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第3部 木蓮 チャクラとレインボーカラー

第3部 第7話 神様との文通 (1/3)

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 貴和子は滅入っていた。
 
 JAPANホテルに連泊して、比呂乃や「木蓮」の様子を見に行ったり、小説を書いたり、タロット占いの勉強をしたりと、貴和子としては、あらん限りの活動をしてきたつもりだった。

 しかし、旅行費用も底をつきかけてきたし、母親からは、先週末にいい加減に帰ってこいと叱られてしまった。

 仕方なく、母親に一度顔を見せに帰ったら、いい加減自立するようにと言われた。
「そんなん言わんでも判ってるわ!私が一番困ってる。」貴和子は心の中で、なぜか関西弁で反抗した。
 そんな貴和子の語りから今回のお話は始まる…。
 

 この辺りのタイミングで稼げるはずなのに…。どうしてもぴんと来ない。小説については、直観的に降りてきたものを物語にして、文字にしてきた。何かの力に後押しされて、書けといわれている気がしたから、素直に書いてきたのに…。
 こんな思いで一ヵ月ほどを過ごしてきた。

 やればやるだけ良い結果が出そうな所まで行くのに、結局手に入らずがっかり、落ち込むということが繰り返し続いた。

 苦闘して、心の中の障壁となるものを一つづつ取り外し、それこそ泣きながら苦悶し、そして、そんな中、自分のエゴを改めて知ったのだった。

 そしてまた、何とかなりそうなタイミングで、あの満月の日を迎えた。この日、貴和子が良い展開をきたしていたものは、ことごとく当てが外れた。

 執着から想像しても、望んだ形が創造できず、望まない形が創造された。あるいはそれは別の機会へ導かれるサインだったのか。

 こういうことが起きうることはタロットのYoutubeを見て覚悟していたのでポジティブに受けとれて良かった。

 そして結局は、自分は何がどう転んでも、物質的な執着、不安から物事をすすめてはいけないと悟った。

 物質的な執着を心底あきらめた時、あきらめという名の安らぎが訪れた。それは浜辺の凪かそよ風だった。その心地よさよ。

 その引き潮の代わりに打ち寄せられた愛情の泉の満ち潮。それがこの前の満月の夜のことだった。
 愛情が深まり、自然や人と接すると泣けた。
 
 そう思って振り返ると、だいたい、人生において、いいことばかり起きたらおかしいのに、なんて子供だったのだろう。昔からいろいろ言われてきた言葉たち。仲間から述べ伝えられた言葉たち。感じてきた言葉たち。それらの通りであった。

 成長には痛みが伴う。
 良薬は口に苦し。
 バネにすることで年輪のように横に広がったじゃないか。
 ピンチがチャンスだ!
 非番も出番だ! ん?
 
 こうして、私は12月に入り、支えや出逢いや言葉に支えられ、なかなかいい感じの精神を持てるようになってきた。

 私の場合には、エンジェルナンバー666が出た時は私にとって執着による恐れのサインだと気づかせて貰えるから、あらやだ、私ったら又やってると自分の思考が判る。
 その時はエゴを取り外すようなジェスチャーをし、花を見たり、お祈りして、その思考から離れるよう努力している。


  続く
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