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第3話 宅配司書と女学生
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最初にご紹介するのは、『夜間飛行』。『星の王子様』で有名なサン・テグジュペリの著作です。
二十世紀初頭、南米と欧州を結んでエアメールを運んでいた郵便空輸に纏わる一夜が描かれています。
パイロットたちの上司リヴィエールは、ごく小さな過失も見逃さず処罰していました。
冷徹ともいえるその仕事ぶり。
一見冷たく描かれる彼はしかし決して非人間的な人物ではありません。
人間ではなく人間をくぐりぬけてくる過失を彼は恨んでいると言います。
彼がごく妥当に穏便に処していたら、夜間飛行は毎回死の危険を招くものになっているはずだと。
「部下を慈しめ。だがそれを口に出すな」
そう自身を律する彼の姿は読者には孤高に映ります。
ところがある日、彼の部下のパイロットの一人が空の上で消息を絶った時。
リヴィエールはその妻からの電話に出ることを選ぶのです。
彼女の嘆きを受け止めた後で、リヴィエールは独白します。
「ひとの生に価値がないとしてみよう。我々はいつも、それ以上に価値の高い何かがあるようにふるまっているのだから……だが、その何かとは何なのか?」
その答えは――作品に目を凝らしているとうっすらと宵闇に光る星のように浮き上がってくるように思います。
物語のクライマックス。
嵐の中、パタゴニア便の飛行機のエンジンの残り燃料がわずかとなり、この下は絶海と悟った飛行士ファビアンは、星を目指して上へ飛翔します。
嵐を降らせている雲の上にあったのは異様なほど静謐な世界でした。
すべてが水晶と雪でできているようです。
生と死の狭間に辿り着いてしまったとファビアンは思います。
自分の両手も、着ているものも、飛行機の翼も、何もかもが光り輝いています。
「状況改善!」
後方の通信使がそう叫び、死が決定的な状況のファビアンは彼と微笑みを交わし合うのです。
そこは航空機にいる二人のほか、誰も到達しえない世界でした。
人が命を燃やしてでも達成しようとする使命とは。
命の上に人が置くものは何なのか。
その問いかけに耳を傾ける時、その人生にも新たな角度からの光が注ぐかもしれません。
二十世紀初頭、南米と欧州を結んでエアメールを運んでいた郵便空輸に纏わる一夜が描かれています。
パイロットたちの上司リヴィエールは、ごく小さな過失も見逃さず処罰していました。
冷徹ともいえるその仕事ぶり。
一見冷たく描かれる彼はしかし決して非人間的な人物ではありません。
人間ではなく人間をくぐりぬけてくる過失を彼は恨んでいると言います。
彼がごく妥当に穏便に処していたら、夜間飛行は毎回死の危険を招くものになっているはずだと。
「部下を慈しめ。だがそれを口に出すな」
そう自身を律する彼の姿は読者には孤高に映ります。
ところがある日、彼の部下のパイロットの一人が空の上で消息を絶った時。
リヴィエールはその妻からの電話に出ることを選ぶのです。
彼女の嘆きを受け止めた後で、リヴィエールは独白します。
「ひとの生に価値がないとしてみよう。我々はいつも、それ以上に価値の高い何かがあるようにふるまっているのだから……だが、その何かとは何なのか?」
その答えは――作品に目を凝らしているとうっすらと宵闇に光る星のように浮き上がってくるように思います。
物語のクライマックス。
嵐の中、パタゴニア便の飛行機のエンジンの残り燃料がわずかとなり、この下は絶海と悟った飛行士ファビアンは、星を目指して上へ飛翔します。
嵐を降らせている雲の上にあったのは異様なほど静謐な世界でした。
すべてが水晶と雪でできているようです。
生と死の狭間に辿り着いてしまったとファビアンは思います。
自分の両手も、着ているものも、飛行機の翼も、何もかもが光り輝いています。
「状況改善!」
後方の通信使がそう叫び、死が決定的な状況のファビアンは彼と微笑みを交わし合うのです。
そこは航空機にいる二人のほか、誰も到達しえない世界でした。
人が命を燃やしてでも達成しようとする使命とは。
命の上に人が置くものは何なのか。
その問いかけに耳を傾ける時、その人生にも新たな角度からの光が注ぐかもしれません。
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