ミステリアス ツインズ 

千里志朗

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 ※


 ある日、隣りの空き屋敷に知らない家族が引っ越してきた。

 北欧の人だとかいう話で、銀髪の家族だった。

 特に、僕が一目で惹かれてしまったのは、その家の男女の双生児、天使の様に美しく愛らしい、双子の片割れだった。

 アレクセイとエカテリーナという名前だった。双子の姉弟。ちなみに、僕は風間正太。

 歳が、僕と同じで9歳だった事もあって、僕たち、3人はすぐに仲良くなって、一緒に遊ぶようになった。

 彼等は僕をショータと呼んだ。僕はアレクと略し、エカテリーナはリーナで(エカと略したら殴られた)。気軽に名前を呼び合う仲になった。

 鬼ごっこやかくれんぼ、縄跳び、おままごとも、子供の遊びは何でもやったりした。

 アレクは男の子だけでど、気弱で臆病で、リーナの後ろにすぐ隠れる様な、引っ込み思案の男の子だった。一方のリーナは、行動的で前向きで強気、お転婆な女の子だった。

 近所には歳の離れた子供ばかりだったので、僕等は否応なく、3人で一緒にずっと遊んでいた。僕は嫌じゃなく、当然嬉しかった。

 小学校では、残念ながら同じクラスにはなれなかったけど、外国人である彼等は、日本語が話せるのに、その外見からか周囲と上手く馴染めず、結局、僕たちは、放課後一緒に遊ぶのだった。


 それから数年後、僕等は中学生になった。

 その頃には、さすがにそれなりにそれぞれ馴染み、僕以外の友達も出来ていたけど、僕たちの交流が耐える事はなかった。

 思春期になったからって訳ではなかったのだけど、僕は一大決心をして、ついに告白をした。

 向こうも、凄く驚いていたけど、紅くなって頷いてくれた。両想いだったのだ!

 問題なのは、僕が好きになったのは、アレクの方だった事だ。

 顔が同じ双子なのに、僕が好きになったのは、同性の、男の子の方だったのだ。

 さすがに僕等も、これが普通じゃない事、世間の常識から外れている事は分かっていたので、内緒で秘密の関係だった。

 でも、告白して付き合いようになったその日に、リーナにはバレてしまった。

「やっぱりね~。ショータが初めから、アレクの事好きなの、私には分かっていたわよ!」

 アレクはリーナには、嘘が付けないのだけど、それ以前にリーナが僕の気持ちに気付いていた様だ。僕は、そんなに分かりやすかっただろうか?二人とは公平に、仲良く接していたつもりだったのに。

 ともかく、僕等は姉公認の仲になったのだけど、リーナがそれに対して、協力を持ちかけて来た。

 当然、それはありがたい事だったけど、問題はその内容だったのだ。

「ショータは、私とつき合っている事にすればいいのよ!」

 と高らかに宣言するのだ。

 確かに、対外的にはそうしておいた方が、無難で波風が立たないのは分かる。例えばデートの時なんかに、アレクにはリーナの服で女装してもらったりしたら、堂々とデートが出来る気がする。

 でも、リーナが申し出たのは、そんな単純な話じゃなかったのだ。

「二人で出かける時には、私の“身体”を使えばいいの!」

 僕は、全然リーナの言っている意味が分からなくて、しばらく凍り付いた。

「リ、リーナ姉さん、それじゃ、ショータは意味が分からないよ……」

 アレクのとりなしで、やっと詳しい説明を聞けたのだが、なんと二人は、“身体から心を入れ替える”事が出来るのだと言う。双子ならではの、不思議な特殊能力、とでも言うのだろうか。

