192 / 203
ラブラブハッピー番外編
ロナウジーニョ氏と社長の話01
しおりを挟む
「……はっ!」
ジーニョ――否、ロナウジーニョ氏はトイレの個室で覚醒した。目の前のドアを、何者かがドンドンと乱暴に叩いている。
「おい、おっさん! ロナウジーニョ、死んでるんじゃねーだろうな、オイ!!」
カトーだ。記憶が混乱している。ロナウジーニョ氏は追い立てられるように個室を出た。職場のトイレだ。床の白いタイルが照明を反射している。手洗い場の鏡と向かい合って、氏は立ちすくんだ。
チョコレート色の肌に、着古したグレーのスーツ。苦み走った皺が眉間に寄っている。短く刈り上げてもチリチリと丸まろうとするキンキーヘアも。自分で設定したアバターとは似ても似つかない姿がそこにあった。
「……なんだ? 寝ぼけてんのか、おっさん」
「カトー、か……?」
「んぁ?」
大陸全土に名を馳せた冒険者協会会長の面影はみじんもない。生意気そうな少年が、頭の後ろで手を組む。
「ったく。疲れてんなら仮眠室で寝ろよ」
「ああ……」
「うお、気持ち悪い。いやに素直だな」
単に聞いていなかっただけだ。洗面台に手をついて考え込む氏に呆れて、カトーはトイレを出て行った。一人になった氏は蛇口の前に手を出した。温水が出る。手が濡れる。その感触がある。現実としか思えない。
(……だが、そのはずはない。星が滅ぶXデイはすでに到来した。俺はノァズァークに乗り、あのゲーム世界の中に入った)
ロナウジーニョ氏は記憶を整理しつつバシャバシャと顔を洗った。ポケットにはイニシャル入りのハンカチが入っている。当時の習慣そのままだ。(記憶をもとにして構築された幻覚に違いない)と氏は考えた。
(おれはずっと社員『ジーニョ』として働いていたんだ。美しい妖精族のお嬢さんと、間抜けな牛女と知り合って……あの二人が世界を救うのを助けた)
濡れた顔を拭き、ため息をつく。元職場にいるせいか、思い返すすべての記憶を荒唐無稽な夢のように感じる。だが、夢はむしろ今いる世界のほうだ。
(俺は後始末のためにポップルへ向かった。そこではミノタウロス族を筆頭に、研究所に捕らわれていた種族が暴動を起こしていた――)
だんだんと記憶が蘇ってきた。ロナウジーニョ氏は、鏡の中の自分を睨みつけた。まったく、ひどい悪夢の中へ迷い込んだものだ。ロナウジーニョは――否、ジーニョは一刻も早く目覚めなければならない。
◇◇◇
リリィが卵を抱いている。それを知ったジーニョは揺籃の作成にとりかかった。
孵卵器を兼ねた揺りかごのことだ。本来、妖精族は隠れ里にある清い泉でのみ産卵ができる設定だった。ところが戦争のために隠れ里が破壊されてしまった。産卵できる泉を求め、また種族としての能力を強化するため、妖精族はレベルアップに邁進し――結果、絶滅への道を歩むこととなった。
リリィが生を受けたのは、母とその母たちが数世代をかけて試行錯誤を積み重ねた結果だろう。社員として、ジーニョはリリィにそんな苦労をかけさせたくなかった。思い返せば戦中、戦後とろくな働きができなかった。せめて生き残った彼女の産卵を助けたいと思ったのである。
新しいクメミ山で、ジーニョは揺籃の設計に集中した。ゴズメルとリリィが体力を回復し、設計図が仕上がった頃、三人はアルティカへ出発した。素材はその道のりで集める。現物の作成には設備の整った工房が必要だが、意外なことにゴズメルにはそのアテがあると言った。
「アルティカに魔道具屋をやってる友達がいるんだ。ミックっていうんだけど、すごくいいヤツでさ。事情を話せば店の工房を貸してくれると思う」
ガサツなゴズメルの知り合いというのがひっかかったが、今は信じるほかなかった。世界アップデートで鐵刑の塔を消され、工房どころか寝床も何もかも失った。最終目的地はポップル。先を急ぐ旅だ。工房探しの時間を短縮できるのならそれに越したことはない。
アルティカはひなびた町だった。ゴズメルに紹介された魔道具屋というのも、ちんけな骨董品屋で、ジーニョは辟易した。
友達とは言うがしょせんは店と客の間柄だ。おまけにゴズメルは数か月前まで指名手配を受けていたのである。そんな相手から紹介を受けて、みずしらずの老人に工房を貸すわけがない。
が、ミックは「利用料を払ってくれればかまわない」と言った。なるほど、がめつい男らしかった。おまけになれなれしい。作業中にちょくちょく「じいさん、少しは休んだほうがいいんじゃないか」などと声をかけられてジーニョはイラついた。揺籃が仕上がった時にはホッとした。なんとか情が沸く前にやり遂げた。
