台本 短編集

日明

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4人台本 盲目少女と獣の少年※2人セリフ極少

あらすじ
盲目の少女は獣の少年に命を救われる。少年は少女に自分の秘密を隠していたが、少女が目の手術をすることになり、成功したらその祭りに来て欲しいと約束をする。

登場人物
・盲目少女 生まれつき目が見えず、そのため過保護に育てられてきた。だが当の本人は何事にもチャレンジしたがる怖いもの知らずな性格。領主の娘。

・獣の少年 生まれた時から獣の姿をしている獣人。昔人間に見つかった際酷い目にあったため、人間を嫌い、畏怖すべき相手だと認識している。困っている人を見捨てられない優しい1面も。

・使用人 少女に誠心誠意尽くしている女性。幼い頃から乳母同然で傍に居るため可愛くて仕方ない。少女のわがままには頭を悩ませつつしょうがないと目をつぶっている。

・兵士 堅物

セリフ表記
盲目少女:盲
獣の少年:獣
少女の使用人:使
兵士:兵

※兵士のセリフは少ないので少年と役兼任もあり


盲「ねぇ、貴方はこの森に住んで長いの?」

獣「生まれも育ちもずっとここだ」

盲「だから森について詳しいのね」

獣「お前が知らなすぎるんだ。なんでわざわざ毒草や毒蛇に向かっていくんだお前は」

盲「見えないんだからしょうがないじゃない」

獣「目が見えない癖に森なんて来るなよ」

盲「証明したかったのよ。私も1人で何か出来るって」

獣「そして無謀にも死にそうになったと」

盲「うるさいわね。本当に貴方には感謝してるわよ。助けてくれてありがとう」

獣「何か出来るって森なんかに何をしに来たんだよ」

盲「願いが叶うっていう百合の花が欲しかったの。それを1人で手に入れて、皆が思うほど私は何も出来ない訳じゃないのよって言いたかったんだけど...」

獣「領主の娘のお前だったら望むことなんて何だってできるだろ。それ以上何を望む」

盲「目が見えるようになりたいの!もうすぐ手術をするんだけど、見えるようになったら真っ先に貴方に会いに来るわね!」

獣「そう...か...。ここまで来たならなんか持って帰らないと格好がつかないだろう」

盲「この香り...。百合の花ね!くれるの!?」

獣「これのために死にかけたんだろう。馬鹿らしいとも思うが」

盲「馬鹿って言わないでよ。でも嬉しい!有難く貰って行くわね!次は私が貴方に贈り物をしに来るからまたね!!」

獣「嵐みたいな奴だな...。目が見えるようになったらお前に俺は化け物と言われるんだろうな。こんな獣の姿見てこれまでと同じ笑顔を見せてくれる訳がない。いっそ...手術が成功しなければいいと思ってしまう俺は最低だな...」


間を開けて


盲「聞いて聞いて!!!」

獣「ばか!そっちは岩場だ!!あっぶねぇ...!」

盲「あら?なんかフワフワした服着てる?」

獣「っ!」

盲「いたっ!急に離さないでよも~」

獣「うるせぇ。大体なんでまたここに来てる。お前にとっては危険しかないって前回で分かっただろうが」

盲「貴方に真っ先にお知らせしたかったの!私ね、目の手術が決まったの!目が見えるようになるのよ!」

獣「...そうかよ」

盲「何その素っ気ない返事。もっと喜んでくれてもいいんじゃないの?」

獣「俺にとってはどうでもいい話だからな。興味もない」

盲「私にとって貴方は命の恩人なんだから関係あるわよ。手術が成功したら街をあげてお祝いしてくれるの。そのお祭りに貴方も来てね!」

獣「は?絶対嫌だ」

盲「きーてー!いっぱい美味しいのご馳走するから!」

獣「騒がしいのは嫌いなんだよ」

盲「貴方のために静かな席用意するから来て!!」

獣「必死かよ...。...気が向いたらな」

盲「本当!?気が向いてね!約束よ!」

獣「約束したら気が向いたらにならねぇんだよ...」

盲「貴方の顔が見れるのが楽しみだわ!次会えた時には貴方の名前を教えてね!そうだ!貴方って分かるように会いに来てくれたら百合の花を頂戴。待ってるからね!それじゃまたね~」