 そこで僕は、昔やった遊びで、『双子当てゲーム』、というのを、よくやって遊んでいた事を思いだした。

 それは、リーナの長い髪を帽子で隠し、アレクも同様に髪を隠して、服も適当に、男女曖昧な服を着て、どちらがどちらかを当てるゲームだった。

 これは、双子の両親でも、当てる確率が低いのだと聞いたが、僕は、好きな人がどちらか、すぐに分かったので、最初の頃は、ほぼ百発百中で当てられたのだけど、何故か途中から、当てられなくなったのだ。

 どうも、その時この、“入れ替わり”の力を使っていたらしい。

 その事を問い詰めると、

「バレちゃった?」

 とリーナは可愛く笑って舌を出す。

 双子の天使が実は、片一方は小悪魔だった事は、付き合いの長い僕は勿論知っていた。それで色々振り回された事があるのだから。

 二人は、僕の目の前で、額を合わせて、“入れ替わり”する所を見せてくれた。

 得意気な顔をする、アレクの身体のリーナと、リーナの身体で紅い顔をしてモジモジしているアレクは、その纏(まと)う雰囲気で、演技ではなく、本当に“入れ替わ”ったのだと僕には分かった。

 ともかく、僕は表向きは、リーナとつき合う事にした、として振る舞う事になったのだ。

 リーナは女の子だし、これで何の問題もない、と考えたのは、この綺麗な双子たちと、間近で付き合いの長い僕の感覚が麻痺していただけで、学年が進み、年を取るごとに、問題になって行った。

 何故なら、リーナは明るく可愛く、運動も得意で、とにかく目立つ、学校のアイドル的存在、になっていったからだ。

 一方のアレクは、引っ込み思案で読書好き、運動は苦手でその綺麗な顔を前髪で隠し、無口で不愛想(なのではなく、単に不器用なだけだった)で、余り目立たない存在だった。

 この対称的な双子の、僕は姉の方と、中学に上がってからすぐにつき合い始めていたのだ。(実際は違うのだけど)

 周囲の嫉妬や妬みはひどく、男子からは嫌がらせや脅迫まがいの事までされた。あげく、上の学年の人に呼び出されて、別れろ、と迫られた事さえあったのだ。

 こういうのは、何故かすぐにリーナが嗅ぎつけて、その場にやって来て、当の本人から抗議されるのだから、相手は泣く泣く諦めざるを得ないのだった。

 こうして公立の中学時代は、そんな揉め事が多発したので、リーナは高校を私立女子高の、それなりにお嬢様学校な所を受験して見事受かり、そちらに通う事になった。

 僕とアレクは、二人の成績から検討して、無理のない中くらいの成績で受かった公立の高校に、二人一緒に通う事になった。

 と言っても、学校ではさすがにイチャイチャ、ラブラブ出来ないので、親友として、表面上は普通に学生生活を過ごした。

 帰宅して、お互いの部屋でなら、恋人同士として、それなりにイチャイチャ出来た。お互い下も上も兄弟がいなかったので、自宅は親さえ気をつければ大丈夫なのだ。

 でも、休日や遠出のデートでは、また二人が額を合わせて、リーナの身体を借りて、相変わらず“入れ替わり”の恋人同士をやっていた。

 ところで、この“入れ替わり”状態を始めるにあたって、僕はリーナに、行動の上限を尋ねた。

 それはつまり、恋人として、当然してしまう行動、手を繋ぐ、から始まって、抱き締める、とかキスとかドンドンと過激にエスカレートしていくアレ等の、諸々の事だ。

 いくら表向きの恋人同士とは言え、中の心はアレクでも、ただリーナの身体を使っているだけなのだから、さすがにして欲しくない事もあるだろう、と尋ねたのだけど、

「?別に、何でもすればいいじゃない。上限なんてないわよ」

 と、平然と言われてしまった。

 僕はつまり、これは僕の常識を信頼してくれて、全面的に任せる、と言ってくれたのだろう、と理解した。幼馴染の絶対の信頼、嬉しいけど、責任重大だ。

 だから、キスとか、ちょっとエッチな行為とかは、二人きりの自室で、と自重してたのだけど、高校に上がってからのデートでは、何故かアレクが時々、急に積極的になって、しなだれかかって来たり、自分から抱き着いて来たりするので、僕もつい応じてしまい、その場の勢いで、キスとか、胸とかあちこちを触ったりしてしまった。

