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1章
29話
「……え? ノア? なんでここに……」
絞り出した声は、自分でも驚くほど弱々しく、掠れていた。ゆっくりと振り返ったノアが駆け寄ってきた。
「……ごめん。遅くなった」
そっと優しく僕を抱き起すと、魔力封じの鎖に触れる。それだけで鎖自体が一瞬で消失した。
礼を言おうと開いた口に、ノアがそっと人差し指を当てる。
「口から血が出てる。痛いだろ? 無理にしゃべらなくていい」
そう言うと、右頬に優しく手を添えた。オレンジの瞳は泣きそうに歪められている。ノアのほうが痛そうだと思った。
「かわいそうに。こんなに腫れて……おまえのことを殴った奴は殺す」
ノアはゆっくり身体を離すと、警戒した目で周囲を見回しながら立ち上がった。
僕に向けて手をかざすと、身体が薄青い球体のようなもので覆われる。
「簡易的だが結界を張った。そこでじっとしている限り、誰もルカに触れることはできないから安心してくれ……後でゆっくり話そう」
頷くと、ノアは少しだけ笑う。すぐに伸びていた男たちは徐々に意識を取り戻し、一人、またひとりと立ち上がる。彼らに向き直ったノアの眼差しはついさっきまでとは一変し、獰猛な光を放っていた。
「クソ……よくもやってくれたな、テメェ」
眼帯の男が右肩を押さえながら立ち上がった。
「おまえら、こいつを殺せ!」
その声を合図に襲撃者たちがノアを取り囲んで襲いかかる。だが次の瞬間、ノアの周囲がカッと強い光を放ち、男たちが手にしていた武器はすべて宙を舞った。
長弓や魔力封じの鎖、手りゅう弾や銃は地面に落下することなく空中でぴたりと動きを止める。かと思ったら次の瞬間にはすべての武器があっという間に収縮してゴルフボール大の鉄くずや木片と化してしまった。
「な、なんだァ、コイツ……!」
「嘘だろ⁉ 武器が全部、ゴミくずになっちまったじゃねえか‼」
男たちが口々に悲鳴のような叫び声をあげる。
「こんなことで怯むな! 相手は一人だぞ‼ 武器がねえなら拳で戦え!」
及び腰になる男たちを眼帯の男が叱咤する。その声で彼らは我に返ると、拳を振り上げてルカに向かっていく。
だが、一人、またひとりとノアに触れることができない。まるで透明な壁に阻まれているかのようだ。ノアはゆっくり彼らを見回すと、冷たい笑みを浮かべる。
「ところでルカを殴ったのは、どいつだ?」
「ルカ? あのクソガキのことか」
僕を殴った男が一歩前に出る。ノアの瞳がゆっくりと細められた。
「おまえか?」
男が「そうだ」と告げたと同時に、轟音とともに男の身体は湖の向こう側まで吹っ飛ぶと、木の幹に激突した。
よほど強い力で叩きつけられたのか、幹は折れて男の叫び声が聞こえてきた。途端にノアを取り囲んでいた他の男たちは青ざめる。
「安心しろ。殺してはいない。そんなにラクに殺してやるわけがないだろう。それは地獄の苦しみをあじあわせた後だ――さあ、次は誰の番だ」
楽しげなノアの姿に、男たちは一歩、また一歩と後ずさる。その様子を眺めながら、ノアは肩を竦めた。
「おいおい。逃げるつもりか? そんなこと許されるはずがないだろう。かかってこないなら、俺から行くぞ」
次の瞬間、一人、またひとりと男たちが倒れていく。ノアの動きはまるで疾風のようで、何が起きているのかわからない。僕は半ば呆然としてその様子を見つめていた。
最後に残ったのは眼帯の男だ。ノアと男は数メートルの距離で睨み合う。
「おまえがブラックホーンの首領——ガイウス・レインヴォルフだな。レインヴォルフ伯爵家の令息だった男が、ずいぶん転落したものだな」
ノアが低く唸ると、男は口の片端を上げた。
「よくご存じで。そういうあんたは……これはこれは。そういうことでしたか」
ガイウスは軽く目を瞠って、面白そうに笑った。
「俺の魔力は変身です。一度対面すれば、その者の姿を完璧に模すことができます。それともう一つ、魔法による他人の変装も見破ることができるんですよ……殿下」
(殿下? どういうこと?)
