君は花のよう

お宅訪問

不意にそうだ！！と、離れたこちらにも聞こえるほどの声をあげたアインが駆け寄ってくるのが見えた。
「ルルーアさん！良ければお家に泊めてもらえませんか？「死にたいのか？」
リックからチラチラと炎が舞うのを見て、ルルーアがリックとアインの間に割って入る。
「ま、待ってください！いきなりどういうことですか？アインさん」
「ルピィ様は屋敷の炎の気配が苦手だそうで、その苦手な気配が俺にもついてしまってるんだと思うんですよね。だから！ルルーアさんの家に泊まらせて貰うことでその気配を少しでも和らげられたらと思いまして！」
「遺言はそれでいいんだな？」
「ヴァールリック様！落ち着いてください！！」
ルルーアが声をかけてくるが、頭の中はどう消してやろうかでいっぱいだ。
そんな頭に容赦なく水が降り注ぎ、強制的に頭を冷やされる。
前髪をかきあげれば、ルルーアはほとんど濡れていないのに対し、アインは水の圧で地面に倒れていた。
「もう嫌！！！ルルーアのうちに行く！！」
「え、ルピィが来るの？」
「この未熟者のせいでいつもイライラしてるのに更にイライラする！！ルルーアの家で癒やされたい！！」
地団駄を踏んでまで訴えるルピィに責任を感じた。 
恐らくリックの苛立ちや殺意でユウラの気配が強まり、その影響がルピィにも出ているのだろう。
「すまないがいいだろうか？ルルーア」
「構いませんが...」
「俺も...お邪魔させて...ください...」
地面に這いつくばったままのアインの言葉に、リックより先にルルーアがいいと答えてしまった。
家主本人がいいと言っていることを、拒否出来る訳もなくなくアインも連れてるルルーアの家に向かった。