【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり

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27 クラーラと場違いな二人

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 王太子がナディオ様とクラリス嬢の参列を許された。
 お兄様とバート様が王太子を睨んでいる。
 私は二人の袖口を軽く引っ張り、引きつっていたかもしれないが笑みを浮かべた。

 大広間の扉が開かれ、場違いな程下品にギラギラと着飾った男女が堂々と会場に入ってきた。
 参列者の皆様が呆れた眼差しで二人を見ている。

「早く俺達を入れるべきだったな」
「そうよね。無駄に騒いじゃったわ」
「クラリス、あそこに飲み物がある」
「ナディオ様、行きましょう」

 全く周りを見ていない二人は、王太子の横を素通りして行った。
 あまりの無礼さに激怒した貴族男性が声を荒らげた。

「おい、何勝手をしている」
「なんだと無礼な。ほれ、俺は招待状を持っているんだ。会場内を歩いて何が悪い」

 ナディオ様はヒラヒラと招待状を振り、相手に見せびらかした。
 その間王太子は固まっていた。
 そうよね、誰も王太子にその様な態度などとらないもの。

「だから事前にあれ程注意したのに」
「ハンス仕方がない。王太子殿下の好奇心がまさったのだろう」
「そうだな、この事態の収拾は殿下に取ってもらおう」
「まあ自業自得だな」

 王太子は復活したようだが、心許ないのかしきりにお兄様を見ていた。


「さあ、俺達もパーティを楽しむか」
「あの……お兄様本当によろしいのですか?」
「クラーラは気にしなくていいよ。こういうのも経験だから。俺達がすぐに助けに行っては意味がないんだよ」

 先程のお兄様とバート様の会話は聞こえていたのですが。

「クラーラ、男二人は放っておきましょう。さあ、こちらへいらっしゃい」
「マーナ様、ありがとうございます」

 マーナ様が気を利かせてくれた。
 私達は飲み物の近くにいたので、移動を即された。

 近づくナディオ様を見て、やはり顔は整っていると思った。
 目線が服を避けるのは、多分無意識だろう。
 隣にいるクラリス嬢を避けるのも無意識だ。

 だから気づかなかった。
 クラリス嬢がこちらを見て勝ち誇った顔をしていることに。
 嫌らしい顔のクラリス嬢が、ナディオ様の頬近くに寄った後こちらを向いた。

「あらぁ、誰かと思ったら地味なクラーラじゃない。何故こんな所にいるのぉ?」
「ここは特別な場所なんだぞ。君のような者が来るところじゃない、目障りだ帰れ」

 いつもの様に私を見つけたナディオ様は、場所も弁えず喚き出した。
 二人の動向を見ていた貴族達も、流石にざわめき出した。
 会場は既に楽しいパーティの場所ではなくなっていた。


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