剣・恋・乙女の番外編 ~持たざる者の成長記録~

千里志朗

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1部1章 ポーター編

幕間0.1話 始まり

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(★これ以降の幕間4話は、主人公の過去のトラウマ話となり、内容は暗め、きつめで、本編とのギャップが激しい事もあって、場所をこの位置に移動しました。苦手な方はスルー推奨)

 
 ※


 ……苦しい ボクは   は?  何を しているのだ ろう……


 喉が 痛い? 違う  これは  喉が渇いて 水分が足りな い……

 腹が  痛い  これも?  空腹 だ  栄養が……


 ここは  どこ いや どうで も いい 

 うう ボク  なんだ きたな い 場所  きた な い

 物 も 場所も 建物も 誰か いる きたない 人 なにも かも きたな い

 み 水 水分 あれから どれぐらい たった?

 日が 登って 沈んで  何回?

 覚えて ない

 身体 足  動かなく なて きた

 も 歩け な い


 死  死ぬ?死ぬ??死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死…………



 だ め も 死 いや だ

 拒否 で も 


 どう すれ ば  

 あ     う え  なに か あた る あ め あめ 雨!

 うご け うつ むく な 身体の むき  を 

 ………

 口 を開けて 雨 みず だ……の む……






 う  ぁ  生 きて る……

 あ  うえ 雨 やん…だ


 星が みえ   る





 ※





 雨で、なんとか。死なずにすんだ

 ボクは、ともかく、水や食べ物をどうにかしなきゃ、いけない

 汚い街。奥に、行くと、色々なゴミが積まれている 

 何か役立つもの、あるかな?

 ガラクタを崩して、ろくなものが、ない

「おい、おまえ!」

 これは、穴が、ある

「………」

 もっと、奥に、おも、い。もちあがらな、い……

「お前、つってんだろ!ムシすんなチビ!」

 ?

 後ろに汚い、子供、いた

「ここは、おれのしシマなんだよ。おまえ見ない顔だな。新入りか?」

 ? しま 縞 島? 海は……ない

「ろくに食ってないみたいだな、あぁ~~?なんか言えよ。言葉わかんねーのか?」

「わか、る」

「お、よしよし。それじゃ、さっき聞いたことに答えろよ」

「さっ、き?ん?」

「……。頭わりーんか?繰り返してやるよ。新入りか?」

「新入り……わから、ない。気が、付いた、ら、いた……」

「んー?りょうかい。迷子ってこたーねえな。そのボロだ。もっとマシなの着ろヨ、オラ、そこらにあるだろーが」

 汚い子が、汚い布、持ってきた。服?

「オラ、着ろ、ってその下まっぱだかかよ。おら、多少おおきくてもがまんしろよ」

 服、着て、なかった。なぜ?

 持ってきたもの、受け、取った。凄い汚い……

 捨てたいけど、あの子、すごく睨んでる

 服?を、着る。ボロも持っておこう。なにか役立つ、かも

「腹、へってるだろ?」

 当然、うなずく

「俺のコブンになるなら、食わしてやらねぇでも、なあ……?」

 ……何かを期待して、すごくこっち見てる

 ボクは考えて……仕方なく、うなずいた

「……なんかすごく間があったな……。まあ、いい。お前は俺のコブンだ!」

 汚い子、すごくまんぞくげにうなずいてる

「きちょうな水や食い物わけてやるんだ、オレのメイレイに逆らうなよ!」

「俺は〇×だ!おぼえておけよ!でも呼ぶ時はオヤブンだ!コブンなんだからな!」

 この子の名前、この時、確かに聞いた、筈なのに、思い出せない……


 ※


 それからオヤブンカクレガに行って、食べものや水を、もらった

 なんかよくわからない赤茶系のかたまり

 ゴミのかたまりみたい。嫌な味がする。吐きそうになった、けど、なんとか飲み込んだ

 それからしばらく、オヤブンにいろいろ教わりながら生きた……



 二人でゴミの山をあさり、使えそうなモノがないか探した

 水筒がみつかった時は、二人で小躍りした

 オヤブンは同じような物を持っていて、二人で水をくみにいった

 汚い街から出た。オドロきだ。汚い街に終わりがあった!

 オヤブンのシジで、道のはじっこを、人目を気にしながら走った

 フツーの街。キレイな街。キレイな道。キレイな人

 でもオヤブンは言った。ここは敵の街。あいつら全員、敵だ、と、だから敵だ!

 そして、随分走ると、水の音がした

 あ、あれ。なんだっけ……泉?

 オヤブンはあれをさして、走って水をくんで、物陰までもどってくるんだ、といった

 はしった。すると、急に前に人が。長いボウを持ってる。よけてもそのボウでいけないようにする

 ボクはスキを見て、そいつの股下をすべってくぐった。水!