 さすがに悪いと思い、後日、覚悟を決めてリーナに謝ったのだけど、

「はあ?別に、何をしてもいいって言ったでしょ。いちいち断らなくてもいいわよ。それとも、そんなに自分達の熱愛ぶりをアピールしたいの?」

 と、逆に紅い顔で怒られてしまった。

 それで僕等は、普段、部屋の中でも、外でデート中でも、余り変わらずに、恋人同士な事をするようになった。

 ところで、僕の、二人を完全に見分けられる特技は、高校に入った辺りから、かなり怪しくなってしまった。

 何故か部屋で一緒にいるアレクが、突然リーナみたいに思えたり、デート中のアレクが、それまでアレクだったのに、急にリーナっぽく感じたりするのだ。

 リーナと会って、アレクみたいに感じる事もある。

 元々双子だし、性格以外は仲が良く、食べ物の嗜好も似ていたりするのだ。見分けるのが難しいのは仕方ない。僕は、この事を余り深く考えない事にした。


 ※


 それから、僕等は学部は違うけど、同じ大学に通うようになり、その頃には家を出て、3人一緒の部屋で暮らすようになっていた。

 本当は、僕とアレクの二人暮らし、リーナは独り暮らしの予定だったのだけど、リーナの両親が反対して、家を出るなら、アレクと一緒に、と条件を出されてしまったのだ。

 なので、3人暮らしだ。

 僕とリーナは、親にも恋人同士、と告げてあるのに、これも隣り同士の幼馴染としての信頼で、3人ならいいだろう、とお互いの両親は納得し合っていた。

 僕としては、どちらにしろ、恋人と一緒の生活ではあったので、特に反対とかはしなかった。

 相変わらず、僕らは対外的に、リーナが恋人で、アレクはその弟で、親友という見せかけの関係を続けていた。

 その事で、罪悪感や後ろめたさがない訳じゃないのだけれど……。

 それでもやっぱり、今の世の中では、こういう関係は、普通に受け入れられはしないし、その事で、関係ないところからゴチャゴチャ言われたくもなかった。

 だから、この関係を無事に続けられる要因となった、リーナの“入れ替わり”提案は、きっと僕らが恋人同士でいられた、最上の方法だったのだろう。

 だから僕らは3人の生活を仲良く、それなりに快適に暮らせた。

 大学に入ってから、何故かアレクがスポーツを始めるようになった。余り人見知りせず、明るく振る舞うようにも。

 そして、それに合わせるみたいに、リーナが読書等のインドアに目覚めた。

 二人は、お互いに得意だった事を教え合って、何だか子供の頃に戻ったように仲睦まじくなって、蚊帳の外な僕は、少し嫉妬とかしていた。

 それでも、恋人として僕も、大会とかで、本気で順位を競うのではなく、ただ楽しむ系のテニスサークルに一緒に入って、素人ならではの、ゆるいサークル活動を楽しめた。

 休日は三人でテニスを一緒にしたりもした。

 僕等は、三人でまた、子供の頃に戻ったみたいに仲良く遊ぶようになっていた。

 ところで、僕とアレクの恋人関係は、全て順調、とは行かなかった。

 つまり、最後の一線で、本とかで事前知識を仕入れていはしたものの、どうしてもアレクの痛そうな素振りに、僕が躊躇してしまい、いわゆる肉体関係にまでは至っていなかったのだ。


 それを、アレクはリーナに相談していたらしく、リーナからまたとんでもない提案が出された。

 三人で住んでいる2LDKのマンションの居間で、夕飯の後で、急にその話が出された。

「私の身体で練習すればいいのよ!」

 僕はまた、いつぞやの様に動きが凍り付いてしまった。

 ……リーナが言うには、まず普通にそういう機能のある、女性の身体で実技を覚えて、何回か試してからなら、男同士のやり方の練習にもなって、そちらでも出来る様になるだろう、と言い出したのだ。

