御神楽《怪奇》探偵事務所

姫宮未調

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6、後悔と蘇る記憶

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……考えろ、考えろ。ちょっと嫉妬して、エドを置き去りにしたのがそもそもの原因だけど!
でも、どうして……どうしてこんなに気にしてるの?昨日、たまたま捜査中に出くわしただけ。ちょっと"良い匂い"がしただけ。泊めること自体、大袈裟だったかもしれない。
ボクの方が大人なのに、何て体たらく……。ざまあないわね……あは。
思考が錯綜しかける。だからって、ずっと悩んでる暇はない。優多を助けなきゃ。もうすぐ、夜になる。それまでに見つけたい。夜になれば、ボク一人でもどうとでもなるけど、相手も同じ。
何か見落としてないかしら?……ほんの数秒で消えた。ならば、近隣を当たるしかないわね。ここは古い住宅や、廃墟が建ち並ぶ。……廃墟?廃ビル、かしらね?
優多の立っていた場所のすぐ後ろ。仄近い路地裏。覗けば、奥に鉄柵と古めかしい廃ビル。可能性が高いのはあそこね……。すぐに視界から消えることが出来る場所はここしかない。感じなかったってことは、"人間"。でも、気配まで感じないなんて、ますますもって怪しい。
取り敢えず行こう。
面倒臭さから、3Mはある鉄柵を軽々飛び越えた。

◆◇◆◇◆◇◆

壁伝いに、耳を当てながら進む。
あーくそ。話し声とか聞こえてこないかしら。……そんな都合のいいこと、あるわけないわよね。
にしても、優多。何であんな匂いしてたんだろ。あれはまるで、"妖怪に印をつけられた獲物
人間
"の……。
……あ、狙われる理由。それで十分じゃない……。もっと早く気がついてれば!
"印"……。あれ?


『ボクが、守ってあげる。ボクは、優多のことが好きなんだ』

『俺も、好きだよ!お嫁さんにしたいくらい!』

『じゃぁ、大きくなったらまた会いに来るね!
そのときは、お嫁さんにしてね!』


え?え?優多?……まさか、昔会ってたの?あ、れー?………別れ際、首筋にちゅーってしたような。だ、大胆な幼少時代ね………。………根源、ボクだ。
……だからってわけじゃない。ボクはあの時から、決めてたじゃない。"優多"はボクが守る"って……!

その時、すぐ近くから叫び声がした。

『ああああああ!菖蒲さぁぁぁぁぁぁぁん!』

ボクは、月が昇ると同時に側の壁を破壊した。



\ドォォォォォォォォォン!/



……ちょっと、何このシチュエーション!
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