社員を長く続けていればわかるが、一般プレイヤーというのは実にあっさりと死ぬ。ゲーム世界で、違う時間の流れを生きているプレイヤーと親しくなっていいことなどひとつもない。リリィのような例外は何百年かに一人で十分だ。
揺籃を託した時もミックは「さすがにじいさん一人で遠出は厳しいんじゃないか?」と、引き留めてきた。ジーニョの半分も生きていないくせに「あんたが受けた仕事なんだから、あんたがゴズメルに渡すべきだ」と生意気な口を利く。
ジーニョは聞く耳持たずに旅立った。アルティカはまったく嫌な町である。緑が多く、ひとびとは明るくて穏やか。ポップルでの騒ぎも遠い国の出来事かのようだ。うかうか長居したらこっちの頭まで平和ボケしてしまう。
神殿から神殿へ。システムに侵入し、人目につかない程度にショートカットを繰り返す。クメミ山という未開の地では使えなかった手段だ。まったく快適な移動だった。卵を抱いたリリィを心配する必要もなく、ゴズメルの間抜けな声に煩わされることもない。快適すぎてやや物足りなさを感じたのは、やはり、アルティカに毒されたということだろう。
が、快適な移動もポップルのシステムに弾かれるまでだった。ジーニョは忌々しい気分で端末を閉じた。これまでは道々に設置されたアジリニ神の像を利用していたが、セキュリティが厳しくなっている。ハッキングにカンづいた社員が対策したのか。あるいは――。
ポップルの高層建築群は遠目にもくっきりと見えた。戦後、社員が強制力を最大限に用い、極度に発展させた電脳都市だ。(社長が見たらがっかりするだろうか)と、ジーニョは想像した。
かのひとが愛した宗教的聖典には、高い高い塔の物語がある。おごりたかぶった人間は神に逆らって塔を築いた。神はこれに怒って塔を打ち砕き、人類の共用語をばらばらにしてしまったそうだ。
しかし社長ならば、ノァズァーク世界の発展を喜びそうでもある。気に食わないと思っているのは、ジーニョが都市計画に参加できなかったからかもしれない。それも塔に軟禁されてのことだった。
ジーニョ――否、ロナウジーニョ氏はトイレの個室で覚醒した。目の前のドアを、何者かがドンドンと乱暴に叩いている。
「おい、おっさん! ロナウジーニョ、死んでるんじゃねーだろうな、オイ!!」
カトーだ。記憶が混乱している。ロナウジーニョ氏は追い立てられるように個室を出た。職場のトイレだ。床の白いタイルが照明を反射している。手洗い場の鏡と向かい合って、氏は立ちすくんだ。
チョコレート色の肌に、着古したグレーのスーツ。苦み走った皺が眉間に寄っている。短く刈り上げてもチリチリと丸まろうとするキンキーヘアも。自分で設定したアバターとは似ても似つかない姿がそこにあった。
「……なんだ? 寝ぼけてんのか、おっさん」
「カトー、か……?」
「んぁ?」
大陸全土に名を馳せた冒険者協会会長の面影はみじんもない。生意気そうな少年が、頭の後ろで手を組む。
「ったく。疲れてんなら仮眠室で寝ろよ」
「ああ……」
「うお、気持ち悪い。いやに素直だな」
単に聞いていなかっただけだ。洗面台に手をついて考え込む氏に呆れて、カトーはトイレを出て行った。一人になった氏は蛇口の前に手を出した。温水が出る。手が濡れる。その感触がある。現実としか思えない。
(……だが、そのはずはない。星が滅ぶXデイはすでに到来した。俺はノァズァークに乗り、あのゲーム世界の中に入った)
ロナウジーニョ氏は記憶を整理しつつバシャバシャと顔を洗った。ポケットにはイニシャル入りのハンカチが入っている。当時の習慣そのままだ。(記憶をもとにして構築された幻覚に違いない)と氏は考えた。
(おれはずっと社員『ジーニョ』として働いていたんだ。美しい妖精族のお嬢さんと、間抜けな牛女と知り合って……あの二人が世界を救うのを助けた)
濡れた顔を拭き、ため息をつく。元職場にいるせいか、思い返すすべての記憶を荒唐無稽な夢のように感じる。だが、夢はむしろ今いる世界のほうだ。
(俺は後始末のためにポップルへ向かった。そこではミノタウロス族を筆頭に、研究所に捕らわれていた種族が暴動を起こしていた――)
だんだんと記憶が蘇ってきた。ロナウジーニョ氏は、鏡の中の自分を睨みつけた。まったく、ひどい悪夢の中へ迷い込んだものだ。ロナウジーニョは――否、ジーニョは一刻も早く目覚めなければならない。
