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2 クラーラの事情
私が六歳の時ナディオ様と婚約した。
この時私はクラーラ・カルディラスだった。
豊かなカルディラス伯爵領を預かる父と母、兄がいた。
翌年母が亡くなり父は仕事に没頭した。
元々やり手の事業家であり投資家でもあった父はみるみる内に資産を増やし土地を増やし、カルディラスを含む一帯の大領主となった。
そして、陛下よりバンデルンの名と侯爵の地位を賜った。
今は陛下が望まれた、隣国との共同事業への牽引役として仕事をしている。
長い間領地を留守にし、隣国へ行ったまま帰って来ていない。
代官として叔父が手腕を振るっているが、荷が重いとよく愚痴っている。
兄も王太子の側近として、隣国に遊学していた。
その間兄は父に会っていた。ずるいと思う。
今は帰国して引き続き王太子の側近として働いている。
ナディオ様も婚約した時から名前と地位が変わった。
元々ロンバード男爵の三男だった。
私と婚約した事により、子のいなかった縁戚のヘインズ子爵家へ養子に入った。
いずれ子爵家を継ぐのだろう。
子爵は穏やかな人だが体が弱く、領地の屋敷から出てこない。
ナディオ様を養子にして、父親のロンバード男爵を代官にしている。鉱山の管理の為だ。
父はヘインズ子爵領の鉱山の開発に携わり、成功を収め、ロンバード男爵は鉱山発掘調査の立役者だった。
その後、どのような話し合いがあったのか不明だが、私とナディオ様の婚約が決まった。
多分これから富む予定の子爵領の後ろ盾となる為だったのだろう。
予定と言うのは未だに侯爵家から融資を受けているからだ。
既に10年近く行ない、長期に渡っている。
本来融資は完了して、回収に向かっていてもおかしくない。
忙しい父がどう思っているかはわからないが、狙っているものが他にあるのだろうか?
ただ、ナディオ様は当家が侯爵になったのは、ロンバード男爵家のお陰だと思っている。
だから融資が続いているのだろうと言っていた。
父が事業で成功しているのはヘインズ子爵領だけではない。ここは数多ある中の一つ。
事業家である父を頼って資金援助を望んだのがロンバード男爵。
当時ヘインズ子爵は消極的だったという。
でも、その事を言っても理解されない。
今では何をしても婚約は解消されない。寧ろ侯爵家になった恩を返せと言ってくる始末。
いつ頃からだろうか、ナディオ様の行動が私には全くわからなくなったのは。
昔から自信家だったが、人を蔑む様な所はなかったと思う。
私は言われる度に、唯一役に立つと言われた帳簿を付け続けた。
この時私はクラーラ・カルディラスだった。
豊かなカルディラス伯爵領を預かる父と母、兄がいた。
翌年母が亡くなり父は仕事に没頭した。
元々やり手の事業家であり投資家でもあった父はみるみる内に資産を増やし土地を増やし、カルディラスを含む一帯の大領主となった。
そして、陛下よりバンデルンの名と侯爵の地位を賜った。
今は陛下が望まれた、隣国との共同事業への牽引役として仕事をしている。
長い間領地を留守にし、隣国へ行ったまま帰って来ていない。
代官として叔父が手腕を振るっているが、荷が重いとよく愚痴っている。
兄も王太子の側近として、隣国に遊学していた。
その間兄は父に会っていた。ずるいと思う。
今は帰国して引き続き王太子の側近として働いている。
ナディオ様も婚約した時から名前と地位が変わった。
元々ロンバード男爵の三男だった。
私と婚約した事により、子のいなかった縁戚のヘインズ子爵家へ養子に入った。
いずれ子爵家を継ぐのだろう。
子爵は穏やかな人だが体が弱く、領地の屋敷から出てこない。
ナディオ様を養子にして、父親のロンバード男爵を代官にしている。鉱山の管理の為だ。
父はヘインズ子爵領の鉱山の開発に携わり、成功を収め、ロンバード男爵は鉱山発掘調査の立役者だった。
その後、どのような話し合いがあったのか不明だが、私とナディオ様の婚約が決まった。
多分これから富む予定の子爵領の後ろ盾となる為だったのだろう。
予定と言うのは未だに侯爵家から融資を受けているからだ。
既に10年近く行ない、長期に渡っている。
本来融資は完了して、回収に向かっていてもおかしくない。
忙しい父がどう思っているかはわからないが、狙っているものが他にあるのだろうか?
ただ、ナディオ様は当家が侯爵になったのは、ロンバード男爵家のお陰だと思っている。
だから融資が続いているのだろうと言っていた。
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事業家である父を頼って資金援助を望んだのがロンバード男爵。
当時ヘインズ子爵は消極的だったという。
でも、その事を言っても理解されない。
今では何をしても婚約は解消されない。寧ろ侯爵家になった恩を返せと言ってくる始末。
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私は言われる度に、唯一役に立つと言われた帳簿を付け続けた。
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