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「むにゅ。」
しおりを挟む手首のところを逆の手の指でむにゅっと押さえると手首に玉みたいなのが浮き出てくる
その数には個人差があるらしく、その数は将来の子供の数だという噂が教室の中で飛び交い、一人一人みてまわる女の子が現れたことがあった
〇〇くんは何人
〇〇ちゃんは何人
男子なんかはその子にみられることを、顔を赤らめて待った。
でもその光景をみて、捉え所のない不安が僕に襲いかかってきたのを覚えている
もしかしたら、この女の子に将来を決められてしまうのではないか
みんなヘラヘラしながら「俺2人やってさ」「俺はー?」とか言っているが、実権を握っているのは未来ではなくてこの女の子なのかもしれないという恐怖
あかん、このままじゃ未来の家族構成を他人に決められてしまう
即座に逃げ道を探したが、この空気感の中僕だけ教室の外にでるのは不可能
どうしようと焦っていると、ついに僕の元へ
占い師がやってきてしまった
堂々たる出で立ちの占い師は僕の手首をむにゅっとし、とても難しい表情になった
僕は生唾をのむ。
そして
「んー、2か3やな。」と言った
…
2か3…
保険をかけた回答…
なぜだ。
なぜか僕の診断結果だけ、やけに現実味を帯びているではないか…
「え、玉ないやん、結婚できひんやん」などと言われ、みんなに笑われたなら(どうせインチキやし)と忘れる材料になってくれるのだが、僕の時だけフルパワーをだして占ったみたいなのだ
その結果、僕は平静を装い笑顔を保ったが内心めちゃくちゃ焦っていたし数日間真剣に悩んだ。
2か3…
そんなくだらない出来事が明るい未来を脅かしてしまうんじゃないかと怖くなる過去があったことを思い出して、今の僕は少し笑えた。
その女の子が誰であったかも思い出せないのに、突きつけられた言葉というのは体からなかなか抜けてくれないなと気付かされる
そもそも、玉2つの人と玉3つの人が結婚したら子供の数どうなんねんという疑問が脳みそをかすめもしなかったことがまさに小学生だなと思う。
僕は大人になれているのかなあ
…
ってか、この玉なんやねん
応援ありがとうございます!
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わたしの小さい頃もそれ
すごく流行りました!笑
大人になってから調べたんですが
(大人と言えるか分かりませんが…笑)
たしか、血液が逆流しないように
出来るものだったと記憶してます。
子供の頃の記憶ってどんどん
薄れていくけれど、ふと思い出す
謎な遊びとか面白い出来事ってありますよね!
素敵な感想ありがとうございます!
色んなところで流行っていたとは…笑
なるほど!
正体がわかってすっきりです!
ありがとうございます!笑
今となってはいい思い出です。