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マリの部屋にれっつごー
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アニスに言われてから気づいた。そういえばそうだったわ……マリって文字読めるのか?
とりあえず疑問に思ったので、その日のうちにマリの部屋へと侵に……訪ねた。
「うわぁ!?…え、ユーリ、様?」
どうやらもうお風呂に入ってベットで寛いでいたらしく、驚かせてしまったようだ。ごめんごめん。
「やっほ。聞きたいことがあったのと、ついでに様子見に来たよ」
「聞きたいこと……?」
「うん。マリってさ、文字読める?」
そう言うとあからさまに表情が変わった。
……あまり聞かれたくなかったような、ね。
「……すいません。ほとんど読めません」
「謝ることじゃないよ」
ベットに座り俯いてしまったマリの頭をポンポンと撫でる。
「じゃあさ、勉強したい?」
「……迷惑でしょうし、大丈「わたしは、マリがどうしたいか聞いてるんだよ。どう?」
隣に腰かけながらわたしが言葉を被せて言うと、マリは頭を上げてわたしの目を見た。
その瞳は揺れていて……しかし、ハッキリとした意思が感じられた。
「……したい、です…させて、ください…!」
「よく、言えました」
またポンポンと頭を撫でる。少し恥ずかしそうではあったけれど、大人しく頭を撫でられていた。もふもふ。
「……あの、そろそろ」
「あ、ごめん」
気持ちよかったけれど、さすがにやめる。
「じゃあ勉強の予定も組まないとね。騎獣舎はどうだった?上手くやれそう?」
「あ、はい。アーリさんが優しく教えてくれたので…明日から本格的に仕事をさせてもらうことになりました」
「そう。……不安とかは、ない?」
「……ないかと言われればあります。でも、それ以上に……必要とされていることが嬉しくて、楽しいです」
必要とされている、か……まぁ、そのことを自覚できたのはいい事だね。
必要じゃないヒトなんていない。誰だって、誰かから必要とされているはずなのだから。でも、それを自覚するのは案外難しいんだよね。
「何か不満があったりしたらなんでも言ってね。できる限りのことはするよ」
「そ、そんな…不満なんて…」
「なんでもいいよ?このヒト嫌いだから会いたくないとか」
「………それ言った場合、ユーリ様何します?」
え、もちろんそのヒトをどっか左遷するよ?
「……分かりました。もし、あれば言うことにします」
やけに「もし」のところを強調したような……まぁ、いいか。
「今日は疲れたでしょう。ごめんね、いきなり来て」
「あ、いえ……」
その時、ぐぅーっとお腹の音がなった。……マリのお腹から。マリの顔がみるみる真っ赤に染まる。
「ふふっ。食事はまだかな?」
「は、はい…」
「……もし、マリが良ければなんだけど、わたしと食べる?」
「え、えぇっと……」
「あぁ、別に強制じゃないよ。気が休まらないのなら一緒じゃなくても大丈夫だから」
「…気が休まらない訳ではないのです。ただ…わたしなんか一緒でいいのかな…と」
「大丈夫。寧ろ嬉しいよ。基本1人だから」
「…え?アニスさんとかは…」
「アニスは家族と食べるよ」
アニスのやつ、ああ見えて所帯持ちだからな。夫もここで働いてるし。
…あ、ちなみにアニスの夫はわたしの姿知らないよ。
「…では、ご一緒させて頂いても…?」
「もちろん。わたしが聞いたんだしね。じゃあ行こっか」
「は、はい」
……嬉しいな。誰かと一緒に食事をするなんていつぶりだろうか。
……誰かを誘うことができたのは、いつぶりだろうか。
……こんなにも、誰かと関わりたいと思ったのは、一体いつぶりだろうか。
「……悲しいな」
「何か言いました?」
「ううん。何でもないよ」
……せめて、この時は。この時だけは、永遠に覚えていられたらいいな。
とりあえず疑問に思ったので、その日のうちにマリの部屋へと侵に……訪ねた。
「うわぁ!?…え、ユーリ、様?」
どうやらもうお風呂に入ってベットで寛いでいたらしく、驚かせてしまったようだ。ごめんごめん。
「やっほ。聞きたいことがあったのと、ついでに様子見に来たよ」
「聞きたいこと……?」
「うん。マリってさ、文字読める?」
そう言うとあからさまに表情が変わった。
……あまり聞かれたくなかったような、ね。
「……すいません。ほとんど読めません」
「謝ることじゃないよ」
ベットに座り俯いてしまったマリの頭をポンポンと撫でる。
「じゃあさ、勉強したい?」
「……迷惑でしょうし、大丈「わたしは、マリがどうしたいか聞いてるんだよ。どう?」
隣に腰かけながらわたしが言葉を被せて言うと、マリは頭を上げてわたしの目を見た。
その瞳は揺れていて……しかし、ハッキリとした意思が感じられた。
「……したい、です…させて、ください…!」
「よく、言えました」
またポンポンと頭を撫でる。少し恥ずかしそうではあったけれど、大人しく頭を撫でられていた。もふもふ。
「……あの、そろそろ」
「あ、ごめん」
気持ちよかったけれど、さすがにやめる。
「じゃあ勉強の予定も組まないとね。騎獣舎はどうだった?上手くやれそう?」
「あ、はい。アーリさんが優しく教えてくれたので…明日から本格的に仕事をさせてもらうことになりました」
「そう。……不安とかは、ない?」
「……ないかと言われればあります。でも、それ以上に……必要とされていることが嬉しくて、楽しいです」
必要とされている、か……まぁ、そのことを自覚できたのはいい事だね。
必要じゃないヒトなんていない。誰だって、誰かから必要とされているはずなのだから。でも、それを自覚するのは案外難しいんだよね。
「何か不満があったりしたらなんでも言ってね。できる限りのことはするよ」
「そ、そんな…不満なんて…」
「なんでもいいよ?このヒト嫌いだから会いたくないとか」
「………それ言った場合、ユーリ様何します?」
え、もちろんそのヒトをどっか左遷するよ?
「……分かりました。もし、あれば言うことにします」
やけに「もし」のところを強調したような……まぁ、いいか。
「今日は疲れたでしょう。ごめんね、いきなり来て」
「あ、いえ……」
その時、ぐぅーっとお腹の音がなった。……マリのお腹から。マリの顔がみるみる真っ赤に染まる。
「ふふっ。食事はまだかな?」
「は、はい…」
「……もし、マリが良ければなんだけど、わたしと食べる?」
「え、えぇっと……」
「あぁ、別に強制じゃないよ。気が休まらないのなら一緒じゃなくても大丈夫だから」
「…気が休まらない訳ではないのです。ただ…わたしなんか一緒でいいのかな…と」
「大丈夫。寧ろ嬉しいよ。基本1人だから」
「…え?アニスさんとかは…」
「アニスは家族と食べるよ」
アニスのやつ、ああ見えて所帯持ちだからな。夫もここで働いてるし。
…あ、ちなみにアニスの夫はわたしの姿知らないよ。
「…では、ご一緒させて頂いても…?」
「もちろん。わたしが聞いたんだしね。じゃあ行こっか」
「は、はい」
……嬉しいな。誰かと一緒に食事をするなんていつぶりだろうか。
……誰かを誘うことができたのは、いつぶりだろうか。
……こんなにも、誰かと関わりたいと思ったのは、一体いつぶりだろうか。
「……悲しいな」
「何か言いました?」
「ううん。何でもないよ」
……せめて、この時は。この時だけは、永遠に覚えていられたらいいな。
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