台本 短編集

日明

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2人台本 お兄さんと少年

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あらすじ
いじめられっ子の少年が青年に悩みを相談する

登場人物
・裏のお仕事をしてる青年
・いじめられている少年

少「なぁ...僕は...死んでしまった方がいいかな?僕が居るだけで不快だって、気に入らないって、攻撃してくる奴が居る。そんな僕なら...いなくなった方がいいだろ...?」

青「君は随分と酷い質問をするね。それに私がYESと答えれば酷いやつだと避難されるだろう。NOと答えれば無責任な奴とこれまた避難される。どっちを答えたって私は責められる未来しかないんだよ」

少「ハハッ...。ここにいるのは僕しか居ないって言うのに誰が責めるって言うんだよ」

青「さぁ、見えないこの壁の向こうの誰かかも知れないね。ねぇ、君も分かっているんだろ?君のその問は君が決めるべき選択を私にゆだねているだけだ。その先に得られた結果に君は本当に満足出来るのかい?」

少「...そうだな。自分じゃ決められないなら他人に決めて貰おうとしてた。そしたら、楽だから。でもさ...僕の人生だ。最初で最後の僕が主人公の舞台だ。なら...変わらなかったとしても思い切り暴れてやる。それでも...それでも変わらなかったらお前に最後の手助けしてもらっても...いいかな?」

青「全く君って奴は...。いいよ。君を殺すことなど私にとっては大した労力でもない。指にかけた引き金を引くだけの簡単な仕事だ。それで君が救われると言うなら、叶えよう」

少「ありがとう。その言葉で僕はもう何も怖くないよ。ちゃんと、戦い抜いてくる」

青「うん。行ってらっしゃい。君がお酒を飲めるようになったら一緒に乾杯しようね」

少「そんな先の約束まだ分かんないよ」

青「そうだね。私も生きているか保証も出来ない。それでも約束しよう。その時は私が生涯飲んだ中で1番美味い酒を君にご馳走すると」

少「なんだよそれ...。楽しみになっちゃうだろうが」

青「うん。楽しみにしててよ」

少「くそっ。やっぱ大人ってズルいな...。行ってくる!!」

青「行ってらっしゃい。またね」
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