断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい

花音月雫

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第一章

悪魔と契約してしまいましたわ

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あれから私は1週間意識が無かったみたいです。聖力を使い過ぎてしまいましたわ。

「やっと目開けたか。ったく、チビのくせに力使い過ぎだろうが。自分を治す前に違う奴の腕生やしてたんだってな?お前は馬鹿か?3歳児が使える力超えてるだろー!」

意識が戻ったばかりなのに早速馬鹿扱いですわ。
......誰ですの?先程からベッドの横に座って私を見下ろしているこの男性は?

「だれでしゅ?」

「悪魔だ」

「なんでここにいるのでしゅか?」

「チビと従僕の契約したから」

「へ?けいやくはしないといったはじゅ。かってにしたな?ころしゅ」

「ころしゅって、全然迫力ねーよ。笑えるわ。契約しないと人間の側にはずっと居られねーんだわ。あ、魔王は別だぞ?だから勝手に契約した。チビと一緒に居たら面白そうだし。しかも最上級の契約しといたから。とりあえず従僕だけどいつでも伴侶に変えれるやつな」

そうなのですか。悪魔は契約事がないと人間の側には長く居られないとは。そして魔王は契約無しでも側に長く居られるのですね。
ふむふむ。一つ賢くなりましたわ。

「あたまおかしいでしゅ。なんでそれがさいじょうきゅなんでしゅ?」

「俺と結婚したら一生贅沢できるし一生守ってやるし安泰ってやつだ。だから最上級だ」

駄目ですわ。何やら意識の無いうちに変な契約を勝手にされていました。

「かいじょをようきゅうしましゅ!!」

「受け付けねーよ。だけど解除するにはまたキスしないと駄目だけど、するか?」

は~⁉︎何ですの?それ!

「きしゅうぅぅぅ⁉︎」

あっ!あの唇に柔らかな感触は!!
な、な、なんて事を!

「わたちのふぁーしゅときちゅかえしぇぇぇぇぇーーー!!」

「諦めろ。俺が最初の男だ」

悪魔がファーストキスの相手だなんて。
眩暈がしてまた意識を失いました。

私の誘拐事件はルース様の魔力爆発により場所が分かり探していたお父様率いる聖騎士軍団が助けに来てくれたようです。

ルース様は私が死んでしまったと思ったらしく魔力が暴走し更に爆発してしまったようであの教会の屋根を吹き飛ばしたそうですわ。7歳にしてその力!尊敬しますわ。

ですが、ルース様、洗いざらい全てエバンズ夫婦に話してしまったので私の聖力がかなり覚醒している事が両親にバレてしまいましたわ。
後ほど要相談です。

聖騎士軍団達がルース様を助けて、あの変な宗教団体を制圧した辺りで私を抱き抱えた悪魔がひょっこり現れたそう。

その後、お父様とお母様と悪魔で内密に契約内容など話し合ったみたいですわ。詳しくは分からないですがとりあえず悪魔だという事は周りに隠して私の従僕になるそうです。
知っているのはお父様、お母様、お兄様、マリルだけだとか。

よく聖騎士のお父様と元聖女のお母様が許したものですわ。もう少し大人になりましたら契約内容を教えてもらえるかしら?
こうなったら家族公認なので守って頂きましょう。

体も元気になってきた頃、ルース様が会いに来てくれました。
私の顔をみるなり抱きついてきて離れません。

「アイラ!アイラ!死んでしまったかと!俺が守ると決めたのに!ごめん!本当にごめんーーーーーー!」

「るぅーすしゃま、もうげんきでしゅ。だいじょうぶ」

ルース様、私が串刺しにされたのをバッチリ見ていたのでトラウマになっていなければいいなと思いますわ。

ちょっ......苦しいです。ルース様?ぎゅーとし過ぎですわ?

