ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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カーテンを開けると、そこは薄明かるい部屋。


正面に小さめの棚と、ホテル等の部屋にあるような冷蔵庫っぽい物が見える。



棚の方へ近付くと周りが良く見えてきた。


左手の角に置かれた観葉植物、壁にはめ込まれたテレビ。右手の角に置かれた照明器具の後ろはカーテンが引かれている。



照明器具の前には数名が座れるソファとテーブルがあり、ソファには眠ってるらしい人影が………ん?……人影!?え、人!?


一気に心臓が早鐘のようになる。


やややややっぱり拉致監禁だったの!?あたし犯罪に巻き込まれたの!?



世界は崩壊してなくて良かったけど、拉致監禁だったら全然良くない状態じゃないの!



どどどどどうしよう!

そ、そうだ!で、出口、出口は!?急いで出口の場所をーって落ち着けあたし!


これが拉致監禁だったら、ドアの向こうに見張りが居るかもしれないじゃないの!


人影が動かないってことは、眠っていてあたしに気付いてないってことよ。

取り敢えずソファの人物を観察して、テーブルに部屋の鍵がないか確かめよう。


そろーりそろりと人影に近付けば、ソファに眠る人物は、すごく若そうだった。


とても拉致監禁なんてするように見えない、あどけない寝顔。あたしより大分年下っぽい。


黒幕が別に居て、この少年はあたしの監視ってことかもしれないよね…。


淡いライトに照らされた顔は、よく見るとすごく整った顔立ちをしてる。


眠れる王子様。


そんな言葉が似合う。



ボケッと眺めてたら少年が目覚め、チラリとこっちを見た後、身体を起こしスイッチを押す。

途端、部屋全体が明るくなった。


少年の、纏う色が良く分かる。


漆黒の髪と紅玉の瞳。

左胸に落書きっぽい柄が刺繍された白いシャツに、濃紺のハーフパンツを履き、パンツと同系色のソックスという格好をしてる。


ん?…黒い髪に赤い目………あれ?どっかで見た気が…


「どうしました?」
「あ。」


変な女の子に渡された人形に、この少年、なんか似てる気が。



その瞬間、ベッド以前の記憶が甦る。



あたしは藁にもすがる思いで、渡された人形を掲げ、『助けてエロい人』と言った。何が起きるかなんて、これっぽっちも想像出来ずに。

だってもう、心は千々に乱れ、こうするしかないって強迫観念めいたものに従うしかないと思った。

そしたら人形の頭がパカッと四つに裂け…


「うぎゃああああああーーーーーー!!」


ふっと意識が遠退き



「うわっ、あっぶなっ」



いつの間にか側に居た少年に抱き止められ、重たいあたしを支えられるとか力あるなと、どうでも良いことを思いながら意識を手放した。
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