 僕としては流石に、リーナの身体の時でもアレクと、あんな事やそんな事までしていたとは言え、最後までは当然していなかったし、やろうと思ってもいなかった。

「リーナは、……経験があるのかい?」

 聞きにくい話だが、はっきりさせなきゃいけない。

「ある訳ないでしょ。そんな暇、なかったんだから」

 あっけらかん、とリーナは言う。

 愚問だった。リーナは僕と、恋人という事に、表向きはなっていて、ほとんどの休みは、アレクに身体を貸してくれていたのだ。

 大学に入ってからも、相変わらずモテてはいたが、“恋人”がいるのだから、応じて等いないのだ。

「で、でもさ。それだったら、初めてはその、せめて好きな人と、て思うのが普通だろ?僕となんかじゃ……」

「あら?私は、ショータの事、好きよ。だから別に、処女でなくなる相手がショータなら、むしろ願ったり叶ったりよ」

 ……リーナはサラリと、とんでもない告白をしてくれた。

 いきなり過ぎて、僕は眩暈がした。と、言うか、先程から、なんだから身体が熱い。顔も火照っている。急にこんな話を聞いたせいなのか?

「通販の薬、効いたみたいね」

「普通の3倍入れたけど、大丈夫なのかな……」

 なんだか、双子が不穏な会話をしていた。

「く、薬って、なんのと事……?」

 動悸、息切れ、眩暈、って、まさか毒とか……。

「媚薬ってやつよ。アマゾンの奥地で、原住民族が使っていた、とか書いてたわ。多分、ちょっとした興奮剤みたいな物でしょ」

 どうも、アレクはリーナと相談して、最初から強行するつもりだったみたいだ。この場合、アレクが?それともリーナが?

 どちらでも、同じな気がして来た……。

 二人は、立つのさえ億劫な僕を、二人がかりで立ち上がらせて、リーナの部屋、ベッドのある私室に運んだ。

 僕とアレクの部屋は、部屋が狭くなるので、家具としてのベッドは入れず、布団を並べて敷いて寝ていた。

 二人は僕をベッドに押しやると、また入れ替わりの、額合わせをやってから、リーナの身体になったアレクが、部屋の電灯を常夜灯の灯かりに変えて、部屋着をしずしずと脱ぎだした。

