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第2章 流水の弟子編
065.悪魔の壁(15)31~36
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先程の死神(デスマスター)戦でアリシアの消耗が激しいので、元の後衛位置に今は戻ってもらっているが、それは正解だった様だ。
ロック・ゴーレムに続いて出たのは、迷宮(ダンジョン)で出るのが有名なミノタウロス(牛鬼人)4体だ。2メートル半はありそうな高い背にたくましい筋骨隆々をした身体、そして両手で持つ巨大な戦斧(バトル・アックス)、低層階に出たトロルとオーガのいいとこ取りの様な、パワー系の魔物だ。
アリシアが相手にするにはきつい相手だろう。しかし、今や魔剣を使いこなし、低層階とは見違える様なくらいに洗練された“気”を使うリュウなら、充分やり合える相手だ。
リュウもラルクも、“気”の基礎を教えただけとは思えない程に、この短い間に各段の進歩を遂げている。中級迷宮の上層階にさしかかりつつある場所の敵でさえ、決して遅れは取らない。
サリサやアリシアの突出した天才性ばかりが目立つが、西風旅団はそれだけのパーティーではない。リュウやラルクも、女性陣には一歩、及ばないにしても、同世代で並ぶ者のない程の実力者である事は間違え様のない事実だ。
リュウの眼前に迫るDミノタウロスは、ついこの間までだったら、その姿を見ただけで裸足で逃げ出しそうなぐらいに恐ろしい外観、恐ろしい武器を手にした、恐ろしく強そうな魔物だ。(恐x3)
だが、リュウの元々良かった動体視力が“気”によって強化されたその視界には、まるでノンビリ近づいて来る乳牛の群れの様にしか見えない。
溢れんばかりの闘気を漲らせているが、身体強化に有効活用は出来ていない様だ。
その武器も、見た目こそ恐ろし気だが、単なる普通の武器だ。
リュウの持つ魔剣に比べたら―――
振り下ろされた戦斧(バトル・アックス)に合わせてリュウは魔剣でその戦斧(バトル・アックス)の刃に合わせて振る。サクっと軽い感触で、まるでバターで切る様に簡単に戦斧(バトル・アックス)はリュウの魔剣に両断される。
自分の自慢の武器が、余りにもアッサリと破壊された事に驚愕するDミノタウロスのその隙を見逃す程リュウはお人好しではない。顔面を縦に勝ち割られ、崩れ落ちる巨体。
使えば使う程手に馴染む魔剣の声が聞こえて来る様だ。もっと強い獲物をくれ、と―――
ラルクの援護の矢が、Dミノタウロスの目や喉等、敵の嫌がる弱点に正確に飛ぶ。
それにひるんだミノタウルスを、剣に炎を纏わせたリュウが瞬く間に平らげてしまった。
最初にゼンに向かって来た1体以外の3体を、リュウ一人で倒してしまったのだ。
前の階層辺りから、リュウは絶好調の様だ。
自分よりも巨体なデュラハンの剣や、合体した巨大死神(デスマスター)の大鎌もひるまず受け止め、押し返している。
魔剣との相性の相乗効果が良い方向で、リュウの剣士としての素養に大きく関与している様だ。
魔弓と短剣、両方を使いこなしているラルクにも同じ事が言える。
なんだかんだで、この二人も天才系だよなぁ、とゼンは羨望を覚えながら考える。
(普通なら、この迷宮(ダンジョン)制覇も難しくないと思うんだけど……)
気になるのは、やはり、本来なら出る筈のない程の、強敵な階層ボスの存在だ。今のところ何とか倒せる範囲内で収まっているが、次もそうとは限らないし、そもそもこんなものが出る意味が分からない。
まだ最後の迷宮ボス戦なら、その迷宮固有の追加要素が、昔のロックゲートのボスの時の様に出ている、と理解出来なくもないのだが、階層ボスでそういった話は聞かないし、資料で見た覚えもない。
ゼンは探索する迷宮(ダンジョン)の資料には、前もってあらかた目を通す主義だ。