◇◇◇
リリィが卵を抱いている。それを知ったジーニョは揺籃の作成にとりかかった。
孵卵器を兼ねた揺りかごのことだ。本来、妖精族は隠れ里にある清い泉でのみ産卵ができる設定だった。ところが戦争のために隠れ里が破壊されてしまった。産卵できる泉を求め、また種族としての能力を強化するため、妖精族はレベルアップに邁進し――結果、絶滅への道を歩むこととなった。
リリィが生を受けたのは、母とその母たちが数世代をかけて試行錯誤を積み重ねた結果だろう。社員として、ジーニョはリリィにそんな苦労をかけさせたくなかった。思い返せば戦中、戦後とろくな働きができなかった。せめて生き残った彼女の産卵を助けたいと思ったのである。
新しいクメミ山で、ジーニョは揺籃の設計に集中した。ゴズメルとリリィが体力を回復し、設計図が仕上がった頃、三人はアルティカへ出発した。素材はその道のりで集める。現物の作成には設備の整った工房が必要だが、意外なことにゴズメルにはそのアテがあると言った。
「アルティカに魔道具屋をやってる友達がいるんだ。ミックっていうんだけど、すごくいいヤツでさ。事情を話せば店の工房を貸してくれると思う」
ガサツなゴズメルの知り合いというのがひっかかったが、今は信じるほかなかった。世界アップデートで鐵刑の塔を消され、工房どころか寝床も何もかも失った。最終目的地はポップル。先を急ぐ旅だ。工房探しの時間を短縮できるのならそれに越したことはない。
アルティカはひなびた町だった。ゴズメルに紹介された魔道具屋というのも、ちんけな骨董品屋で、ジーニョは辟易した。
友達とは言うがしょせんは店と客の間柄だ。おまけにゴズメルは数か月前まで指名手配を受けていたのである。そんな相手から紹介を受けて、みずしらずの老人に工房を貸すわけがない。
が、ミックは「利用料を払ってくれればかまわない」と言った。なるほど、がめつい男らしかった。おまけになれなれしい。作業中にちょくちょく「じいさん、少しは休んだほうがいいんじゃないか」などと声をかけられてジーニョはイラついた。揺籃が仕上がった時にはホッとした。なんとか情が沸く前にやり遂げた。
社員を長く続けていればわかるが、一般プレイヤーというのは実にあっさりと死ぬ。ゲーム世界で、違う時間の流れを生きているプレイヤーと親しくなっていいことなどひとつもない。リリィのような例外は何百年かに一人で十分だ。
揺籃を託した時もミックは「さすがにじいさん一人で遠出は厳しいんじゃないか?」と、引き留めてきた。ジーニョの半分も生きていないくせに「あんたが受けた仕事なんだから、あんたがゴズメルに渡すべきだ」と生意気な口を利く。
ジーニョは聞く耳持たずに旅立った。アルティカはまったく嫌な町である。緑が多く、ひとびとは明るくて穏やか。ポップルでの騒ぎも遠い国の出来事かのようだ。うかうか長居したらこっちの頭まで平和ボケしてしまう。
神殿から神殿へ。システムに侵入し、人目につかない程度にショートカットを繰り返す。クメミ山という未開の地では使えなかった手段だ。まったく快適な移動だった。卵を抱いたリリィを心配する必要もなく、ゴズメルの間抜けな声に煩わされることもない。快適すぎてやや物足りなさを感じたのは、やはり、アルティカに毒されたということだろう。
が、快適な移動もポップルのシステムに弾かれるまでだった。ジーニョは忌々しい気分で端末を閉じた。これまでは道々に設置されたアジリニ神の像を利用していたが、セキュリティが厳しくなっている。ハッキングにカンづいた社員が対策したのか。あるいは――。
ポップルの高層建築群は遠目にもくっきりと見えた。戦後、社員が強制力を最大限に用い、極度に発展させた電脳都市だ。(社長が見たらがっかりするだろうか)と、ジーニョは想像した。
かのひとが愛した宗教的聖典には、高い高い塔の物語がある。おごりたかぶった人間は神に逆らって塔を築いた。神はこれに怒って塔を打ち砕き、人類の共用語をばらばらにしてしまったそうだ。
しかし社長ならば、ノァズァーク世界の発展を喜びそうでもある。気に食わないと思っているのは、ジーニョが都市計画に参加できなかったからかもしれない。それも塔に軟禁されてのことだった。
10
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
白雪様とふたりぐらし
南條 綾
