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第三章
王都に帰りましたわ
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「アイラ!アイラ!」
懐かしのお屋敷に帰ると外までお母様とマリルが迎えに出ていました。
2人とも私を見た途端大泣きして抱きついてきましたわ。
私も大泣きしてしまいました。
お父様が屋敷の中でゆっくり話そうと言ってくれてリビングへ入りました。
懐かしい。
本当に帰って来たのだとやっと思えました。お父様にソファーにお座りと促されましたので失礼して......。
フワッとした感触。我が家のソファーですわ!ふぅー。
お母様が痩せてしまっています。
私のせい?心配そうにしている私に気がついてお母様が言いました。
「アイラが見つかったと知らせを受けた日から食欲も戻ったのよ?大丈夫。これからもっと元気になると思うわ」
良かったです。
「マリル?目は......」
今まで記憶がなくてマリルの目の事は忘れていました。ごめんなさいね。
「あの時、お嬢様が咄嗟に癒しの術をかけてくれていたので傷も残らず視力も前のままです。本当にありがとうございました」
泣きながら今の状態を説明してくれました。そうでした。マリルの目にハンカチをあてながらバレないように癒していたのでした。
「アイラ?もっと顔を見せて!ああ、もう12歳、来月で13歳ですものね!大きくなって......。こんなに綺麗になって......。アイラが無事なのはキルジーさんという方のおかげなのよね?お父様から大体の事は聞いているわ」
お母様はソファーに座った私の前に跪き両手で頬を触りながら言いました。
お母様?私、魔力を封印されていたので殆ど10歳の時から成長していませんわ。
お母様には少しだけ本当ならこう成長しているであろう私が見えるのでしょうか?元聖女様だったのですからその様な力があっても不思議ではないですわね。
あ!キルジーさんといえばまだルカさんの紹介をしていませんでした!
私はお父様とお兄様と一緒に立っているルカさんを見て
「お母様、マリル、こちらキルジーさんと同様に2年間凄くお世話になったルカさんですわ。もうお父様から事情は聞いていらっしゃるかしら?」
と、紹介しました。
「ええ、聞いているわ。神子認定までこの屋敷でゆっくりなさってね?アイラを守って下さって本当にありがとうございました」
お母様は立っていたルカさんの方へと歩いて行き深々と頭を下げましたの。
「あ、いえ!俺なんかに頭下げないで下さい!」
慌てているルカさんが可愛くて思わず笑ってしまいましたわ。
「天使だ......。やはり今すぐに結婚しなければ誰かに取られてしまうのではないか?」
お兄様の大きな独り言が聞こえてきましたがその独り言を無視してお父様が言いました。
「アイラもルカくんも今日はゆっくり体を休めなさい。夕食は2人の好きな料理にしよう。それとルネは私と聖騎士団の本部に来なさい。キメラ事件の事で国王様から伝達が来ているそうだ」
「え?それ今じゃないといけないですか?折角アイラが帰って来たのに」
「まずは仕事を片付けてからゆっくりアイラと話しなさい」
「......分かりました。じゃあ、アイラ......」
お兄様が私を抱き締めようとした瞬間にお父様が
「では、行ってくるよ。リリー後は頼んだよ?」
と、言ってお兄様を無理矢理引き寄せて移動魔法で消えてしまいましたわ。
「まったく、あの子は隙あらばアイラを狙うのだから」
お母様が呆れたように言いましたわ。
「ルカさん、貴方のお部屋に案内するわね。執事長お願い」
私が帰って来て嬉しいとお部屋の隅で泣きながら立っていた執事長が、畏まりましたと言って頭を下げました。
「ああ、アクアは......」
私が言いかけるとお母様が悲しげな表情を浮かべました。
「ごめんなさいね、アクアは......」
お母様が説明してくれようとしましたが私は知っていますの。
「お母様。大丈夫ですわ。アクアは私の夢で接触してきましたの。今は違うジゲンに行っているのですって。意味がよく分かりませんでしたけど近くに居ない事は分かりました。もう少しすると戻って来ると言ってましたわ」
私の言葉にお母様もマリルも驚いていましたわ。そしてルカさんは違う意味で驚いたようです。
「悪魔って?」
「ふふふ。私幼い頃に悪魔と契約していたのです。2年前の襲撃事件の時にあの男に無理矢理に契約解除されましたの」
「悪魔と契約!やっぱりアイラは凄いな。でもあの男、ずっとアイラに付き纏ってるんだな。用心しないと」
ルカさん、驚いたり心配したり忙しいです。
「でもアクアが言っていた『違うジゲン』とは何なのでしょう?」
私は首を傾げて言いましたわ。
「アクアが帰ってきたら訊いてみましょうね」
お母様が優しく答えてくれました。
何となくですけれどお母様は知っている様な気がしますわ。
『ジゲン』の意味を。
執事長がルカさんをお部屋へと案内しましたので私は自分のお部屋に行きました。10歳の時のままのお部屋です。
何一つ変わらずそのままにしておいてくれたのですわ。
きちんと綺麗に掃除もされています。
ふふふ。と嬉しくてつい笑ってしまいましたわ。
そういえば神託がされたのでしたね。
どんな神託なのか気になりますわ。
お父様は話して下さるかしら?
