台本 短編集

日明

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偽り合う二人が出会う 2人~4人台本 NL風味

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姫:女 殺し屋:男 王子:男 王女:女

両声類の方なら2人
そうじゃないなら4人台本

女装した殺し屋と男装した王女の物語

殺し屋(男)
馬鹿な姫のふりをして王子に近づく

王女(王女)
王子のふりをして国を納める。自信家


姫「王子様ぁ。私ザッハトルテが食べたいなぁ」

王子「ああ。可愛い姫の頼みならなんだって叶えてあげよう」

姫「王子様ぁ。私…王子様にあげたいものがあるの…」

王子「何だい?君から貰えるものならなんだって嬉しいよ」

姫「それじゃああげるね」殺し屋「この鉛玉をなぁ!!」

王子「おっと。危ない」

殺し屋「ちっ!今のを避けやがるのかよ!!」

王子「はい。危ないものは没収だよ」

殺し屋「っ!いつの間に!」

王子「全く。今日はやけにそわそわしていたから遂に愛の告白でもしてくれるのかと思っていたのに…」

殺し屋「な訳ねえだろ!!俺はテメーを殺すために雇われたんだよ」

王子「そうか…。でも、君に私は殺せない」

殺し屋「あ?俺のこと舐めてんのか?銃の一つ奪った程度で勝った気になってんじゃねえぞ」

王子「実力差のところもだけど…君への依頼はこの国の第一王子を殺すこと、だろう?」

殺し屋「だったらどうだってんだ」

王子「なら、やはり君に私は殺せないね。なぜなら…」王女「私は王女だからね」

殺し屋「…は?」

王女「何なら確かめてみるかい?」

殺し屋「ふざけんな!脱ごうとすんじゃねよ!!くっそ…そうなると第一王子は6歳のガキってことかよ…っ」

王女「ああ。だが、老害共は皆私が第一王子だと思っている。だから君への依頼も私を殺すことだった。そうだろう」

殺し屋「ちっ。奴らが殺したい訳が分かるぜ」

王女「お褒めに預かり光栄だよ」

殺し屋「それで、王女様は俺をどうするつもりだ?衛兵にでも突き出すか?」

王女「衛兵如きに捕まる君ではないだろう」

殺し屋「じゃあなんだ?見逃してくれんのか?」

王女「いいや。見逃せば君はレンディを狙うだろう。私はあの子を守りたいんだ。大事な弟だから」

殺し屋「まあ俺は金さえ出してくれるなら誰だっていい。お前が俺を雇うってんなら金次第で聞いてやる」

王女「金…か…」

殺し屋「はっ。大事な弟は金より軽いか?」

王女「金を出すことは簡単だが…私は君の心が欲しいんだ」

殺し屋「は?」

王女「私は君に一目惚れしたんだよ」

殺し屋「待て」

王女「初めて出会った頃から頭の悪い姫のふりをしつつずっと私を殺す機会を伺っているのも愛らしかったし」

殺し屋「最初から気づいてたのかよ!」

王女「私を騙すために姫の演技を続けているのも可愛らしかった」

殺し屋「無駄な俺の努力返せマジで」

王女「だから私は君と金の関係ではなく、ちゃんとした恋人になりたいんだ」

殺し屋「何言ってんだ?」

王女「どうか、私と恋人になってはくれないだろうか?」

殺し屋「告白するぐらい好きな相手だってんなら話ぐらい聞きやがれ暴走女王」

王女「OKしてくれるのかい!?」

殺し屋「ふざけんな脳内お花畑。勝手に俺の返事を捏造すんな」

王女「私の何が不満なんだい!?金も地位も名誉も容姿も申し分ないだろう!」

殺し屋「性格が難ありなんだよ。自分を殺しに来た奴に告白するなんざ頭がおかしいとしか思えねえ」

王女「私が好きになった君が殺し屋だったというだけだよ」

殺し屋「はぁ…。分かった。お前がどうしてもって言うなら条件をつける。一週間だ。一週間で金以外のお前の価値を俺に見せてみろ。そしたら考えてやらんでもない」

王女「任せてくれ!きっと君に好きなって貰うからな!早速作戦を考えなければ!今日は名残惜しいが失礼するよ」

殺し屋「…暴走列車みてぇな奴だが…面は本当にいいんだよな…。くそ…」


ーENDー
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