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其の弐 桃日絆希と篠懸才児のケース
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「篠懸さん! ちょっと来て下さい!!」
ティーカップを洗っていると、少女が大きな声を俺を呼んだ。
「ちょっと待て。直ぐに行く」
「早く! 早く!」
少女は興奮気味に俺を急かす。さっきまで大人しかったのに一体何だ? 気になった俺は、洗い物もそこそこに少女の方に向かった。
「ここです! この記事を見てください!」
少女が俺に見せたのは、同じく未解決の不審死事件についての記事だった。男子高校生五人が何者かに殺害されたと書かれている。新聞の切り抜きには、犠牲者達の生前の写真が載っている。
「これが、どうかしたのか?」
「私…この人たちを知っているんです」
「どういう知り合いだ?」
少女は少しためらった後、こう言った。
「この人たちです。私を暴行したのは」
「何っ!?」
「しかも、この事件があったのは想代香が死んだ二日前です!」
「おい、ちょっと待て。お前はこの事件と、白粉想代香の事件に関係性がある、と。そう言いたいのか?」
少女は力強く頷く。俺は部屋の隅に置いていたホワイトボードを引っ張り出すと、少女にその事件のことを読み上げさせた。白粉想代香という女の子、男子高校生達、そして桃日絆希。この三者の関係性をホワイトボードに書きなぐっていく。
そうして、形になっていく図式を見て思う。似ている。関係性はやや異なるが、以前俺が関わった"ある夫妻"の不審死事件の時に作った図式と、あまりによく似ている。ホワイトボードに文字を書きながら、少女にいくつか確認を取る。
「お前、男子高校生に暴行された事、その友達に話したか?」
「は、はい! 話しました」
「その話を聞いた時、その子はどんな様子だった?!」
「凄く怒っていました。絶対に許せないって、私がなだめても全然ダメで、何度もそう言っていました」
やっぱりな。これで図式が完成した。ここから読み取れる事は、白粉想代香という女の子は、俺の依頼主である桃日絆希を暴行した男子高校生達を憎んでいた。その男子高校生達は、原因不明の事件に巻き込まれ、死亡。その後すぐにその子も事件に巻き込まれ亡くなった、という事だ。そして、俺が出くわしたあの夫婦の事件。まず奥さんは俺から旦那が浮気しているかもしれないという情報を聞き、夫を恨んだ。その後すぐ旦那は事件に巻き込まれて死亡。数日後には奥さんも遺体となって発見された。偶然にしては、あまりにも状況が似通り過ぎている。しかも、その全ての事件で犯人や凶器はまだ見つかっていないときた。
俺がホワイトボードの前で唸っていると、少女が声をかけてきた。
「篠懸さん、何か分かったんですか?」
「いや、少し前にも似たような事があったんだ。ここに書いた関係性は、その時と酷似している。この事件を未解決にしているのは、やはりここだ」
俺は各々の名前を頂点にした三角形の真ん中に大きく丸を描く。
「その丸の中には何が入るんですか?」
「問題はそこだ。この丸の中に入るものこそが、この事件の真相だと俺は思う。だから、そこから手をつけていくのが正しい道のりだと思う」
「ふむふむ...。つまり、何をすればいいんですか?」
「先ずは聞き込みだな。この被害者達の関係者に聞き込みをして情報を集めるんだ。どんな些細なものでもいい。彼・彼女らが死ぬ前に何を考え、何を見たのか。それが分かれば真相に近づくはずだ」
「は、はい!」
「よし。この作業は手分けをしてやった方が効率がいい。俺は男子高校生の方を当たってみる。お前は、友達の方を当たってみろ」
「分かりました!」
少女と連絡先を交換し、いつでもやり取りが出来る様にすると、少女は事務所を飛び出していった。俺に依頼をふっかけてきた時といい、行動力だけは目を見張るものがあるヤツだ。
しかし、いつまでも少女、と呼ぶのは不便だな。次会った時に何か呼び名でも考えようかな。
