ラブ・クラッシャーの仮面を剥いで

ほか

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Secret25.SGAの志望理由

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「伊吹、あんた。血。口から血が!」



 自らの袖でぬぐいながら、伊吹は端的に答える。



「たいしたことは、ありません、任務に少々手間取りまして」

「いったいなんの?」

「トップモデル殺害をもくろむ猟奇的殺人者ともみあいを少々」



 この平和なはずの日本はどうなっているんだ。



「来て」



 時計台の下の輪になっているベンチに膝を横たえ、その上に彼を寝かせると、持参した救急セットを取り出し、ガーゼをその口元にあてる。



「申し訳、ありません。お手を煩わせるなど」

「ちょっと、まだ血がぬぐえ切れてないから動かないで」



 清潔なハンカチで血をきれいに拭いていく。

「いいわ。次は肩と背中の怪我確認するから、ジャケット脱いで」

 背中と胸部にいくつかかすり傷があったので、塗り薬と包帯を巻いていく。

「あくまで応急処置だから、痛みが酷ければ病院へ行くこと」

「……ずいぶんな手並みですが、このような応対力も、テレビ出しNGなのですか」

「えぇまぁ。こういうのも女子力に含まれると定義する人もいるから」

 仕上げに腫れた瞼を清潔なハンカチで冷やしていると、彼が言う。

「しかし……怪我をしたときの対策がこうまで万全というのは。玲愛さん。あなたのそれは」




 痛々しい姿のそのままで。

 

「怪我をさせられるかもしれないという恐怖を常に携帯しているということなので、は――」



 ――。
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