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格好いい先輩に誕生日プレゼントは何がいいか聞かれた話
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月曜日の朝。普段通り登校した私が廊下を歩いていたら後ろから軽快な足音が響いてきた。足音が私に追いついた。私の右側を赤池先輩が並んで歩いている。
「なあ、月城。もうすぐ誕生日だろう」
「そうですけど」
今週末金曜日が私の誕生日だった。赤池先輩が私の誕生日を知っているなんて思ってもいなかった。私は驚いて素っ気ない声で返事をしてしまった。
「日頃の感謝を込めて何かプレゼントするよ。何がいい」
赤池先輩は私より背が高くて、去年のマラソン大会では全体の六位になったほど足が速くて、ピアノとフルートも弾ける。試験の順位が張り出されたりはしないが、どの科目も学年トップという噂がある秀才で、生徒会長でもあった。
そんな赤池先輩が、文化祭で実行委員会のお手伝いをちょっとだけした私の誕生日を把握しているなんて驚きだ。
「そんな、悪いですよ」
「いいんだ。ワタシに出来るプレゼントなら何でもするぞ」
「じゃあプレゼント交換にしましょう。先輩の誕生日っていつですか」
私が言った途端、赤池先輩の顔が真っ赤になった。歩くのが遅れ、二歩、三歩と歩いて立ち止まってしまった。私はそのまま五歩進んだところで振り返った。赤池先輩は真っ赤な顔で泣いていた。
私は前を向いて再び歩きだした。
「なあ、月城。もうすぐ誕生日だろう」
「そうですけど」
今週末金曜日が私の誕生日だった。赤池先輩が私の誕生日を知っているなんて思ってもいなかった。私は驚いて素っ気ない声で返事をしてしまった。
「日頃の感謝を込めて何かプレゼントするよ。何がいい」
赤池先輩は私より背が高くて、去年のマラソン大会では全体の六位になったほど足が速くて、ピアノとフルートも弾ける。試験の順位が張り出されたりはしないが、どの科目も学年トップという噂がある秀才で、生徒会長でもあった。
そんな赤池先輩が、文化祭で実行委員会のお手伝いをちょっとだけした私の誕生日を把握しているなんて驚きだ。
「そんな、悪いですよ」
「いいんだ。ワタシに出来るプレゼントなら何でもするぞ」
「じゃあプレゼント交換にしましょう。先輩の誕生日っていつですか」
私が言った途端、赤池先輩の顔が真っ赤になった。歩くのが遅れ、二歩、三歩と歩いて立ち止まってしまった。私はそのまま五歩進んだところで振り返った。赤池先輩は真っ赤な顔で泣いていた。
私は前を向いて再び歩きだした。
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