ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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今私は、俗に言うキレやすい若者ーー若者?まだギリギリ若者っぽい人に絡まれてます。


「ホント何なの!?なんか喋ってるだけかと思って放っておけば、完全にこっちの会話に被せておかしなこと言ってるわよね!アンタのせいで台無しだわ!」


別に被せてはいない。言い掛かりにも程がある。偶々見知らぬ人々の口と私の台詞が一致してしまっただけです。

人影疎らな駅で、いかにも『私、ヒロインだし?』的空気醸した人の主人公気取りウゼェという気持ちが溢れた結果ではない。

だというのに言い掛かり。これが俗に言う被害妄想というやつですね。



「やっぱりトキメキの方が良かったんじゃない?煌めきと響き似てるし、お揃い感出るし。」


そうだったのか。宝玉の方が高級感出るかと思ったんだけど、言われてみれば煌めきを用いるならトキメキが良かったかもしれない。

そういうことでキレられてるなら仕方ない。ここは素直に非を認めるべきだろう。

「トキメキを選ばず台無しにして申し訳ない。」

「そうそう分かればっーて違うから!そうじゃなっ…く…て…、あ、そう!そうなのよ!女子としてはトキメキが大事なのよ!トキメキ、トキメキなのよ!因みに今すごくトキメキが!」


灘流の顔面偏差値の高さに今気づいたようだ。

そして速攻灘流の手を握る。

「これぞトキメキ!」
「…雪姉」

淳さんとやらが無表情になってますよ。

「私雪江って言うの。ねぇ、君は何て名前?お姉さんすっごく名前知りたいな。君いくつ?すごく綺麗な顔ね。これほどの美少年見たことないわ。君のこと女子が放っておかないでしょ?放っておくはずないわ!後数年したら色気も相当なものになって更にモテること請け合いよ!これ以上モテちゃうのよ!どうする!?」

「どうもしないです。あの、いい加減手を放し」

「いやーんクール!そこがまた良い!モテることを鼻に掛けないとこが良い!そうよね、女子なんて選び放題ヤり放題で不自由したことない君が、更に選び放題になったところでどうかするわけないわよね!ああ、神様ありがとう。まだ色気駄々漏れ系男子になる前に逢わせてくれて。まだ大丈夫、今ならまだ私の大人の魅力で落とせるはず。小娘の身体しか知らない今なら、大人の熟練した技で夢中にさせてみせる!」


灘流の美貌を前に堂々と落とせる宣言出来るとか、なんという自信家。

これが大人の余裕というものなんですね。そんな貴女の熟練した技とやらを、是非詳しく知りたい。


「君の周りに居るのって、煩くまとわりついたり、騒いだりする女子ばかりでしょ?」


甘いもの食べたい。

「中には強引にデートを強請る子も居るんでしょうね。分不相応に。」

チラッと向けられた目には悪意が見える。ーー途端灘流の機嫌が急降下していくのを肌で感じた。


今日はもうお店探索は無理な模様。


決めた、ピザ食べよう。


ピアスに触れー

ー《デザピ》
ーー《りょ》

これで良し。


「いい迷惑よね、そういう子。その点年上は「手を放せって言ったんだけど、俺の言葉が解らないの?」

「え、あー」

冷ややかな灘流の声で、雪姉とやらは、やっと手を放した。


「喜村さん家、今度でいい?」
「いいよ。」

灘流が私の手を握り

「じゃあね、おばさん。」

目が笑ってない笑顔で言ってから転移した。




因みに淳さんとやらは、大人うんぬん辺りでフェードアウトなさりました。
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