さて、気を取り直して………俺の方はもう少し情報を集めよう。机の引き出しから車のキーを取り出すと、愛車を停めている駐車場へと向かった。
ティーカップを洗っていると、少女が大きな声を俺を呼んだ。
「ちょっと待て。直ぐに行く」
「早く! 早く!」
少女は興奮気味に俺を急かす。さっきまで大人しかったのに一体何だ? 気になった俺は、洗い物もそこそこに少女の方に向かった。
「ここです! この記事を見てください!」
少女が俺に見せたのは、同じく未解決の不審死事件についての記事だった。男子高校生五人が何者かに殺害されたと書かれている。新聞の切り抜きには、犠牲者達の生前の写真が載っている。
「これが、どうかしたのか?」
「私…この人たちを知っているんです」
「どういう知り合いだ?」
少女は少しためらった後、こう言った。
「この人たちです。私を暴行したのは」
「何っ!?」
「しかも、この事件があったのは想代香が死んだ二日前です!」
「おい、ちょっと待て。お前はこの事件と、白粉想代香の事件に関係性がある、と。そう言いたいのか?」
少女は力強く頷く。俺は部屋の隅に置いていたホワイトボードを引っ張り出すと、少女にその事件のことを読み上げさせた。白粉想代香という女の子、男子高校生達、そして桃日絆希。この三者の関係性をホワイトボードに書きなぐっていく。
そうして、形になっていく図式を見て思う。似ている。関係性はやや異なるが、以前俺が関わった"ある夫妻"の不審死事件の時に作った図式と、あまりによく似ている。ホワイトボードに文字を書きながら、少女にいくつか確認を取る。
「お前、男子高校生に暴行された事、その友達に話したか?」
「は、はい! 話しました」
「その話を聞いた時、その子はどんな様子だった?!」
「凄く怒っていました。絶対に許せないって、私がなだめても全然ダメで、何度もそう言っていました」
やっぱりな。これで図式が完成した。ここから読み取れる事は、白粉想代香という女の子は、俺の依頼主である桃日絆希を暴行した男子高校生達を憎んでいた。その男子高校生達は、原因不明の事件に巻き込まれ、死亡。その後すぐにその子も事件に巻き込まれ亡くなった、という事だ。そして、俺が出くわしたあの夫婦の事件。まず奥さんは俺から旦那が浮気しているかもしれないという情報を聞き、夫を恨んだ。その後すぐ旦那は事件に巻き込まれて死亡。数日後には奥さんも遺体となって発見された。偶然にしては、あまりにも状況が似通り過ぎている。しかも、その全ての事件で犯人や凶器はまだ見つかっていないときた。
俺がホワイトボードの前で唸っていると、少女が声をかけてきた。
「篠懸さん、何か分かったんですか?」
「いや、少し前にも似たような事があったんだ。ここに書いた関係性は、その時と酷似している。この事件を未解決にしているのは、やはりここだ」
俺は各々の名前を頂点にした三角形の真ん中に大きく丸を描く。
「その丸の中には何が入るんですか?」
「問題はそこだ。この丸の中に入るものこそが、この事件の真相だと俺は思う。だから、そこから手をつけていくのが正しい道のりだと思う」
「ふむふむ...。つまり、何をすればいいんですか?」
「先ずは聞き込みだな。この被害者達の関係者に聞き込みをして情報を集めるんだ。どんな些細なものでもいい。彼・彼女らが死ぬ前に何を考え、何を見たのか。それが分かれば真相に近づくはずだ」
「は、はい!」
「よし。この作業は手分けをしてやった方が効率がいい。俺は男子高校生の方を当たってみる。お前は、友達の方を当たってみろ」
「分かりました!」
少女と連絡先を交換し、いつでもやり取りが出来る様にすると、少女は事務所を飛び出していった。俺に依頼をふっかけてきた時といい、行動力だけは目を見張るものがあるヤツだ。
しかし、いつまでも少女、と呼ぶのは不便だな。次会った時に何か呼び名でも考えようかな。
さて、気を取り直して………俺の方はもう少し情報を集めよう。机の引き出しから車のキーを取り出すと、愛車を停めている駐車場へと向かった。
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