(それに、何か隠し要素があったとしても、それが何を理由に起動しているか……)
そこで、ゼンの心は軽く落ち込んで来る。
スキルもなく、意味不明に大勢の従魔を抱え込んだ異常者の自分が、その理由だとしたら……。
次の、Dロック・ゴーレム3体、Dミノタウロスの混成部隊も、サリサが『氷結乱舞(フリーズ・ダンス)』を使って相手の動きを鈍らせると同時にダメージも与え、前衛の一斉攻撃に、ミノタウロスは耐えきれずに轟沈。
ゴーレムは魔剣で斬れる、と聞いたリュウが試し斬りでバラバラに解体してからの魔石潰しで倒し、それが終わってしばらくしてからその階の“休憩室”までたどり着けたので、改めて昼食の時間だ。
ゼンは、今ある材料で、朝食と被らずに手軽に出来るものは何か考えながら、昼食を作り始めるのだった……。
※
今のところ、西風旅団が1日に進めるのは平均して大体10階層。
1日1回階層ボスと戦える計算になる。
初日が半日で、途中の10階層からだったので、昼頃に階層ボス戦、次の階層の中間辺りで野営、の繰り返しになる。
当初は、進めば難易度も増して行くので、もっと進行速度が遅くなると思われたのだが、不死系(アンデッド)階層でのアリシアを主軸とした攻撃の精強さと、リュウ、ラルクの戦闘に慣れれば慣れる程に、研ぎ澄まされ、洗練されていく“気”による強化の度合いの伸び、そして魔力を込められた武器との相性の良さ等のプラス要素が合わさり、それにサリサに代わった戦闘指示の速さ、的確さ等と彼女の魔術の強さ、選択の正確さもあって、まるで探索速度が落ちていなかった。
レア物が期待出来る鍵付き部屋に丁寧に寄っているにも関わらず、そのペースは健在で、もしこのままの速度で迷宮(ダンジョン)を制覇してしまったら、それはもう、歴代の最速記録どころの話ではなくなる。
それには、迷宮の造りをある程度知り尽くし、予想出来て道案内や、途中休憩の事まで考えられ、美味しい3食おやつ付きを提供する、ゼンという水先案内兼ペースメーカーの存在も大きく関与していた。
普通ならば、階層一つ、10階に1週間以上かけ、制覇も目指さない、戦利品目当ての迷宮籠りにも、途中出会った『爆炎隊』の様に、1カ月単位で籠るのも普通の場所だ。
それを、1つの階に1時間もかからない場合すらある『西風旅団』の探索速度は異常でしかないのだが、もうその速度に慣れて来た面々は、正常な感覚が麻痺して来たのかもしれない。
装甲熊(アーマー・ベア)、という、皮膚や毛皮が硬質化して、まるで鎧を纏った様な外見になる、巨大な熊の群れも、その装甲を貫ける武器があるならそれはほとんど意味をなさない。
後衛から、覚えたばかりの杖の機能、光弾を振りまくアリシアの援護もある。装甲のない部分を正確に狙うラルクの弓矢もある。
本来冒険者をもっと手こずらせるD装甲熊(アーマー・ベア)は、援護によって致命的な隙を見せ、陣形の崩れた魔物の群れを、リュウとゼンは次々に斬り刻む。
ゼンの剣は、大抵の場合、一撃で魔石まで到達する。
リュウの炎を纏った斬撃は、ただ斬るだけでなく、重い火傷を同時に負わせる強力な攻撃だ。
群れが全滅するのも、遭遇してからそれ程時間が経っていない。短時間殲滅だ。
(確か、これの上位種がボンガの種族なんだよな……)
ゼンは、倒した魔物と従魔の関係性を考えつつ、剣を鞘に戻す。
そろそろ、野営を考えた方がいいだろうか。敵が巨体系の敵が多かったせいか、多少時間がかかっている。
ちなみに鍵付き部屋は4つで、内、外れが今回は一つだけだった。他は一応、レアな魔物がいた。ゴールド・ゴーレムは、戦利品に金塊を落とす。
雌の白毛のミノタウロスは、何故か色々な乳製品を落とした。高級なバター、チーズ、ガラス瓶に入った牛乳。肉はなかったが、そちらは普通のミノタウロスが落とす。料理に使える素材が増えて、ゼンとしては嬉しい。金額的には微妙なのだが、ラルクは上機嫌だった。
