黒猫いちごと白猫ざくろの動物診療カルテ オスの三毛猫不知火編

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オスの三毛猫しらぬいの診療カルテ④ ざくろの決心

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「青島さま、あらためましてザクロと申します。ポポーを通じて私どもを頼っていただきましてありがとうございます。すでにご承知だとはぞんじますが、私にできることは自然の声を聞き、天の意思に従いあなたがたをしかるべきところへ誘導することだけです。天の意思によってはあなたがたの願いとは真逆の結果になることもございます。青島様はともかく、不知火さまもご納得の上でこちらにいらしたということで間違いございませんか」

「もちろんです、ざくろどの。見てのとおり不知火にはあまり時間がない。命が尽きることは仕方がないのだ。しかし、不知火は信頼した人間に裏切られたことで死よりもつらい苦しみに苛まれているのだ。どうかお願いします。彼の、言語を理解するがゆえに曇った目を、取り除いてやってほしい」

「ざくろどの。」

「不知火、口を利くな。体力が奪われる」

「青島、いいのだ。ざくろどの、この不知火はすべて承知しています。わたしは青島のものなのです。青島にすべて任せますのでよろしくおねがいします。」

さっきまで息も絶え絶えであったのに、落ち着いた低い声で不知火はざくろにそう言い、再びゆっくりと体を横たえた。

「承知しました。」

ざくろがいちごの方を向いた。目がルビー色に光っている。

「いちご、瀬戸さまもここへ」

いちごは音もなくそっとざくろの隣に立ち、ぴたりと寄り添った。

「瀬戸様、ただいまご依頼をお受けいたしました。どのような結果になりましても後悔なさいませんね」

返事の代わりに瀬戸は青島の隣へ行き静かに腰を下ろした。

ざくろは彼らと視線を交わした後、半分目を閉じた。何かを考えるような何かに耳を傾けているようなそぶりを見せていたが、カッと目を見開くと瞳がルビー色に光った。

ざくろは不知火の全身を見つめると臀部の部分で視線をとめると彼の全身をのどを鳴らしながら舐め始めた。お尻のところに差し掛かった時、ひどくつらそうな顔をして舐めるのを止めた。

 しばらくじっとそこをみつめていたが決心したように顔をあげて言った。

「いちご、お願い。あの人を呼ぶ」

「わかった」

いちごはざくろに身体を寄せ、耳を舐めてぐるるる、と一瞬だけのどをならして一目散にかけだした。

あの人のもとへ。夜の闇をかけるのは黒猫のいちごには有利だった。
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