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休日
4話 言いくるめられる主人
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探しモノを見つけるため突然私の前に現れたあやかし、薄雪。無事ソレを見つけて元の世界へ戻ろうとしたけれど、ふたつの世界を繋ぐ扉が閉じてしまって帰ることができなくなった。だったらいっそのことコチラ側を楽しもうと考えた薄雪は、私のボロアパートに棲みつくことになった。
「ってなに勝手にそんなこと決めてるんです?!だめだめ!!絶対だめ!!」
「これから一緒に暮らすことになりますし、自己紹介でもしておきましょうか」
「あれ?!私の声聞こえてます?!」
「聞こえていますよ。私の名は薄雪。これでも一応アチラ側では名のあるあやかしなのですよ。そしてコレが綾目。彼はあるモノノケの灰と私の血と肉で作りました。いわば分身のようなものです。5年前、私が目を離しているすきに私の眷属と喧嘩をしたようでね。痛い目に遭わされ、逃げているうちにコチラ側に迷い込んでしまったようです。5年間お世話をかけました」
私の言葉に耳を貸す気は一切ないようで、薄雪は淡々と自己紹介を続けた。隣で綾目がずっとびくびくして私に目で助けを求めている。よほどアチラ側にいる薄雪の眷属が怖いんだろう。
「夜が明けるまで考えていたのですが、私がアチラ側の扉を開けなくなった理由は綾目にあると思うのです」
「ええっ?僕ですかぁ?!」
「ええ。綾目は花雫さんに飼われていた…つまり使役されていたんだよ。君は私の一部だろう。私がアチラ側にいるときは、私と綾目は別のイノチとして捉えられていたけれど、私…君の本体がコチラ側に来てしまったから、私と綾目のイノチが繋がってしまった。つまり私も花雫さんに使役されてしまったことになる。使役されたモノは主の傍を離れられない。花雫さんの命が絶えるまで、私はコチラ側にいなければならないのです」
薄雪は楽しそうにクスクス笑った。いや何がおもろいねん。
「つ…つまり私が死ぬまで一生…あなたが付きまとうということですか…?」
「そういうことになりますね。あなたの寿命はあと60年ぽっちなので、ほんの少しの間ですがどうぞよろしくお願いいたします」
「さらっと寿命明かされた…。ええ、私89歳まで生きるの?大往生じゃん…。それまでこのあやかしとずっと一緒…?うそでしょ…」
「嘘ではありません。今はまだかろうじて美しいあなたの肌が、しわしわのくちゃくちゃになるまでずっと一緒です」
「いちいち癪に障る言い方するなあこの人…」
なんだか知らないうちに私はこの美しいあやかしを使役してしまったらしい。だけどこのあやかし、使役されたなんていうわりには私の言うことを聞こうとしないし、なんなら私が振り回されている気がする。気に食わなくてムスっとしていると、薄雪が扇子で私の顎を持ち上げた。
「私の見た目はあなたと同じくらいに見えるかもしれませんがね。これでも何千年と生きているおじいさんなのですよ。私は生まれてから今まで、ヒトに尽くすことはあれど従ったことはありません。私が従うのは世の理と花の言葉だけです。花があなたと私を繋げ、世が私をあなたに使役させた。だからそれには従いましょう。ただ、それだけです」
薄雪の言っていることは半分以上分からない。だけど、私の言うことを聞く気がないと釘をさされたことは分かった。あと、薄雪の黄色い目が異論は認めないと言っている。身震いしてしまいそうな圧に思わずコクコク頷いた。それを見て薄雪は赤ちゃんをあやすときのように微笑んだ。
「良い子ですね。ではそういうことなので、改めましてよろしくお願いいたします」
「はぁ。よろしくお願いします…?」
「ってなに勝手にそんなこと決めてるんです?!だめだめ!!絶対だめ!!」
「これから一緒に暮らすことになりますし、自己紹介でもしておきましょうか」
「あれ?!私の声聞こえてます?!」
「聞こえていますよ。私の名は薄雪。これでも一応アチラ側では名のあるあやかしなのですよ。そしてコレが綾目。彼はあるモノノケの灰と私の血と肉で作りました。いわば分身のようなものです。5年前、私が目を離しているすきに私の眷属と喧嘩をしたようでね。痛い目に遭わされ、逃げているうちにコチラ側に迷い込んでしまったようです。5年間お世話をかけました」
私の言葉に耳を貸す気は一切ないようで、薄雪は淡々と自己紹介を続けた。隣で綾目がずっとびくびくして私に目で助けを求めている。よほどアチラ側にいる薄雪の眷属が怖いんだろう。
「夜が明けるまで考えていたのですが、私がアチラ側の扉を開けなくなった理由は綾目にあると思うのです」
「ええっ?僕ですかぁ?!」
「ええ。綾目は花雫さんに飼われていた…つまり使役されていたんだよ。君は私の一部だろう。私がアチラ側にいるときは、私と綾目は別のイノチとして捉えられていたけれど、私…君の本体がコチラ側に来てしまったから、私と綾目のイノチが繋がってしまった。つまり私も花雫さんに使役されてしまったことになる。使役されたモノは主の傍を離れられない。花雫さんの命が絶えるまで、私はコチラ側にいなければならないのです」
薄雪は楽しそうにクスクス笑った。いや何がおもろいねん。
「つ…つまり私が死ぬまで一生…あなたが付きまとうということですか…?」
「そういうことになりますね。あなたの寿命はあと60年ぽっちなので、ほんの少しの間ですがどうぞよろしくお願いいたします」
「さらっと寿命明かされた…。ええ、私89歳まで生きるの?大往生じゃん…。それまでこのあやかしとずっと一緒…?うそでしょ…」
「嘘ではありません。今はまだかろうじて美しいあなたの肌が、しわしわのくちゃくちゃになるまでずっと一緒です」
「いちいち癪に障る言い方するなあこの人…」
なんだか知らないうちに私はこの美しいあやかしを使役してしまったらしい。だけどこのあやかし、使役されたなんていうわりには私の言うことを聞こうとしないし、なんなら私が振り回されている気がする。気に食わなくてムスっとしていると、薄雪が扇子で私の顎を持ち上げた。
「私の見た目はあなたと同じくらいに見えるかもしれませんがね。これでも何千年と生きているおじいさんなのですよ。私は生まれてから今まで、ヒトに尽くすことはあれど従ったことはありません。私が従うのは世の理と花の言葉だけです。花があなたと私を繋げ、世が私をあなたに使役させた。だからそれには従いましょう。ただ、それだけです」
薄雪の言っていることは半分以上分からない。だけど、私の言うことを聞く気がないと釘をさされたことは分かった。あと、薄雪の黄色い目が異論は認めないと言っている。身震いしてしまいそうな圧に思わずコクコク頷いた。それを見て薄雪は赤ちゃんをあやすときのように微笑んだ。
「良い子ですね。ではそういうことなので、改めましてよろしくお願いいたします」
「はぁ。よろしくお願いします…?」
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