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第2章 魔法のお菓子は甘くない?
第10話 タイムリミット
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「アラメリゼ、そろそろお腹が空いてきちゃったみたい」
とっくにマジックにも飽きちゃったし、エクレアを食べたせいか余計にお腹が空いてきちゃった。だから、もう、我慢できない。
「だから、そろそろおやつの時間にしない?」
と、笑い話し掛けると。
「えっ、おやつですか! やったーっ!」
と、疲れてきたからか、何も知らないフィーが飛び跳ねるぐらいに喜んで。
「……!」
反対に勘のいい白うさぎはアラメリゼの考えを悟ったのか目を見開いて、毛並みを震わせ絶望していた。
そんな反応にお腹がぺこぺこになってくる。舌なめずりをしちゃいそうになる。
ああ、食べちゃいたい。この二人で作ったふわふわとろとろの、マジシャンと白うさぎで作ったショートケーキ……!!
「だから最後に一つ、さっきお願いした大きなマジックをやってみせてよ」
「はい! 分かりました!!!」
その言葉に張り切ったフィーが、今日で一番元気な返事をする。
「は、はい……」
反対にアラメリゼの言葉にぴくっと耳を立てて反応した白うさぎが、今日で一番暗い返事をする。
確か最初は……この二人が、生意気にもアラメリゼの人気を奪おうとしてたから、こらしめようとしていたんだっけ?
でも、そんなのもう、どうでもいい。そんなこと、おいしいお菓子になってアラメリゼを楽しませてくれたら、許してあげる。忘れてあげるの。
――何だかんだで、楽しかったわ、フィーとシロップ。
楽しませてくれた後は、アラメリゼがちゃんと、食べてあげるからね。
マジシャンのスポンジと、白うさぎのクリームはどんなハーモニーを奏でるのかしら?
アラメリゼの様な高貴なお姫様に食べられて、きっと、きっと、きっと幸せでしょう?
うずうずして、にやけちゃいそうになるのが止まらない。甘い甘いケーキ、ケーキ、ケーキ、ケーキ、くくくくくっ……!!!
クリームの様に甘い想像が、スポンジみたいに膨らんで膨らんで膨らんで、止まらない。
「おっきマジック……とっても凄いマジックにしたいね、シロップ!」
ちらっと様子を見れば、フィーは運命を何にも分かってない明るい表情でシロップに話し掛けてる。お菓子に変えてやったらどんなに慌ててくれるんだろう。案外、浮き浮きと食べて!ってねだってきたりして。
「は、はい……お、大きな……」
反対にシロップは運命を全て悟ってる表情で、頷くことが精一杯で。ふふっ、そろそろ食べられる覚悟を決めたんじゃない? 安心して、ちゃんと食べてあげるからね。
それきり、二人の会話は途切れて。準備する余裕なんて無かった。
いや。だって、そもそも――。
――最後のマジックなんて、嘘。
本当はマジックなんて、させてあげない。
くうっ……って、小さく、アラメリゼのお腹が鳴る。
だって。だってもう、我慢できないんだもん。
最後のマジックを見る前に。飽きちゃった、つまんないって言って、ケーキに変えてあげるんだ。最後のチャンスなんて、あげるわけないもん。
だって、悲しみが、苦しみが、絶望が強くなればなるほど、甘くなる。裏切られて、希望が絶たれた瞬間が一番、お菓子は甘い甘いお砂糖の味になる。アラメリゼの魔法は、そんな魔法だ。
そして。変えた後は。
フィーとシロップが戸惑いながら嫌がるところを、泣きそうになりながら助けを求めるところを、戻してってお願いするところを、どうしよっかなって言葉で希望を抱くところを、戻してあげないって言われて絶望するところを、ぷるぷる震えて逃げようとするところを、捕まって口元まで運ばれるところを、アラメリゼの舌でとかされるところを、心までお菓子になっちゃうところを、ごっくんって、呑み込まれちゃうところを――。
ぞくっ。
想像するだけで、体が熱くなってくる。こんなの世界中で、アラメリゼにしか味わえない楽しみだ。魔女っ子を、獣人をケーキにできるなんて、こんなこと……アラメリゼの魔法にしかできないんだ!
くうう――。
と、合図の様に、アラメリゼのお腹が、自分しか聞こえないぐらいの小さな音でもう一回鳴る。
くくくっ……!
もう我慢できない!
フィーとシロップの甘々ケーキ、食べちゃおっと!
アラメリゼはくいっと、星空の手袋を引っ張って。それから後ろ手で素早く魔法のステッキを手に取って立ち上がる。それから、フィーとシロップの前に立ちはだかった。
フィーをふわふわのスポンジに。
シロップを甘々のクリームに。
二人合わせて、ショートケーキになっちゃえ!
指先に集まった魔力がステッキの先から、ピンク色のもこもこになって二人に向かう。
「えっ、あれっ?!」
「あ、アラメリゼさま――」
今まさにマジックをしようと手を繋いでいたシロップとフィーが、きょとんとする。
そして。
ぽんっ!
と、アラメリゼのお菓子化魔法がはじける!