殿下という呼称は王族に対するものだ。なぜフルールの貴族であるノアをそんな風に呼ぶのだろう。
「……くだらん話は後だ。今はおまえをぶっ飛ばす」
ノアの声が怒気を孕んだ低い声が静寂の中に響く。オレンジの瞳が獲物を射抜くように光った。
「この森はおまえのような人間が踏み入っていい場所じゃない」
ノアは短く告げ、腰に佩いだ金色のサーベルを抜いて構える。同時にガイウスも背中に背負っていた真っ黒な槍を抜いた。
「殿下が剣で勝負してくださるとは。恐悦至極に存じます」
言葉は丁寧だが煽るような声音に、ノアは表情を変えることなくため息を吐いた。
「レインヴォルフ伯爵は素晴らしい方だが……どうやら子育てだけは失敗したとみえる」
その瞬間、ガイウスの顔が夜目でもわかるくらい真っ赤に染まる。
「黙れ! おまえのような甘い理想主義者がいるから、世界はいつまでも変わらないんだ! 魔法動物は人間と共生するのではなく、使役されるために存在しているのだ!」
言い終わると同時に、ガイウスがノアに身体ごとぶつかっていく。ノアは槍の突きを刃の腹で軽々と弾き返した。
「この土地は人間だけのものじゃない。そんなこともわからないのか」
ノ言いながらノアの剣がガイウスの左肩をかすめる。火花が飛び散り、金属のぶつかる音がする。二人の影が闇に溶けては浮かび上がる。
気がつくと僕は力いっぱい叫んでいた。
「ノア‼ 負けないで‼」
ほんの一瞬だけノアがこっちを振り返る。そうしていつものように、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
ガイウスが再びノアに向かって槍を投げる。だがノアが手をかざすと槍は方向を変えてガイウスへと向かっていく。
「なぜだ! 魔力がかかっているはずなのに‼」
焦った叫び声を上げたガイウスの腹に、槍の穂先ではなく柄の部分が思いきりぶつかる。ガイウスはカエルが潰れたような声を上げて地面に倒れた。
よろよろろ起き上がった喉元に、ノアが刃先を突き付ける。
「これで終わりだ。二度と俺の大切な者たちを傷つけさせない」
ガイウスは低く笑ったが、その瞳にはもう諦めが滲んでいた。地面に両手をつき、静かに降伏の姿勢を取る。
(終わった……んだよね?)
僕は無意識に詰めていた息をホッと吐いた。だが次の瞬間、遠くからかすかに聞こえてくる蹄の音に耳を澄ます。
そのとはどんどん近づいてきて、やがて湖の向こうに見慣れたユニコーンが姿を現した。
ミーシャは湖面の上を滑るように歩いて僕めがけてやってくる。
(もしかして、さっきの僕の叫び声に反応しちゃったのかな)
ミーシャが僕の側までやってきた瞬間、伏せていたガイウスが突然起き上がって、ミーシャ目がけて槍を投げつけた。
「ミーシャ‼ 危ないっ‼」
言葉と同時に、身体が動いていた。不思議と迷も恐れもばく、僕は槍の軌道に身を投げ出していた。
絞り出した声は、自分でも驚くほど弱々しく、掠れていた。ゆっくりと振り返ったノアが駆け寄ってきた。
「……ごめん。遅くなった」
そっと優しく僕を抱き起すと、魔力封じの鎖に触れる。それだけで鎖自体が一瞬で消失した。
礼を言おうと開いた口に、ノアがそっと人差し指を当てる。
「口から血が出てる。痛いだろ? 無理にしゃべらなくていい」
そう言うと、右頬に優しく手を添えた。オレンジの瞳は泣きそうに歪められている。ノアのほうが痛そうだと思った。
「かわいそうに。こんなに腫れて……おまえのことを殴った奴は殺す」
ノアはゆっくり身体を離すと、警戒した目で周囲を見回しながら立ち上がった。
僕に向けて手をかざすと、身体が薄青い球体のようなもので覆われる。
「簡易的だが結界を張った。そこでじっとしている限り、誰もルカに触れることはできないから安心してくれ……後でゆっくり話そう」
頷くと、ノアは少しだけ笑う。すぐに伸びていた男たちは徐々に意識を取り戻し、一人、またひとりと立ち上がる。彼らに向き直ったノアの眼差しはついさっきまでとは一変し、獰猛な光を放っていた。
「クソ……よくもやってくれたな、テメェ」
眼帯の男が右肩を押さえながら立ち上がった。
「おまえら、こいつを殺せ!」
その声を合図に襲撃者たちがノアを取り囲んで襲いかかる。だが次の瞬間、ノアの周囲がカッと強い光を放ち、男たちが手にしていた武器はすべて宙を舞った。
長弓や魔力封じの鎖、手りゅう弾や銃は地面に落下することなく空中でぴたりと動きを止める。かと思ったら次の瞬間にはすべての武器があっという間に収縮してゴルフボール大の鉄くずや木片と化してしまった。
「な、なんだァ、コイツ……!」
「嘘だろ⁉ 武器が全部、ゴミくずになっちまったじゃねえか‼」
男たちが口々に悲鳴のような叫び声をあげる。
「こんなことで怯むな! 相手は一人だぞ‼ 武器がねえなら拳で戦え!」