「ルース様、お嬢様が苦しいそうなので力を緩めて下さいませ」

マリルがルース様の手首を掴んで言ってくれました。その手首を掴む手は恐ろしく力が入っているような?ギリギリ音がしそうですわ!そちらこそ離してあげてぇ?

「ごめん。つい嬉し過ぎて......。俺もっともっと強くなるから!次は絶対にアイラを誰にも刺されないようにするから!」

良かったですわ。あまりトラウマにはなっていないようです。

「アイラ、あの、隅っこに立ってるのは新しい従僕?男の人を側に置くの?」

あっ、忘れていましたわ。
悪魔従僕が居たのでした。

「ルース様、新しくお嬢様の従僕になりましたアクアと申します。お見知りおきを」


あら。きちんと自分から挨拶しにきましたわ。悪魔はアクアって名前だったのですね。

「お前、歳はいくつだ?」

ルース様がアクアをジロジロ見ながら訊いています。

「20歳でございます」

あ、絶対200歳だわ。

「17歳上か......。いいか?アイラは信じられないぐらい可愛いけど絶対に手を出すなよ!そんな事したら俺がお前を殺すからな!」

「ルース様、その前に私が殺してしまうのでルース様の出番はないかと」

マリルが天使の様な笑顔で言いましたわ。でも目が笑っていません。

「刺しまくってもいいが俺にも残しておいてくれ」

「分かりました」

何ですの?そのお約束は。

「おお。それは怖い。肝に銘じておきます」

アクアが頭を下げた。
口元が笑っていましたけれど。

ルース様が帰られ私は少し疲れたのでベッドでウトウトしていました。
するとそっとドアが開いて誰が入ってきました。

マリルもアクアも私がゆっくり眠れるようにと今はお部屋の中には居ないのですわ。どちらかが戻って来たのかしら?
私のお部屋の前には護衛騎士が2人居るはずなので怪しい人は入って来れないのでそこら辺は安心です。

確認したいのですが眠くて目が開きませんわ。ん?モゾモゾと毛布が動きました。誰か一緒に寝ようとしてます?

「アイラ、僕の居ない間にルースが来たんだって?あいつ抱きついたって!僕のアイラなのに!許せない!僕で上書きするね!抱かせてね......」

ん?お兄様でしたか。
ん?ん?上書きって。
ん?ん?ん?抱かせてねってその言葉だけ7歳児とは思えない程色気満載な大人な言い方ですけれど⁉︎
抱かせてねの意味分かって言ってます?
お兄様の抱かせてね、はルース様がしたぎゅーってやつではないですよね⁉︎
これは駄目なやつです!
変態路線まっしぐらですわ!

「おい。いくらお前が兄貴でも勝手に妹のベッドに入るなよ。それに抱かせろだと⁉︎変態か?変態だな」

薄っすら目を開けて見てみましたわ。
アクアがお兄様をベッドから投げ捨てています。
お兄様はコロンコロン転がって受け身を取りました。流石ですわ。

「お前がお父様が言っていた悪魔か。従僕のくせに何だ?その言葉使いは!」

「俺の正体を知ってる奴にわざわざ敬語なんぞ使うかよ。ま、バレないように他の奴にはきちんとするから大丈夫だぜ?」

「誰もお前の心配なんかするか!まったく面倒な奴が来たものだな」

ふん!と鼻を鳴らしてお兄様はお部屋から出て行きました。

「おい。チビ起きてるんだろう?お前の兄貴はいつもあんな変態か?」

私は目を開けてアクアを見ました。

「あい。しゅこしすきんしっぷをとりすぎたみたいでしゅ。でもへんたいなところさえむししゅればいいおにーちゃまでしゅ」

「その変態なところが1番ヤバイじゃねーかよ。キモイなチビの兄貴は。ま、俺が居るから平気だけどな」

むむむ。確かに変態に育ちつつありますが他人にキモイとか言われると良い気はしませんわ。

「きもい、いうな。おにーちゃまはすてきなひとなんでしゅうぅぅ!」

「いや、普通にキモイぞ?」



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