そして部屋中が、ピンク色の煙に包まれた。
とっくにマジックにも飽きちゃったし、エクレアを食べたせいか余計にお腹が空いてきちゃった。だから、もう、我慢できない。
「だから、そろそろおやつの時間にしない?」
と、笑い話し掛けると。
「えっ、おやつですか! やったーっ!」
と、疲れてきたからか、何も知らないフィーが飛び跳ねるぐらいに喜んで。
「……!」
反対に勘のいい白うさぎはアラメリゼの考えを悟ったのか目を見開いて、毛並みを震わせ絶望していた。
そんな反応にお腹がぺこぺこになってくる。舌なめずりをしちゃいそうになる。
ああ、食べちゃいたい。この二人で作ったふわふわとろとろの、マジシャンと白うさぎで作ったショートケーキ……!!
「だから最後に一つ、さっきお願いした大きなマジックをやってみせてよ」
「はい! 分かりました!!!」
その言葉に張り切ったフィーが、今日で一番元気な返事をする。
「は、はい……」
反対にアラメリゼの言葉にぴくっと耳を立てて反応した白うさぎが、今日で一番暗い返事をする。
確か最初は……この二人が、生意気にもアラメリゼの人気を奪おうとしてたから、こらしめようとしていたんだっけ?
でも、そんなのもう、どうでもいい。そんなこと、おいしいお菓子になってアラメリゼを楽しませてくれたら、許してあげる。忘れてあげるの。
――何だかんだで、楽しかったわ、フィーとシロップ。
楽しませてくれた後は、アラメリゼがちゃんと、食べてあげるからね。
マジシャンのスポンジと、白うさぎのクリームはどんなハーモニーを奏でるのかしら?
アラメリゼの様な高貴なお姫様に食べられて、きっと、きっと、きっと幸せでしょう?
うずうずして、にやけちゃいそうになるのが止まらない。甘い甘いケーキ、ケーキ、ケーキ、ケーキ、くくくくくっ……!!!
クリームの様に甘い想像が、スポンジみたいに膨らんで膨らんで膨らんで、止まらない。
「おっきマジック……とっても凄いマジックにしたいね、シロップ!」
ちらっと様子を見れば、フィーは運命を何にも分かってない明るい表情でシロップに話し掛けてる。お菓子に変えてやったらどんなに慌ててくれるんだろう。案外、浮き浮きと食べて!ってねだってきたりして。
「は、はい……お、大きな……」
反対にシロップは運命を全て悟ってる表情で、頷くことが精一杯で。ふふっ、そろそろ食べられる覚悟を決めたんじゃない? 安心して、ちゃんと食べてあげるからね。
それきり、二人の会話は途切れて。準備する余裕なんて無かった。
いや。だって、そもそも――。
――最後のマジックなんて、嘘。
本当はマジックなんて、させてあげない。
くうっ……って、小さく、アラメリゼのお腹が鳴る。
だって。だってもう、我慢できないんだもん。
最後のマジックを見る前に。飽きちゃった、つまんないって言って、ケーキに変えてあげるんだ。最後のチャンスなんて、あげるわけないもん。
だって、悲しみが、苦しみが、絶望が強くなればなるほど、甘くなる。裏切られて、希望が絶たれた瞬間が一番、お菓子は甘い甘いお砂糖の味になる。アラメリゼの魔法は、そんな魔法だ。
そして。変えた後は。
フィーとシロップが戸惑いながら嫌がるところを、泣きそうになりながら助けを求めるところを、戻してってお願いするところを、どうしよっかなって言葉で希望を抱くところを、戻してあげないって言われて絶望するところを、ぷるぷる震えて逃げようとするところを、捕まって口元まで運ばれるところを、アラメリゼの舌でとかされるところを、心までお菓子になっちゃうところを、ごっくんって、呑み込まれちゃうところを――。
ぞくっ。
想像するだけで、体が熱くなってくる。こんなの世界中で、アラメリゼにしか味わえない楽しみだ。魔女っ子を、獣人をケーキにできるなんて、こんなこと……アラメリゼの魔法にしかできないんだ!
くうう――。
と、合図の様に、アラメリゼのお腹が、自分しか聞こえないぐらいの小さな音でもう一回鳴る。
くくくっ……!
もう我慢できない!
フィーとシロップの甘々ケーキ、食べちゃおっと!
アラメリゼはくいっと、星空の手袋を引っ張って。それから後ろ手で素早く魔法のステッキを手に取って立ち上がる。それから、フィーとシロップの前に立ちはだかった。
フィーをふわふわのスポンジに。
シロップを甘々のクリームに。
二人合わせて、ショートケーキになっちゃえ!
指先に集まった魔力がステッキの先から、ピンク色のもこもこになって二人に向かう。
「えっ、あれっ?!」
「あ、アラメリゼさま――」
今まさにマジックをしようと手を繋いでいたシロップとフィーが、きょとんとする。
そして。
ぽんっ!
と、アラメリゼのお菓子化魔法がはじける!
そして部屋中が、ピンク色の煙に包まれた。
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