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第二十章 再び戦場へ
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「そうですよマティアス様」
僕たちの話を聞いていたリナが言った。
「それに悪いのはマティアス様だけではありません。レーモン公も、そして私も同罪なのです」
「リナ殿……」
マティアスは一瞬黙って、それから突然リナに向かってバッと頭を下げた。
「すまなかった。魔女《ヒルダ》を前にして、リナ殿を囮に使うようなことをしてしまった。あれは騎士としてはあるまじき行為だった」
「やめてください、マティアス様。アリス様の身代わりになることは私としても本望《ほんもう》。その点、迷いはありません」
「いや、しかし――」
「私たちの罪は、アリス様やユウトさんを騙すようなことをして、ロードラントの兵士さんたちを戦場に置き去りにしてしまったことです。でも、まだ取り返しはつくかもしれません」
「その通りです!」
僕はマティアスに向かって叫んだ。
「こんなところで反省ばかりしてても何も解決しません。さあ、早く戦場に向かいましょう。きっとみんな救援を待っています」
「いかにも」
マティアスが同意する。
「ユウト、行こう。もう身分は関係ない。対等な仲間として力を貸してくれ」
「もちろん私も行きますよ。マティアス様」
と、リナが言った。
「止めたって無駄です」
「しかし――」
マティアスは少し迷ってから、うなずいた。
「そうだな、今の俺はリナ殿に指図する立場も資格もない。だから止めはしない。それに一人より二人、二人より三人の方が心強いだろう」
「ちょっと、四人でしょ、四人!」
と、男爵が黄色い声を出して抗議する。
「アタシもいるのを忘れないでよね!」
マティアスが頼りになる存在なのは間違いない。
が、グリモ男爵も一緒なのか……。
この人、とっても面白いし、そこにいるだけで場が明るくなるムードメーカーではあるけれど、戦場では果たして……?
僕たちの話を聞いていたリナが言った。
「それに悪いのはマティアス様だけではありません。レーモン公も、そして私も同罪なのです」
「リナ殿……」
マティアスは一瞬黙って、それから突然リナに向かってバッと頭を下げた。
「すまなかった。魔女《ヒルダ》を前にして、リナ殿を囮に使うようなことをしてしまった。あれは騎士としてはあるまじき行為だった」
「やめてください、マティアス様。アリス様の身代わりになることは私としても本望《ほんもう》。その点、迷いはありません」
「いや、しかし――」
「私たちの罪は、アリス様やユウトさんを騙すようなことをして、ロードラントの兵士さんたちを戦場に置き去りにしてしまったことです。でも、まだ取り返しはつくかもしれません」
「その通りです!」
僕はマティアスに向かって叫んだ。
「こんなところで反省ばかりしてても何も解決しません。さあ、早く戦場に向かいましょう。きっとみんな救援を待っています」
「いかにも」
マティアスが同意する。
「ユウト、行こう。もう身分は関係ない。対等な仲間として力を貸してくれ」
「もちろん私も行きますよ。マティアス様」
と、リナが言った。
「止めたって無駄です」
「しかし――」
マティアスは少し迷ってから、うなずいた。
「そうだな、今の俺はリナ殿に指図する立場も資格もない。だから止めはしない。それに一人より二人、二人より三人の方が心強いだろう」
「ちょっと、四人でしょ、四人!」
と、男爵が黄色い声を出して抗議する。
「アタシもいるのを忘れないでよね!」
マティアスが頼りになる存在なのは間違いない。
が、グリモ男爵も一緒なのか……。
この人、とっても面白いし、そこにいるだけで場が明るくなるムードメーカーではあるけれど、戦場では果たして……?
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