 追いかけてくるから、余りくめなかった。半分もいってない

 がっかりして物陰に、回り道しながらもどると、オヤブンがニヤニヤ笑っていた

「オトリ、ごくろう!いやー、こうもうまくいくと思わなかったぜ!」

 と言って、いっぱいになったオヤブンの水筒をとくいげに見せた

 あぜん

「さ、帰ろうぜ。いつまでもいると、他にもこわい大人が、たくさん来るからな」

 そう言ってさっさともどっていく

 ……コブンはつらい……


 ※


 それから、欠けたナイフをみつけたりもした

 鳥とかを取るワナをおしえてもらった。きちょうなしょくりょうから餌を出し、岩をななめにしその下におく。すごく細い木の枝でつかえ棒をして、ほうち

 鳥が、エサを食べるとき、えだにとまり、おもさで枝が折れ、岩が倒れる。鳥ぺしゃんこ

 どうせ食べるからかたちは関係ない。ニクは焼く~~~

 後、自分の近くにえさを置いて、目のまえでにんぎょうのふりをするのも、おしえてもらった

(ボクは生きてない生きてないにんぎょうにんぎょう……)

 鳥がちかづいたら、ナイフで切る!……なかなかうまくいかない……

 オヤブンは簡単そうにやってのける。すごい!やっぱりオヤブンだからすごい!



 げすいどう、教えてもらった。この水は、のめない

 ここに、ネズミとか、よく分からない生き物がたくさんいる

 あぶない生き物もたくさんいるけど、鳥よりとりやすいし、取ったらにゅうねんに焼けばたべれるって、オヤブン言って、ボクにたべさせようとする……

 ボクがたべて、へいきなのはオヤブンたべる

 ズルい……



 それからオヤブンは、汚い街にくるキケンなオトナ達の話をした

 ドレイショーって言ってた。なにかショーをする人?

 そのコブンの大人が、とくに子供をねらってくる、らしい

 汚い街の大人も、そいつらのコブンになったりするらしい、キケンだ

 つかまった子供は、ぜったいに戻ってこない……

 でもボクらはつかまらない、だって、オヤブンもボクも、スゴク足がはやいんだ!

 だからキレイな街のフンスイだってへっちゃらだ!


 ある時、オヤブンがころんで、足を切った

 その時はへーき、って言ってたんだけど、その夜、すごい熱がでて、ボクはただ見てるしかできなくて……

 オヤブンはあれから、すごくやせて、はやく走れなくなった……

 ボクがとってくる水をのんで、ボクがとってくるエモノを食べて、オヤブンしっかくだな、って笑ってた……

 そのうちおこりっぽくなって、そして………



 オヤブンは言った

「ここにくるドレイショーが来るのはおしえたが、もうひとつ、くるやつらがいる、それは、キョウカイの奴らだ。なんか俺らにカミサマがお恵みを、とかいって食い物くばる奴らがいるだろ。そいつらのナカマだ……

 なにかんがえてるんだか、コジインとかに子供いれて、嘘くせー説教するところだって聞いたことがある。でも、その代わり、食べ物は食わせてくれる、らしい……」

 ボクは、ただだまって聞いていた……

「ときどき、ネズミ色の服着た、おばさんとかがこの街うろついてただろ、それがそうなんだが……。こまったことに、ドレイショーの奴らがその服着て、子供だまくらかす事もあるんだ。

 だから、大人は敵なんだよ、シンヨウならねぇ……!」

 外から遠く、オンナの人が、やさしそうな声で、でてらっしゃーい、とか言ってる……

「で、今外にきてるやつらがドレイショーの奴か、キョウカイのおばさんなのか、わからねー

 カクリツだったかな、は半分だ。コイン投げて、オモテかウラか、ってコブンはコイン見たことねー、かな。どっちかが出るカクリツは、どっちも同じなんだってよ……」

 オヤブンは、きゅうに立ちあがってフラフラあるきだす。すごくあぶないかんじだ

「オヤブン……」

 ボクがとめようとのばした手を、オヤブンはらんぼうにふりはらった

「ここでは、食べ物も水もきちょうだ。ふたりぶん、ずっと取ってくるのなんか、ムリなんだよ!」

「でも、ボクはオヤブンに水も食べ物もずっともらってた!だからこんどは!」

「やめろ、オレははじめから、お前をコブンとしていいようにコキつかうために助けたんだよ!それが、走れなくなって、ただバカみたいに寝て食って寝て食ってしてられるか!」

 オヤブンはボクをおしのけて外に出た

「いいか、オレは運がいいんだ、だからいま来てる奴らは、キョウカイのナカマだ。しかたねーから、コジインとやらの世話になりいくぜ。アバヨ」

「オヤブン!」

「コブン、オレは、いいオヤブンじゃなかったかもしれねーが、お前はいいコブンだったぜ!………生きろよ………」

 そう言ってオヤブンは、足を引きずりながら、声の方にあるいていってしまった……


 ※


 あれからもうずっと、カクレガにオヤブンは戻ってこない

 オヤブンは今……



 ボクはどうしてもあの子の名前を、思い出せないんだ………
 









*******
オマケ

漢字とかカタカナとか、適当です。
主人公の記憶の混濁のせい、とか思って下さい。
統一した方がいいのは分かるのですが、面倒!
本編の1話と違う!とかもカンベン!
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