「ちょっと、待って……よ」

 僕は、薬のせいで興奮してしまっているのだけど、こんな形でやるべきじゃないだろう、と理性をフル動員して、二人を止めようとするのだけど、二人とも全然聞いてくれない。

 アレクの身体になったリーナは、しかもその様子を、ワクワクした、興味本位な顔で、ベッド脇に座り込んでいるのだ。

「ま、さか、リーナ、そのまま見学するつもりなんじゃ……?」

「あら。私の記念すべき、処女喪失の瞬間なんだから、それを見守る権利くらいあるでしょ?」

 むちゃくちゃだ。

 僕は抗議しようと思ったけど、その頃にはすでに一糸まとわぬ裸になった、リーナなアレクが僕に覆い被さって来て……。

 ……その後の記憶は、とにかく曖昧模糊として、僕の記憶は判然としない物になった。

 3倍食事に混ぜたという媚薬のせいなのだろう。

 僕はもう、興奮して訳が分からなくなってしまった。

 自分の身体の下で、初めての痛みに涙しているのが、アレクのようにも感じるし、リーナの様にも感じる。

 そんな、夢想じみた、幻想的な、正気を失ってしまった僕は、獣の様になって、一晩中暴れ回った、とか翌日の二人は言っていた。

 その日は、疲労と傷みとで、リーナは大学を休みにした。

 僕とアレクは、改めて二人で、大学に行く道すがら、話し合った。

「……あんな不意打ちはひどいよ」

「ごめんね、ショータ。でも、姉さんとも相談していて、ショータは多分、応じないだろうから、って……」

 アレクは、本当にすまなそうな顔をして謝ってくれるので、僕はその顔に弱い。

「……リーナの気持ち、一体いつから……。アレクは知っていたの?」

「うん。だって、僕と姉さんは、好きになるものが同じだから。出会った時から、僕たちは、ショータの事が好きで、それは姉さんも一緒だよ」

「じゃあ、“入れ替わり”を提案したのも」

「うん。ショータが好きだからに決まっているじゃないか」

 アレクはにこにこと、罪のない笑顔で答えてくれる。

 全然知らなかった。嫌、気付かないフリをしてたのだろうか?幼馴染だから、仲の良い、友情だと思っていたけど、それだけで、男の身体になって、休日なんかを、全部潰したりなんて、出来る訳がないんだ。

 そこに、弟への協力をする姉弟愛以上のものがあると、気付いてしかるべきだったのに、僕は、自分の都合のいい事にしか目を向けていなかったんだ。

 今になって、そんな事に気が付くなんて、鈍感過ぎるだろう……。

「そんな顔しないでよ、ショータ。姉さんは別に、自分を犠牲にしていたとか、そんな事はないんだよ」

「そうかな……」

「そうだよ!僕等が求めているのは、僕等二人を愛して欲しいだけで、姉さんは喜んで、今までやってくれていたんだよ。ショータは姉さんが嫌い?」

「嫌いな訳ないだろ。それだったら、いくらアレクの心が入っていても、楽しくデートなんて出来ないよ」

「なら、今までのままで、大丈夫だよ」

 なんて言われたけど、今までのままでいい訳、ないと思うんだけど……。


 それから、『練習』を何回かした後で、アレクとは自室で、無事結ばれる事が出来た。

 アレクは、

「良かった。僕の身体でも、ショータを受け入れる事が出来て……」

 と、痛みじゃない喜びの涙を流してくれた。

 それから、僕等は大学を卒業して、僕は叔父の口利きで、中堅の貿易会社に何とか就職出来た。アレクは、趣味でやっていたネットでの小説が賞を取り、自宅で小説家をする事になった。

 リーナは、僕が就職をして、三か月後に、結婚をする事になった。勿論、僕と。

 僕は、婿入りじゃないけど、部屋が余っているから、と実家の隣りの屋敷に住む事になった。当然、アレクは一緒に住んでいる。

 結婚式の前に、二人は額を合わせて、“入れ替わり”をして、僕はアレクなリーナと結婚して、新婚旅行には、アレク達の祖父母の住む北欧の国へ行った。

 飛行機に乗った時、リーナは高所恐怖症なのだけど、アレクは平気で、だから窓際の席を選び、ご機嫌で景色を眺めていた。

 それから、電車に乗り継いで、祖父母の国までたどり着いたのだけど、僕は旅の疲れでグッタリしているのに、アレクは元気で、鼻歌を歌いながら、タクシー乗り場まで歩いていた。

 外国なのに、全然人見知りせず、言葉が話せるからもあるのだけど、タクシーの運転手と堂々と値段交渉していたりもした。

「……前々から思っていたんだけど、あの“入れ替わり”って、実は額を合わせなくても、距離とかも関係なく、出来るんだよね、リーナ」

 ボクが、タクシーの座席で、運転手には日本語が分からない筈だけど、小声でささやくと、昔の様に、バレた、と悪戯っ子の様な顔をして、リーナが笑っていた。

 多分、今までもデートでの最中も、入れ代わり立ち代わり、“入れ替わ”っていたのだ。

 アレクが、今まで通りでいい、とは、そういう意味だったのだ。

 

 ―――そうして、僕は双子と結婚して、一生振り回される事になったのだった……。


 Happy End

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