獣「こっちが答える前に強引に約束して行きやがった...。さすが領主の娘、派手な祝い事だ。...手術の日、決定したのか...。会いに...行かない方がいいに決まってるよな。あいつの祝いの席を台無しにする。だが...あいつに会える最後かも知れないんだよな...。どうすればいい?どうしたいんだ...俺は...」


間を空けて

盲「ふんふふーん♪」

使「ご機嫌ですね。お嬢様。大人しくしてくださってるので髪がときやすくて助かります」

盲「暴れてたのなんて昔の話でしょ!今日は私のためのお祭りなんだから機嫌も良くなるわよ。沢山の皆の笑顔が見れる。こんな幸せなことはないわ」

使「そうですね。お嬢様の手術が成功して本当に良かったです」

盲「あなたも楽しんでね。だって、私はもう目の見えない手のかかる子じゃないんだから」

使「私がお嬢様にお仕えしてるのはお嬢様が可愛くてしょうがないからです。危なかっしいからで傍に居た訳ではありませんよ」

盲「もー!キュンとしちゃったじゃない!でもダメよ!私には心に決めた人が居るんだから」

使「まぁ!いつの間にそんな殿方と出会ってたんですか?もしかして...何度か屋敷を抜け出していたあの時ですか?」

盲「そうなの!私の命を助けてくれたぶっきらぼうだけどとても優しい人。名前も教えてくれ無かったけど、今日は百合の花を持ってお祝いに来てくれるの!やっと、あの人の目を見てお礼が言えるわ」

使「それは楽しみですね。旦那様と奥様を納得させるのは至難の業でしょうけれど」

盲「私がいる限り家を傾けさせたりなんてしないわ。この領地の人達を飢えさせるようなこともね。なら、旦那様が誰だって関係ないわよね?」

使「お嬢様のそういう所、大好きですよ」

盲「私も大好きよ!」

使「では、未来の旦那様に褒めていただけるようにとびっきり美しくなりましょうね」

盲「うん!お願いね!」


間を空けて


獣「なんで俺は...祭りに来てんだろうなぁ...。それにしても人の多いこと...。マントのフードを深めに被ってるからバレることはそうそうないとは思うが...」

獣N:あいつの手術は無事に成功して、
成功して良かったな
成功しなければ良かったのに
そんな相反した感情が生まれている。

獣「くっそ人多いな...。この人の多さで目立たないのは助かるが...。ん、あの看板揺れて...?っ!下に子供がっ」

獣N:今ここで騒ぎを起こせば確実にあいつには会えない。何より奴を祝う祭りを台無しにする。赤の他人の知らない子供だ。助ける必要なんてない。
そう、わかってるのに。

獣「あぁっ!くそ!!」


間を空けて


獣N:まずい!まずい!まずい!!
騒ぎになった!!くそっ!これを避けたかったのに!あいつの祝いの席なのに...っ!。どうする逃げるか?でも...今日があいつに会える最後だ。あいつが本当に幸せだって笑う顔が見れる最後の...っだから...っ

獣「見つけた...っ」

使「キャア!!化け物!!」

獣「待ってくれっ!俺はっ!」

兵「化け物め!!どうやって潜り込んだ!!」

獣「違う!約束したんだ!俺は...っ」

兵「お嬢様に近付くな!!」

盲「やめて!血なんて見せないで!」

兵「しかし!野放しにしておくのは危険です!!」

盲「追い払って!!」

獣「待ってくれ!これを...っ」

盲「来ないで化け物!!」

獣「...っ!...あぁ...分かってたのになぁ...」

兵「化け物が逃げたぞ!!すぐに捜索隊を!」

盲「追わないで!!!」

兵「お嬢様!?」

盲「逃げるならそれでいいわ。追うより街の人達の安全のために警備を強化して」

兵「はっ!」

使「さすがお嬢様です。あんな化け物に会っても冷静で...お嬢様?」

盲「うわぁあ!ごめんなさぃ!ごめんなさいぃ!!」

使「お嬢様!?どうされたんですか!?」

盲「私が弱いから...っ。貴方を傷つける事でしか守れなかった...っ。ごめんなさい...。ごめんなさい...っ。私のこと...一生許さないで...っ」

使「何を仰って...。そういえば...さっき百合の花を...?」


間空けて


獣「化け物...か...。分かってたはずだろ...っ。何で...っあいつが受け入れてくれる可能性なんて考えたんだよ!!そうだ!俺は化け物なんだよ!!分かってただろ...っ。分かってたはずだろうが...っ!俺は...化け物だ...」
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