恋愛
高校1年生の紫微綾は、生きることに疲れ、雪の山で自らの命を終えようとしたその瞬間――
美しい御小女郎姿の少女・白雪が現れ、優しく彼女を救う。
白雪は実は古の仏神・ダキニ天の化身。暇つぶしに人間界に降りた彼女は、綾に「一緒に暮らそう」と提案し……?
銀髪の少女と神様の、甘く温かなふたりぐらしが始まる。
【注意事項】
本作はフィクションです。
実在の人物・団体・宗教・儀礼・場所・出来事とは一切関係ありません。 作中で登場する神仏や信仰に関する表現は、物語の雰囲気づくりを目的とした創作によるものであり、特定の宗教や思想を推進・否定する意図は一切ございません。
純粋なエンターテイメントとしてお楽しみいただければ幸いです。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
さくらと遥香(ショートストーリー)
youmery
恋愛
「さくらと遥香」46時間TV編で両想いになり、周りには内緒で付き合い始めたさくちゃんとかっきー。
その後のメインストーリーとはあまり関係してこない、単発で読めるショートストーリー集です。
※さくちゃん目線です。
※さくちゃんとかっきーは周りに内緒で付き合っています。メンバーにも事務所にも秘密にしています。
※メインストーリーの長編「さくらと遥香」を未読でも楽しめますが、46時間TV編だけでも読んでからお読みいただくことをおすすめします。
※ショートストーリーはpixivでもほぼ同内容で公開中です。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
さくらと遥香
youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。
さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。
◆あらすじ
さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。
さくらは"さくちゃん"、
遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。
同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。
ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。
同期、仲間、戦友、コンビ。
2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。
そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。
イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。
配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。
さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。
2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。
遥香の力になりたいさくらは、
「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」
と申し出る。
そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて…
◆章構成と主な展開
・46時間TV編[完結]
(初キス、告白、両想い)
・付き合い始めた2人編[完結]
(交際スタート、グループ内での距離感の変化)
・かっきー1st写真集編[完結]
(少し大人なキス、肌と肌の触れ合い)
・お泊まり温泉旅行編[完結]
(お風呂、もう少し大人な関係へ)
・かっきー2回目のセンター編[完結]
(かっきーの誕生日お祝い)
・飛鳥さん卒コン編[完結]
(大好きな先輩に2人の関係を伝える)
・さくら1st写真集編[完結]
(お風呂で♡♡)
・Wセンター編[完結]
(支え合う2人)
※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる