を多少引いていた。今まで飲んできたアパンの血と異なり、生臭くなく舌触りの良い血がサラサラと喉を通る。あまりのおいしさに、ロイは夢中になって喉を鳴らしながら王女の血を飲んだ。勢いよく血を奪われている王女の体はだんだんと冷たくなっていく。
そんなロイの背中に一本の矢が刺さった。ロイは血を飲みながらその矢を引き抜く。後ろを振り返りもせず、矢を射た人間に声をかけた。
「驚いたよライラ。まだ弓を引く気力があったのかい?」
「王女…から、はな…れろっ…!」
ライラは血を吐きながら、ブルブルと震える腕で再び弓を引いた。だが最後の力をこめて射た矢は、ロイの体に触れることもなく風魔法で跳ね返された。跳ね返された矢はライラの胸に刺さった。王女が悲痛な叫びをあげる。
「あ…う…」
「ライラ!!!ライラぁ!!!」
「大丈夫です王女。心臓は外しました。お父さまに見せるまで殺しません」
「こんな…!!こんな腐った王族のために命を捨てるなんておやめなさい!!!あなたの腕は…あなたの腕は、今失われるべきではない!!」
「あははは!!王女、ご自身でも王族が腐っていることを自覚しているのですね。…ん?どうしたんだいモニカ」
いつの間にかロイの後ろまで這って来ていたモニカが彼の手を掴んだ。まだ意識が朦朧としているのか、目の焦点が定まっていない。彼女がもう片方の手を伸ばすと、ロイは困ったような嬉しいような顔でモニカを抱き寄せた。
0
あなたにおすすめの小説
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる