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2つの世界が繋がってから、およそ5年の月日が流れた。
神界が保有していた魔力は無事、地球のある世界へと流れた。
結果、神々を不死たらしめていたシステムは見事に崩壊し、人間と大差ない存在となった。彼らの半数近くがここぞとばかりに即座に自殺を図り、残った多くは世界の管理業務の継続を、一部は役目を放棄し下界へと降り人間と共に生きる事を選んだようだ。
自殺を図った神々の中には、ステラシオンとステラルーシェの2人の女神も含まれていたらしい。
彼女達にはあまりいい感情を持っていなかったが、その話を聞き不覚にも少し同情してしまった。
また神々の数が大幅に減少したことで、世界の管理者の数が足りなくなり、その穴埋めの要員を神界に送り込む為に、ナイトレイン達が必至になって頑張っているようだ。
例え彼らの案内や先導があっても、大迷宮100層を超えて神界に辿り着くのはかなり大変のようだ。
一方、下界の方はというと、地球側の世界との交流が着々と進んでおり、交換留学生の派遣や商品の取引なども徐々に始まっている。
地球側は進んだ文明の利器を売りに出し、対する異世界アムパトリ側は、魔物からのドロップにより溢れている金や、一部の魔法具などを輸出している。
単純な技術力ならば恐らく地球側に軍配が上がるのだろうが、アムパトリ側も魔力を用いた特殊な技術を保有しており、それらが混じりあう事で、技術体系に大きな変革の兆しが見え始めていた。
それらの混ざり具合や進度は、各国でも様々らしい。
俺と爺が使った神聖教国ステラシオンのゲートは、日本の西端と繋がったため、当然交流先は日本国となる。
ルーシェリア帝国側のゲートはアメリカと繋がったらしく、一時リーゼが不穏な動きを見せていたりもしたが、俺がちょっと脅しをかけてやると、その動きはあっさり消え失せた。
魔王国ビフレストのゲートは、ヨーロッパの方らしい。ナイトレインは世界の管理の方で手いっぱいのようで、そちらは息子である現魔王が対応しているそうだ。
他にも各国のゲートは、地球の様々な国と繋がっているらしく、それによって様々な化学反応が起きているようだ。
世界情勢ばかりではなく、俺の身近な範囲でも色々と変化はあった。
その一つが爺の引っ越しだ。
当初、爺は孤児院への入居を希望していたのが、俺はキッパリと拒否した。だが事もあろうか、あの爺は、孤児院の傍の土地を買い占め、そこに家を建てやがったのだ。
――まったくあの爺は……。
ちなみにその辺のゴタゴタのせいで、斉藤さんたちは色々と扱き使われて大分苦労させられたようだ。
やれやれ可哀想に。
孤児院の子供たちの顔ぶれも、この5年で大きく変化した。
買い取ったばかりの頃にいた子供たちの多くは既に成人し、みな外で働き始めている。
だが、子供の数が減ったかというと実はそうでも無かったりもする。評判を聞きつけた連中が、孤児院へと子供を捨てていくケースが増えたせいだ。
おかげで建屋の追加を余儀なくされた。
幸い孤児院の管理については、リズリアだけでなく、孤児院出身の子らも手伝ってくれており、今のところは順調だ。
また俺自身の周辺状況についても、大きな変化があった。
まあ……なんだその、色々とあって奥さんを貰うことになったのだ。
「コウヤ様! 私はもう立派な大人です! だから奥さんにして下さい!」
フィナの鬼気迫る求愛に押され、また俺自身も女性として魅力を感じつつあったこともあり、悩んだ末、結婚を決意した。
それだけなら良かったのだが……。
「コウヤ様程の方が、奥さん一人では恰好がつきません。最低でもあと3人は娶りましょう!」
しっかり者のフィナなのことだ。きっと俺の世間体を考えての言葉なんだろうが、男として喜んでいいのかどうか……。
ともかく、そうして俺の奥さん候補3人ほど選出された。
「ボクは歓迎だよ! ボクもコウヤの事は好きだからね!」
ディジーは特に気にした様子もなく笑っている。
「あ、あの、私なんかが、宜しいのでしょうか……」
リズリアは若干遠慮がちだが、別に結婚自体が嫌という感じでも無い。
「ふぅん。コウヤの奥さんねー。別になってあげてもいいわよ?」
エイミーはからかうような目つきで俺を見ながら、そう告げて来る。
そうして俺は流れのままに、新たに3人を娶ることとなってしまった
まあ皆嫌では無さそうだし、男冥利に尽きると思うことにしよう。
――あまり深く考えちゃだめだ。
ちなみにこれは余談だが、4人まとめての結婚式の際、エイミーに実は惚れていたらしいトラバントが裏でこっそり泣いているのを目撃し、いたたまれない気分になったりもした。
だが、どのみち人間であるトラバントと、ヴァンパイアであるエイミーの間には、種族的に子供は出来ない。
彼が跡取り必須な国王という立場に就ある以上、最初からエイミーとの結婚は無理だったのだ。
俺が当初の予定にしていた全てが終わったら引き篭もるという計画も、想定外の結婚によって水泡に帰してしまったが、それについてはもう納得している。
今の俺は、きちんと自分の意思で進む先を決めて動いている。
そして、そう確信を持てる事がどれだけ幸せな事なのか、俺はもう知っているのだ。
ふと過去の出来事を振り返る。
これまで異世界で過ごしてきて、いやそれ以前から、ずっと俺を支えてきてくれた存在の事を。
それは何かというと、インターネットの存在だ。
これのお蔭で爺が死んだ後、引き篭もった時もなんとか生きて来れたし、異世界に行ってからも随分と助けられた。
今の俺なら確信を持って言える。
そうインターネットはやはり最強であったと。
頭上に広がる雲一つ無い澄み切った青空を眺めながら、俺は呑気にそんな事を考えていた。
神界が保有していた魔力は無事、地球のある世界へと流れた。
結果、神々を不死たらしめていたシステムは見事に崩壊し、人間と大差ない存在となった。彼らの半数近くがここぞとばかりに即座に自殺を図り、残った多くは世界の管理業務の継続を、一部は役目を放棄し下界へと降り人間と共に生きる事を選んだようだ。
自殺を図った神々の中には、ステラシオンとステラルーシェの2人の女神も含まれていたらしい。
彼女達にはあまりいい感情を持っていなかったが、その話を聞き不覚にも少し同情してしまった。
また神々の数が大幅に減少したことで、世界の管理者の数が足りなくなり、その穴埋めの要員を神界に送り込む為に、ナイトレイン達が必至になって頑張っているようだ。
例え彼らの案内や先導があっても、大迷宮100層を超えて神界に辿り着くのはかなり大変のようだ。
一方、下界の方はというと、地球側の世界との交流が着々と進んでおり、交換留学生の派遣や商品の取引なども徐々に始まっている。
地球側は進んだ文明の利器を売りに出し、対する異世界アムパトリ側は、魔物からのドロップにより溢れている金や、一部の魔法具などを輸出している。
単純な技術力ならば恐らく地球側に軍配が上がるのだろうが、アムパトリ側も魔力を用いた特殊な技術を保有しており、それらが混じりあう事で、技術体系に大きな変革の兆しが見え始めていた。
それらの混ざり具合や進度は、各国でも様々らしい。
俺と爺が使った神聖教国ステラシオンのゲートは、日本の西端と繋がったため、当然交流先は日本国となる。
ルーシェリア帝国側のゲートはアメリカと繋がったらしく、一時リーゼが不穏な動きを見せていたりもしたが、俺がちょっと脅しをかけてやると、その動きはあっさり消え失せた。
魔王国ビフレストのゲートは、ヨーロッパの方らしい。ナイトレインは世界の管理の方で手いっぱいのようで、そちらは息子である現魔王が対応しているそうだ。