「クジは当たりが出る事に意味があるからな。景品がショボい事もあるさ」
と言う事らしい。
昨日と同じで、今日も36階層まで行けた。もう1階層上がれる気もするが、不死系(アンデッド)の層よりも余程歯ごたえのある敵が多かったし、死神(デスマスター)は手強い階層ボスだった。
早めに切り上げて疲れを取るのも良策だろう。
「そろそろ野営を決めますか?近くに“休憩室”がある筈ですし」
「そうだな。でっかい敵が多かったし、俺もそれでいいと思うぞ」
何体もの魔物を葬った大剣を肩に担ぎ、リュウは苦大きく息をついて言う。
「ゼン君、私は牛料理を所望します~~」
アリシアが、牛系の食材が色々手に入ったせいだろうか、お腹を押さえて空腹を訴える。
「そうですね」
本当は古い食材から消費した方がいいのだが、手に入れた物をすぐに食べてみたくなるのは仕方ないだろう。ステーキだと前日のと被るので、薄くスライスして、味付けて焼こうか、等とメニューを考えるゼン。
そんなゼンを、サリサがまた少し不機嫌そうに睨んでいた。
※
料理は、味付けた焼肉に、他の肉と合い挽きしたハンバーグのチーズ乗せ、牛骨を出汁に、アクを綺麗に取り、野菜と煮込んだスープを出した。
大好評だった。
食後のデザートに、牛乳にまだ大丈夫な鳥の卵を使い、砂糖少々の、甘さ控えめな牛乳プリンを作って出したら、神扱いされた。主にアリシアに。いいのか、神術使い……。
全て順調に終わったかに見えたのだが、寝る前にサリサが、戦術の事で相談があるから、と宣言してゼンとサリサ以外の全員はテントに入った。
アリシアが、何かニマニマしてるのを、サリサがお尻を蹴飛ばして、無理矢理テントに押し込んでいた。
そしてまた二人だ。
サリサがまた、念入りに不可視と遮音の結界を張っている。
なのに、すぐ何も話そうとはしない。不機嫌な顔を隠そうともせずに。
食事やプリンを食べていた時はニコニコしていたのに……。
とりあえず、何か機嫌を取った方が良さそうだ。そこで、師匠が言った言葉を思い出す。
<女なんてのはな、なんでか“秘密”を共有したがる。つまらねー事でも何でもいいから、これ、誰にも言ってない秘密の話だ。まだ誰にも言ってない、とか言って打ち明けてみると、コロっと機嫌が良くなる。これは俺の経験談だ>
等と言っていた。本当かな?嘘とか騙し、とかではなさそうだったが……。
(でも秘密なんて……あ、あの話があるか)
「サリサ、あのさ」
「……何よ」
「これ、誰にも、師匠にも話してない事なんだけど……」
と始めると、何故か興味あり気な様子になった。
「この師匠に貰った剣、一応俺にしか使えなくて、リュウさんも、剣に選ばれた訳だ、みたいな事言ってたけど、実際はそんな事ないんだよね」
「……どういう事」
ゼンはそこで、右手の手甲を外し、皮手袋も外して手の平を見せる。そこには赤く腫れ、火傷の様な痕があった。
「何、それ?どうして、そんな所を負傷してるの?」
そもそも怪我をしたらすぐアリシアが治癒する筈だ。
「この剣が、俺を認めてない証。時折ね、電気みたいな、熱い衝撃が、剣から出てるんだ。まだ駄目だ、まだ弱い、自分を扱うのはまだ早い、って言ってるみたいに、ね」
「……それ、痛くないの?」
「結構痛い。それに、魔物と対峙してる時もお構いなしに、気紛れにやられるから、戦闘にちゃんと集中出来ない。我慢してやってるけど」
サリサが自分も痛そうに眉をひそめる。
「そんな剣、使わない方がいいんじゃないの?代わりないの?」
「う~ん。別に代わりはポーチ内探せば、いくらでもあると思う。だけど、せっかく師匠に貰った剣だし、それに……」
「それに?」
「自分がまだ未熟だって、はっきり分かるのがいいから。使い続けていたら、その内に、俺をちゃんと認める様になるかもしれない。だから、これは今、師匠の代わりに俺を叱ってくれる指針なんだよ」
