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詠唱魔法

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 私とオリビアが反転宝玉を最初破壊してから1ヶ月が経過していた。

 あれから3回ほど街の外を調査したけど反転宝玉の発見には至らなかった。

 昔の魔族なら大量にばら蒔かれる筈なのだが……、昔ほどの数は無いのだろうか?

 しかし、魔物の異常発見はおさまっていないらしいから、どこかにはあるのだろう。

『ゾディア、考え事?』

『反転宝玉の事でどうしようかなと考えていただけだから大丈夫だよ。 それよりも今日は待望の魔法を教えてもらえる日だから頑張らないとね!』

『うん!』

 私の教えている魔導は覚えられていないが、オリビアの両親が言う話では魔法は詠唱さえ覚えれば最下級の生活魔法なら誰でも使えるようになるらしい。

 生活魔法というのがどんなものか見てみないと分からないが、全く使えない現状よりは良いかなと思っていた。
 
 まあ、現在のオリビアは規格外の強さがあるので中途半端な魔法はいらないかもしれない。


 今日は父親は外せない依頼があるらしくて、魔法を教えてくれるのは母親のミリアだけだった。

「今日はオリビアに魔法の基礎を教えるわね。」

「うん!」

「魔法はいろいろな属性があるのだけど、私はオリビアみたいな全属性ではないから教えられるのは水属性と光属性だけになるわ。」

「お母さんは水と光が得意なの?」

「得意というか、それしか使えないから教えられないのよ。 それで魔法は精霊様に魔力を渡す代わりに力を借りるものなの。」

「精霊様?」

「世界には精霊神の下に11属性の精霊様がいてね。 人によって精霊様から借りられる属性が決まっているのよ。」

 精霊に魔力を渡して力を借りるって、まんま精霊魔法の説明だな。

 だけどガブエルの使った魔法は精霊魔法ではない普通の火属性魔法だった。

 私の考えが間違えてるのかな?

 前世でもしっかりと他人から魔法を教わった事がなかったので自信がなくなってきたな……

「そして水属性はウィンデーネ様、光属性はルナ様からお願いして力を借りる事になるわ。 水属性はいろいろな場面で使えて便利な魔法が多くて、光属性は回復などが多い属性になるのだけど、オリビアはどちらから習いたいかしら?」

「両方!」

「ふふ、最終的には両方教えるけど、最初は覚えるのが大変だからどちらか片方に集中した方が良いのよ。」

「なら水がいい!」

「分かったわ。」

 確かに水属性は使い勝手がとても良いから、最初に覚えるには良いかもしれない。

 光属性の回復魔法なら私が使えるしオリビアには自然治癒があるから優先度しては高くないしな。

 私的には土属性や木属性が便利な属性だったかな。

 家を作ったり、家具を作ったりと一人で生きるにはとても便利だった。
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