神子様が関係しているだなんて絶対に前の人生の時の神託とは違うはずですわ。
もしもルカさんが神子様なら守らなくては。絶対にルカさんを危険な目に合わせてはいけませんわ。
懐かしのお屋敷に帰ると外までお母様とマリルが迎えに出ていました。
2人とも私を見た途端大泣きして抱きついてきましたわ。
私も大泣きしてしまいました。
お父様が屋敷の中でゆっくり話そうと言ってくれてリビングへ入りました。
懐かしい。
本当に帰って来たのだとやっと思えました。お父様にソファーにお座りと促されましたので失礼して......。
フワッとした感触。我が家のソファーですわ!ふぅー。
お母様が痩せてしまっています。
私のせい?心配そうにしている私に気がついてお母様が言いました。
「アイラが見つかったと知らせを受けた日から食欲も戻ったのよ?大丈夫。これからもっと元気になると思うわ」
良かったです。
「マリル?目は......」
今まで記憶がなくてマリルの目の事は忘れていました。ごめんなさいね。
「あの時、お嬢様が咄嗟に癒しの術をかけてくれていたので傷も残らず視力も前のままです。本当にありがとうございました」
泣きながら今の状態を説明してくれました。そうでした。マリルの目にハンカチをあてながらバレないように癒していたのでした。
「アイラ?もっと顔を見せて!ああ、もう12歳、来月で13歳ですものね!大きくなって......。こんなに綺麗になって......。アイラが無事なのはキルジーさんという方のおかげなのよね?お父様から大体の事は聞いているわ」
お母様はソファーに座った私の前に跪き両手で頬を触りながら言いました。
お母様?私、魔力を封印されていたので殆ど10歳の時から成長していませんわ。
お母様には少しだけ本当ならこう成長しているであろう私が見えるのでしょうか?元聖女様だったのですからその様な力があっても不思議ではないですわね。
あ!キルジーさんといえばまだルカさんの紹介をしていませんでした!
私はお父様とお兄様と一緒に立っているルカさんを見て
「お母様、マリル、こちらキルジーさんと同様に2年間凄くお世話になったルカさんですわ。もうお父様から事情は聞いていらっしゃるかしら?」
と、紹介しました。
「ええ、聞いているわ。神子認定までこの屋敷でゆっくりなさってね?アイラを守って下さって本当にありがとうございました」
お母様は立っていたルカさんの方へと歩いて行き深々と頭を下げましたの。
「あ、いえ!俺なんかに頭下げないで下さい!」
慌てているルカさんが可愛くて思わず笑ってしまいましたわ。
「天使だ......。やはり今すぐに結婚しなければ誰かに取られてしまうのではないか?」
お兄様の大きな独り言が聞こえてきましたがその独り言を無視してお父様が言いました。
「アイラもルカくんも今日はゆっくり体を休めなさい。夕食は2人の好きな料理にしよう。それとルネは私と聖騎士団の本部に来なさい。キメラ事件の事で国王様から伝達が来ているそうだ」
「え?それ今じゃないといけないですか?折角アイラが帰って来たのに」
「まずは仕事を片付けてからゆっくりアイラと話しなさい」
「......分かりました。じゃあ、アイラ......」
お兄様が私を抱き締めようとした瞬間にお父様が
「では、行ってくるよ。リリー後は頼んだよ?」
と、言ってお兄様を無理矢理引き寄せて移動魔法で消えてしまいましたわ。
「まったく、あの子は隙あらばアイラを狙うのだから」
お母様が呆れたように言いましたわ。
「ルカさん、貴方のお部屋に案内するわね。執事長お願い」
私が帰って来て嬉しいとお部屋の隅で泣きながら立っていた執事長が、畏まりましたと言って頭を下げました。
「ああ、アクアは......」
私が言いかけるとお母様が悲しげな表情を浮かべました。
「ごめんなさいね、アクアは......」
お母様が説明してくれようとしましたが私は知っていますの。
「お母様。大丈夫ですわ。アクアは私の夢で接触してきましたの。今は違うジゲンに行っているのですって。意味がよく分かりませんでしたけど近くに居ない事は分かりました。もう少しすると戻って来ると言ってましたわ」
私の言葉にお母様もマリルも驚いていましたわ。そしてルカさんは違う意味で驚いたようです。
「悪魔って?」
「ふふふ。私幼い頃に悪魔と契約していたのです。2年前の襲撃事件の時にあの男に無理矢理に契約解除されましたの」
「悪魔と契約!やっぱりアイラは凄いな。でもあの男、ずっとアイラに付き纏ってるんだな。用心しないと」
ルカさん、驚いたり心配したり忙しいです。
「でもアクアが言っていた『違うジゲン』とは何なのでしょう?」
私は首を傾げて言いましたわ。
「アクアが帰ってきたら訊いてみましょうね」
お母様が優しく答えてくれました。
何となくですけれどお母様は知っている様な気がしますわ。
『ジゲン』の意味を。
執事長がルカさんをお部屋へと案内しましたので私は自分のお部屋に行きました。10歳の時のままのお部屋です。
何一つ変わらずそのままにしておいてくれたのですわ。
きちんと綺麗に掃除もされています。
ふふふ。と嬉しくてつい笑ってしまいましたわ。
そういえば神託がされたのでしたね。
どんな神託なのか気になりますわ。
お父様は話して下さるかしら?
神子様が関係しているだなんて絶対に前の人生の時の神託とは違うはずですわ。
もしもルカさんが神子様なら守らなくては。絶対にルカさんを危険な目に合わせてはいけませんわ。
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