ゼンはしみじみと言う。
「……ふーん。そんな痛い剣、使い続けるのがいいんだ」
「いや、その言い方だと、俺が、痛いの好き、みたいに聞こえるんだけど」
「違うの?」
サリサが真顔で問う。
「違います。そんな特殊な趣味じゃないよ。なんか、打ち明けた俺が馬鹿みたいじゃないか……」
「……何でその秘密、私に聞かせたの?」
「え?あー。俺だけサリサの秘密知ってるのって、不公平でしょ?だから、これで五分五分って事にならない?」
「ふーん、成程。じゃあ、これは私と、二人だけの秘密なんだ」
「あ、うん。そうだよ」
話す前に、従魔達の方にも聞かれない様に遮断した。だから、正真正銘、二人だけの秘密になる。それ程大した話ではないが。リュウにも話そうかと思っていたぐらいだ。
「そう、なんだ。フフフ……」
何故か分からないが、サリサは上機嫌になって笑っている。師匠の言う通りだった。
(これは、もう誰にも話せなくなった、かな?)
言ってしまうと“二人だけの秘密”ではなくなってしまう。それにどんな意味があると言うのか、よく分からないのだが。
「じゃあ、それはそれとして、あんた、私達に何か隠してる、悩んでる事があるでしょう?死神(デスマスター)との戦いが終わった後辺りから」
「え?!なんで……」
「私も、あれから色々考えて、よく人を観察する事にしたの。あんたは、シアよりもよっぽど隠し事が上手いみたいだけど、それでも分かったの。伝わってきたの!」
今度は自分が見抜かれる対象になってしまったのか。
それでも驚いた。表面上は普通に、何でもない様にしていた筈なのだが……
「えーと、それは、これからの事色々、ね…」
「誤魔化さないで。何か、具体的な事で悩んでるでしょ!いつも一人で勝手に抱え込んで、ちゃんとこっちにも相談しなさいよ!」
ああ、そうか、これが不機嫌の原因だったのか、とゼンは思い当たって、困ってしまう。
「う、うん、まあ、相談した方がいい事、だね。確かに。考えても答え出ないし、まいったなぁ……」
ゼンが珍しく、困り果てて弱音を洩らす、珍しい表情をしている。
サリサはもっと普通に、困った事があれば相談して欲しいのに、と怒っている。こちらは年上なのだ。確かに旅で色々な経験を積んで来たとはいえ、力になれる事だってある筈だ、と思う。
「言ってみなさいよ。それとも、私達はそんなに頼りない?」
「いや、そういう話じゃないんだ。う~ん。じゃあ、言うよ」
ゼンはついに観念する。
「ここの迷宮(ダンジョン)の階層ボス、明らかにおかしいよね?」
「おかしい、って強過ぎるって事?私達は中級自体が初めてだから、こんな物かと思ってたけど」
「いやいや、雷大鹿(サンダー・ディア)はともかく、それ以降がまるで変なんだよ。エルダー・トレントにしろ、死神(デスマスター)にしろ、あんなの出ないし、そもそも宿り木がいたり、5体倒したのに、1体隠れてて、最後合体したりとか、あんなの聞いた事ないよ!」
ゼンは力説する。
「あんたがそう言うなら、おかしいんでしょうね。それで、なんでそんな階層ボスが出るの?」
「そこが、問題なんだ。本来そんな隠し要素なんて、ボス部屋ぐらいでしか起こらない筈なんだけど……。“あの”オークキングとか、覚えてるでしょ?」
「当然よ。あんな変なの忘れたくても忘れられない。あれ以来は、普通のでしか戦った事ないけど」
「俺もだよ。だからこその隠し要素と発動条件で、そうめったに起こる事じゃない筈なんだ」
「そうよね。でも、ああ、ここの変に強い階層ボスが、それに当たるかも、と思ってるのね」
「うん。でもないとおかしいんだ。大体、階層ボスで大金貨10枚も出るなら、誰もボスまで行かず、ずっとそこで狩りをするよ。……勝てれば、だけど」
「ああ、報酬が多過ぎるのもおかしいんだ。なるほどね。それで、だから何を悩んでるの?」
「……発動条件が、俺がいるせい、なのかもしれない、って……」