他にも各国のゲートは、地球の様々な国と繋がっているらしく、それによって様々な化学反応が起きているようだ。
世界情勢ばかりではなく、俺の身近な範囲でも色々と変化はあった。
その一つが爺の引っ越しだ。
当初、爺は孤児院への入居を希望していたのが、俺はキッパリと拒否した。だが事もあろうか、あの爺は、孤児院の傍の土地を買い占め、そこに家を建てやがったのだ。
――まったくあの爺は……。
ちなみにその辺のゴタゴタのせいで、斉藤さんたちは色々と扱き使われて大分苦労させられたようだ。
やれやれ可哀想に。
孤児院の子供たちの顔ぶれも、この5年で大きく変化した。
買い取ったばかりの頃にいた子供たちの多くは既に成人し、みな外で働き始めている。
だが、子供の数が減ったかというと実はそうでも無かったりもする。評判を聞きつけた連中が、孤児院へと子供を捨てていくケースが増えたせいだ。
おかげで建屋の追加を余儀なくされた。
幸い孤児院の管理については、リズリアだけでなく、孤児院出身の子らも手伝ってくれており、今のところは順調だ。
また俺自身の周辺状況についても、大きな変化があった。
まあ……なんだその、色々とあって奥さんを貰うことになったのだ。
「コウヤ様! 私はもう立派な大人です! だから奥さんにして下さい!」
フィナの鬼気迫る求愛に押され、また俺自身も女性として魅力を感じつつあったこともあり、悩んだ末、結婚を決意した。
それだけなら良かったのだが……。
「コウヤ様程の方が、奥さん一人では恰好がつきません。最低でもあと3人は娶りましょう!」
しっかり者のフィナなのことだ。きっと俺の世間体を考えての言葉なんだろうが、男として喜んでいいのかどうか……。
ともかく、そうして俺の奥さん候補3人ほど選出された。
「ボクは歓迎だよ! ボクもコウヤの事は好きだからね!」
ディジーは特に気にした様子もなく笑っている。
「あ、あの、私なんかが、宜しいのでしょうか……」
リズリアは若干遠慮がちだが、別に結婚自体が嫌という感じでも無い。
「ふぅん。コウヤの奥さんねー。別になってあげてもいいわよ?」
エイミーはからかうような目つきで俺を見ながら、そう告げて来る。
そうして俺は流れのままに、新たに3人を娶ることとなってしまった
まあ皆嫌では無さそうだし、男冥利に尽きると思うことにしよう。
――あまり深く考えちゃだめだ。
ちなみにこれは余談だが、4人まとめての結婚式の際、エイミーに実は惚れていたらしいトラバントが裏でこっそり泣いているのを目撃し、いたたまれない気分になったりもした。
だが、どのみち人間であるトラバントと、ヴァンパイアであるエイミーの間には、種族的に子供は出来ない。
彼が跡取り必須な国王という立場に就ある以上、最初からエイミーとの結婚は無理だったのだ。
俺が当初の予定にしていた全てが終わったら引き篭もるという計画も、想定外の結婚によって水泡に帰してしまったが、それについてはもう納得している。
今の俺は、きちんと自分の意思で進む先を決めて動いている。
そして、そう確信を持てる事がどれだけ幸せな事なのか、俺はもう知っているのだ。
ふと過去の出来事を振り返る。
これまで異世界で過ごしてきて、いやそれ以前から、ずっと俺を支えてきてくれた存在の事を。
それは何かというと、インターネットの存在だ。
これのお蔭で爺が死んだ後、引き篭もった時もなんとか生きて来れたし、異世界に行ってからも随分と助けられた。
今の俺なら確信を持って言える。
そうインターネットはやはり最強であったと。
頭上に広がる雲一つ無い澄み切った青空を眺めながら、俺は呑気にそんな事を考えていた。
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