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運命の嵐に翻弄される二人≪古里羅≫【1】
しおりを挟む言葉を発することを憚るような重苦しい空間と化した部屋に、時を刻む音だけがやけに大きく響く。
話があると言われてリビングに居るのに、目の前に座る両親は厳しい表情を見せるだけで一向に用件を言い出さずにいる。
全くもう!何だって言うのよ!さっさと言ってよね!
そろそろこの空気に耐えられなくなりそうだけど、いつもと様子が違う両親に食って掛かるのも躊躇ってしまう。ーーそれやったら絶対ママが鬼になる。でも、この感じからして、怒るために呼んだとしか思えないし、食って掛かろうが掛からなかろうが怒られるのよね。…じゃあさっさと済ませるために言っちゃっていいよね?
「…お前は親元を離れ、今まで何をしていた。」
「は?何をって…、学校に通ってるじゃない。え、…まさか寮に入るため家を出たの忘れたとか言わないよね?ボケちゃったの?パパ」
「聞いてるのはそんなことじゃない。…お前は何をやってるんだ?」
意味が分からなくてママを見る。
「ねぇママ、パパどうしちゃったの?」
ママは私に厳しい目を向けた後ため息を吐く。
「いつまでお前は惚ける気だ!」
ビクッー
「急に怒鳴らないでよ!びっくりするじゃない!」
何なのよ!もう!
「…これを観なさい。」
そう言って再生された映像は、私と支配者の甘い日常だった。
「ちょっ、何これ!?どうしてこんな映像があるの!?恥ずかしいーッ!」
好きな人とのイチャイチャ映像を親と見るとか何なのこの罰ゲーム!!改めて彼と私の様子を見せられると羞恥心がものすごい!
「今問題にしてるのは映像の有り無しじゃない!お前の行いが問題だと分からないのか!」
「怒鳴らないでって言ってるでしょ!私の何が問題なの!?私だってもう年頃なの!好きな人だって出来るわよ!好きな人と仲良くして何が悪いのよ!そういう相手が居るってことを黙ってたのはちょっと悪かったかなって思うけど、そのうち言おうと思ってたの!」
パパが怒鳴るから、ついついこっちも怒鳴ってしまう。
こんなことで怒るとか過保護過ぎでしょ!いい加減子離れしてもらわなきゃ、支配者と結婚する時に困ったことになりそう。
「…それ、本気で言ってるの?」
真剣な表情でママが言う。
「私たち真剣に想い合ってるの。お互いが必要なの。彼ね、すっごく素敵な人だから、会えば絶対パパもママも気に入るわ!」
過保護な二人を安心させるように笑顔で言ったのに、二人は何故か信じられないものを見るような目で私を見た。
「まさかここまでだったとはな…。これ以上やらかして人様に迷惑かける前にーーいや、既に最悪なところまでやらかしているが、お前は転校させることにする。」
「何言ってるの!?嫌よ!転校なんてしないから!ママからも何か言ってよ!」
「話は終わったから部屋に行きなさい。」
必死に言い募ったけど、いくら泣いてもわめいても、それきり二人は黙ったまま私を見ようともしなかった。
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