ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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大事なこと

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薔薇を型どった上品なフィナンシェの、バターの良い香りを楽しみながら味わう。

紅茶が欲しくて、葛城を呼ぼうとしてハッとなる。

ああ、葛城は側に居ないのだと。

今頃葛城は何処で何をしているのだろうか。誰かの為に紅茶を入れているのだろうか。

葛城の紅茶を飲んでるかもしれない誰かにちょっとジェラシー。


そんな気持ちを誤魔化すようにペットボトルの紅茶を飲み、ピスタチオのフィナンシェをいくつか食べ、メープル香るマロンフィナンシェをいくつか食べ、ショコラフィナンシェを手に取る。

ココアと焦がしバターのとても良い香り。


心行くまでフィナンシェを食べてから、気分転換を兼ね干し芋を食べる。

私はしっとり柔らか干し芋派なので、しっとり柔らか干し芋を食べる。


干し芋一袋食べ、二袋目に──良く考えたら、干し芋を大量に食べるのは控えた方がよかったかもしれない。


流石に食べながら溜まったガスを出すのはダメだろう。乙女的に。

でも、私だけならダメだが、一緒にいる人物もおならをする状況なら?

三原君にソッと干し芋を差し出す。


「間に合ってます。」


お断りされた。三原君的に、長年連れ添った夫婦が互いを気にせず屁をこき合うようなスタンスは許容出来ないようだ。

いつまでも新婚気分でフレッシュな二人派ですね分かります。


干し芋をもっと食べたかったが諦めよう。さよなら干し芋。こんにちはギモーヴ。


ギモーヴはフルーツ果汁を使ってるから、すごく美味しそうな匂いがする。

ブルーベリーをいくつか食べ、苺、アプリコット、白桃──それぞれ好きなだけ食べる。


そろそろ甘い物以外が欲しくなったので、カレーパンをいくつかモグモグ。

流石カレーパンが有名なパン屋だけあり、良い仕事してらっしゃる。



「それって昼飯?」

「・・・・・・」

三原君の斜め後ろの男子が問いかけてきたが、口に入ったまま喋るわけにはいかないので、そのまま咀嚼してたら三原君が代わりに答えた。

「間食だよ。」
「間食!?」


何やら教室がザワザワしている。──もしや自習中に物を食べるなど言語道断とかだろうか。真面目か。


話しかけてきた男子の名前は──杉林だったか


「若林だよ!?誰だよ杉林って。林しかあってないよね?わざと?ねぇわざと!?」

どうやら口に出して言ってたらしい。

「・・・・・・・・・・・・もちろんわざとだよ?」

「名前覚えてもらえてなかった・・・」

「そんなことより一言いいだろうか。」

「クラスメートの名前を覚えてないことは、そんなことよりで流しちゃダメなことだけど。」


三原君の突っ込みは置いておくとして。

平林だか松林だか雑木林だかに、今は間食の重要性を説くことの方が大事である。大声で間食!?とか言ったところを見ると、間食否定派に違いない。ならばこの先の私の間食ライフをつつがなく行う為に、間食否定派を説得しなければならない。


「血糖値のもとになるのはブドウ糖で、ブドウ糖は脳の働きを活発にする物質で、空腹のままで我慢して頑張るより、ちょっと何か食べた方が効率をあげられるんだよ。だから私は間食する派です。」


違う。気になったのはそこじゃない。


クラスメートの心はこの時ひとつになったのだった。


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