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4章 新しい日々
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地響きに、翔太はぎょっとして立ち止まった。雷のような轟音がガラガラと連なる。
突然のことに、驚いた心臓がどくどくと早鐘のように鳴っている。すれ違いかけた小さな女の子が泣き出し、手を繋ぐ母親が慌てて抱き上げる。あちこちの家からなんだなんだと住民が顔を出し、道路に飛び出してくる。
雷かと思い空を見上げたが、三月の青空は澄み渡っていてとても静かだ。
住人たちはそろって同じ方角を指さした。南の方。いつもの帰り道の方角。
何人かの大人たちが様子を見るためにバイクで向かった。そんな足のない翔太は、仕方なく足早に帰り道を急ぐことにした。
忙しい大人たちの様子に、幼い子どもたちが泣きだす。誰もが顔を見合わせ、何ごとだろうかと憶測を語り合っている。
やっと大通りに出た時、サイレンの音が重なった。救急車とパトカーが何台も同じ方角に向けて走っていく。そこから家へ向かう途中で、翔太は黒山の人だかりを目の当たりにした。いつもなら脇を通っていく、広い工事現場のようだった。
その夜のニュースで、何があったかをようやく知った。
バックで現場に侵入していた大型トラックが、工事中の穴に転落してしまい、その拍子に鉄骨の足場が崩れたのだ。あの雷のような音は、鉄骨が地面に幾本も落下する音だった。
重傷者が二名。宙づりになった作業員が、二時間後に救出されたらしい。幸いだったのは、現場脇の道路に人がいなかったことだとキャスターが言った。鉄骨は塀を突き破り、道路に幾本も落下していた。
テレビの画面に釘付けになりながら、凛の夢が当たっていたことを知った。確かに命と引き換えれば、二十分の遠回りなどなんてことはない。あの時間、左の道を選んでいれば、確実にこの事故に巻き込まれていたのだから。
翌日、自分たちの受験に加え、最近の事件や事故でざわめく教室で、翔太は珍しく自分から凛の席へ赴いた。
彼の言いたいことを理解し、「当たったでしょ」と彼女は先回りした。
「死ぬかと思った」
翔太の言葉に、凛は大袈裟だよとは言わなかった。代わりに、いたずらっぽく笑ってみせる。
「私は、翔太の命の恩人なんだよ。感謝してね」誇らしそうに、そう言った。
突然のことに、驚いた心臓がどくどくと早鐘のように鳴っている。すれ違いかけた小さな女の子が泣き出し、手を繋ぐ母親が慌てて抱き上げる。あちこちの家からなんだなんだと住民が顔を出し、道路に飛び出してくる。
雷かと思い空を見上げたが、三月の青空は澄み渡っていてとても静かだ。
住人たちはそろって同じ方角を指さした。南の方。いつもの帰り道の方角。
何人かの大人たちが様子を見るためにバイクで向かった。そんな足のない翔太は、仕方なく足早に帰り道を急ぐことにした。
忙しい大人たちの様子に、幼い子どもたちが泣きだす。誰もが顔を見合わせ、何ごとだろうかと憶測を語り合っている。
やっと大通りに出た時、サイレンの音が重なった。救急車とパトカーが何台も同じ方角に向けて走っていく。そこから家へ向かう途中で、翔太は黒山の人だかりを目の当たりにした。いつもなら脇を通っていく、広い工事現場のようだった。
その夜のニュースで、何があったかをようやく知った。
バックで現場に侵入していた大型トラックが、工事中の穴に転落してしまい、その拍子に鉄骨の足場が崩れたのだ。あの雷のような音は、鉄骨が地面に幾本も落下する音だった。
重傷者が二名。宙づりになった作業員が、二時間後に救出されたらしい。幸いだったのは、現場脇の道路に人がいなかったことだとキャスターが言った。鉄骨は塀を突き破り、道路に幾本も落下していた。
テレビの画面に釘付けになりながら、凛の夢が当たっていたことを知った。確かに命と引き換えれば、二十分の遠回りなどなんてことはない。あの時間、左の道を選んでいれば、確実にこの事故に巻き込まれていたのだから。
翌日、自分たちの受験に加え、最近の事件や事故でざわめく教室で、翔太は珍しく自分から凛の席へ赴いた。
彼の言いたいことを理解し、「当たったでしょ」と彼女は先回りした。
「死ぬかと思った」
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