「え?なんでそうなるの?」
意外な事を言われ、サリサが戸惑う。
「それは、俺がスキルも持てない、異常者だから。それで、前のも……」
「なにそれ、ちょっと待って、そんな訳ないじゃない!」
「あ、いや、ごめん、その前に、まだ俺が隠してる事、言わせて」
「まだこの上隠し事?」
目じりが上がる。
「いや、怒らないで。これは、前に言ってた、パラケスのキューブの話だよ。ここが終わったら、みんなにも話す予定だった」
「ああ、あの話。で、あの話が何なの?」
そこでゼンは、サリサに魔術の知識があるからこその、簡略的にまとめた話で、魔石から従魔を再生する技術の話をした。
「……ふうむ。なんか途方もない話だけど、この際全部それが本当、として話を進めるわ。
つまり、魔石から従魔を得る、魔物使役術士(テイマー)とは別系統の技術があって、でもそれの所持限界数が4体なのに、あんたは7体いて、普通ではない、と」
「そう。明らかにおかしい、はっきり言ってしまえば異常者なんだ。もしも、迷宮(ダンジョン)が俺と言う、スキルもなく、従魔を大量に抱えた異常者に反応したのなら……」
昔からよくある、ゼンの自分を卑下した物言いに、サリサはカチンと来る。
「したのなら、何?あんたがいなければいいんだから、責任取るとか抜けるとか、まさかそんな馬鹿言ったりするつもりじゃないわよね?」
「……そこまでは言わないけど、今回は中止して、原因をちゃんと究明してからのがいいかもしれない。正直、ここまで変な迷宮(ダンジョン)、というか、階層ボスのみが変なのか。それをハッキリさせないと、ここから先も何が起こるか分からない」
肩を落としてゼンは言う。
「ふ-んふ-ん。私にはそこら辺、何がどうとか言えないけど、一つだけはっきり言えるから言うわ。
あんた、自分がスキル無しで多数の従魔持ちとか、御託並べてたけど、今まで一度も、そんな変なボスに出くわしていないなら、むしろ全然あんたが原因じゃないでしょーが!」
「え、あ、うん、で、でも……」
「でももへったくれもないわよ。むしろあるとしたらこっちでしょう!
シアとか、明らかに変だし、私だって、言いたかないけど変よ!学校でどれだけ言われたか!その上今は精霊王の加護持ちなのよ!あんたなんか問題にならないくらいの異常者よ!」
「いや、それは別に、異常とかじゃなくて、飛びぬけて優秀なだけで……」
「それを世間では異常者って言うのよ!大体、オークキングの時なんて、あんた安全地帯にいた部外者でしょ!あれに原因あるとしたら、私の雷撃のせいよ!
なーにが、スキル無しで従魔持ちの異常者よ!あんた、そういうのは、はっきり言って、“自意識過剰”って言うのよ!
何でもかんでも自分がー、自分がー、って抱え込もうとして!」
サリサはもう我慢がならない、とテンションが上がっていた。
「何でもかんでも自分一人で解決出来るとか、思い上がりもはなはだしいとか思わない訳?
従魔がいるから、それで色々出来る様になって、だから万能にでもなったの?勘違いもいい加減にしなさいよ!」
「はい、すと~っぷ!そこまでだよ~」
突然、その嵐の様な会話に割って入ったのは、誰あろうアリシアであった。おまけに、その後ろには麗しの精霊王(ユグドラシス)までもがいる。
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オマケ
ミ「あー、遮断ですの!秘密の話ですの!」
リ「主様の秘密の話、私も聞きたい……ポ」
セ「何か変な事考えてないですか?ぼ、ボク等は主に仕えるんですから、無用な詮索は……」
ガ「同意。女どもは、もっとひかえるべき……」
ゾ「そうそう。女に話せない事だってあるさ、な」
ミ「こいつ馬鹿ですの!今、主様、女に話してるですの!」
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