及び腰になる男たちを眼帯の男が叱咤する。その声で彼らは我に返ると、拳を振り上げてルカに向かっていく。
だが、一人、またひとりとノアに触れることができない。まるで透明な壁に阻まれているかのようだ。ノアはゆっくり彼らを見回すと、冷たい笑みを浮かべる。
「ところでルカを殴ったのは、どいつだ?」
「ルカ? あのクソガキのことか」
僕を殴った男が一歩前に出る。ノアの瞳がゆっくりと細められた。
「おまえか?」
男が「そうだ」と告げたと同時に、轟音とともに男の身体は湖の向こう側まで吹っ飛ぶと、木の幹に激突した。
よほど強い力で叩きつけられたのか、幹は折れて男の叫び声が聞こえてきた。途端にノアを取り囲んでいた他の男たちは青ざめる。
「安心しろ。殺してはいない。そんなにラクに殺してやるわけがないだろう。それは地獄の苦しみをあじあわせた後だ――さあ、次は誰の番だ」
楽しげなノアの姿に、男たちは一歩、また一歩と後ずさる。その様子を眺めながら、ノアは肩を竦めた。
「おいおい。逃げるつもりか? そんなこと許されるはずがないだろう。かかってこないなら、俺から行くぞ」
次の瞬間、一人、またひとりと男たちが倒れていく。ノアの動きはまるで疾風のようで、何が起きているのかわからない。僕は半ば呆然としてその様子を見つめていた。
最後に残ったのは眼帯の男だ。ノアと男は数メートルの距離で睨み合う。
「おまえがブラックホーンの首領——ガイウス・レインヴォルフだな。レインヴォルフ伯爵家の令息だった男が、ずいぶん転落したものだな」
ノアが低く唸ると、男は口の片端を上げた。
「よくご存じで。そういうあんたは……これはこれは。そういうことでしたか」
ガイウスは軽く目を瞠って、面白そうに笑った。
「俺の魔力は変身です。一度対面すれば、その者の姿を完璧に模すことができます。それともう一つ、魔法による他人の変装も見破ることができるんですよ……殿下」
(殿下? どういうこと?)
殿下という呼称は王族に対するものだ。なぜフルールの貴族であるノアをそんな風に呼ぶのだろう。
「……くだらん話は後だ。今はおまえをぶっ飛ばす」
ノアの声が怒気を孕んだ低い声が静寂の中に響く。オレンジの瞳が獲物を射抜くように光った。
「この森はおまえのような人間が踏み入っていい場所じゃない」
ノアは短く告げ、腰に佩いだ金色のサーベルを抜いて構える。同時にガイウスも背中に背負っていた真っ黒な槍を抜いた。
「殿下が剣で勝負してくださるとは。恐悦至極に存じます」
言葉は丁寧だが煽るような声音に、ノアは表情を変えることなくため息を吐いた。
「レインヴォルフ伯爵は素晴らしい方だが……どうやら子育てだけは失敗したとみえる」
その瞬間、ガイウスの顔が夜目でもわかるくらい真っ赤に染まる。
「黙れ! おまえのような甘い理想主義者がいるから、世界はいつまでも変わらないんだ! 魔法動物は人間と共生するのではなく、使役されるために存在しているのだ!」
言い終わると同時に、ガイウスがノアに身体ごとぶつかっていく。ノアは槍の突きを刃の腹で軽々と弾き返した。
「この土地は人間だけのものじゃない。そんなこともわからないのか」
ノ言いながらノアの剣がガイウスの左肩をかすめる。火花が飛び散り、金属のぶつかる音がする。二人の影が闇に溶けては浮かび上がる。
気がつくと僕は力いっぱい叫んでいた。
「ノア‼ 負けないで‼」
ほんの一瞬だけノアがこっちを振り返る。そうしていつものように、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
ガイウスが再びノアに向かって槍を投げる。だがノアが手をかざすと槍は方向を変えてガイウスへと向かっていく。
「なぜだ! 魔力がかかっているはずなのに‼」
焦った叫び声を上げたガイウスの腹に、槍の穂先ではなく柄の部分が思いきりぶつかる。ガイウスはカエルが潰れたような声を上げて地面に倒れた。
よろよろろ起き上がった喉元に、ノアが刃先を突き付ける。
「これで終わりだ。二度と俺の大切な者たちを傷つけさせない」
ガイウスは低く笑ったが、その瞳にはもう諦めが滲んでいた。地面に両手をつき、静かに降伏の姿勢を取る。
(終わった……んだよね?)
僕は無意識に詰めていた息をホッと吐いた。だが次の瞬間、遠くからかすかに聞こえてくる蹄の音に耳を澄ます。
そのとはどんどん近づいてきて、やがて湖の向こうに見慣れたユニコーンが姿を現した。
ミーシャは湖面の上を滑るように歩いて僕めがけてやってくる。
(もしかして、さっきの僕の叫び声に反応しちゃったのかな)
ミーシャが僕の側までやってきた瞬間、伏せていたガイウスが突然起き上がって、ミーシャ目がけて槍を投げつけた。
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