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魔道具職人の息子 5 オラン
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工房にイザベラが訪ねてくるようになった。
僕は、少し、いや、だいぶ浮かれていた。
イザベラは、色々なアイデアを出しては、出来上がった商品を嬉しそうにみる。
だが、その笑顔が可愛いと思ってたのは、僕だけではなかったようだ。
だから、油断してた。
工房は独身者と、家族がいるものと、基本的にコミュニティが違う。
なぜなら、トルマリン王国の王家に関する仕事を引き受けているので、職人達は必ず所帯を持たされる。
そのかわり、なに不自由なくどころか、かなり、贅沢に暮らしていけるが、要は家族が王家の人質扱いなのだ。
その為、人質扱いと言っても、王家ゆかりの貴族の娘だから、王家からも援助をもらえる。
それに、職人は、獣人と同じくらい結婚相手として人気があるのだ。
なぜなら、絶対に離婚が出来ないし、不貞も許されないから。
お互いを縛って、王家を裏切らないように、がんじがらめにする。
なので、基本、工房には、部外者を禁じている。
だが、独身者の工房は、まだ王家の仕事に関われない職人見習いなどを、一時的に預かる場所になる。
ここは、工房よりかは、まだ自由で、一応、王家に決められた婚約者や、魔石の商売の関係者を呼べることになっている。
僕は、いつも、独身者のいる工房に入り浸ってたので、まさか、イザベラの笑顔の破壊力が、ここまで強いと思わなかったのだ。
イザベラは、外見とは違って、そもそもの性格として、さっぱりとしていて、美少女なのに、誰に対しても、気さくだったからかも知れない。
だが、職人見習いになった地点で、もう、すでに貴族の家の娘が、婚約者として王家から指定されている。
それに、工房の職人は現在は恋愛は禁止されている。
なので、師匠に、一人前になったと判断されたら、すぐに結婚が成立するのだ。
だが、事件が起こった。
もうすぐ見習いが終わり、結婚が許された職人の一人が、イザベラにガチに惚れてしてしまい、そのお相手の女性との婚約を破棄するといったものだから、婚約者が乗り込んできて、刃物を振り回すという、一歩間違えたら、刃傷沙汰だし、あやうく王家に逆らうことになってしまうところだった。
もっとも、肝心のイザベラは、強力な結界で守られているので、刃物をどんなに振り回されても、心配は一つもないのだが、この事件、結果として、事件を起こした双方の精神的ダメージが大きかった。
なぜなら、とりあえず結果だけ言うが、イザベラが、この上ないほどこっぴどく、職人を振ったからだ。
そして、問題を起こした婚約者の方に、イザベラが同情?し過ぎて、なぜか、婚約者がイザベラに惚れるというなんともカオスな状態になったところで、レオンハルトの侍女が、記憶操作をしてくれて、この二人は元のさやに戻って、騒ぎが無事終了したのだった。
イザベラは、しきりに謝ってくれたが・・・
僕はその日、師匠と親父に、こってり説教されたのも、初めてだった。
そして、その事件から、イザベラは工房全般に出入り禁止になった。
まあ、これは、僕がイザベラの魅力に対する配慮が足りなかったなと、大いに反省している。
僕は、少し、いや、だいぶ浮かれていた。
イザベラは、色々なアイデアを出しては、出来上がった商品を嬉しそうにみる。
だが、その笑顔が可愛いと思ってたのは、僕だけではなかったようだ。
だから、油断してた。
工房は独身者と、家族がいるものと、基本的にコミュニティが違う。
なぜなら、トルマリン王国の王家に関する仕事を引き受けているので、職人達は必ず所帯を持たされる。
そのかわり、なに不自由なくどころか、かなり、贅沢に暮らしていけるが、要は家族が王家の人質扱いなのだ。
その為、人質扱いと言っても、王家ゆかりの貴族の娘だから、王家からも援助をもらえる。
それに、職人は、獣人と同じくらい結婚相手として人気があるのだ。
なぜなら、絶対に離婚が出来ないし、不貞も許されないから。
お互いを縛って、王家を裏切らないように、がんじがらめにする。
なので、基本、工房には、部外者を禁じている。
だが、独身者の工房は、まだ王家の仕事に関われない職人見習いなどを、一時的に預かる場所になる。
ここは、工房よりかは、まだ自由で、一応、王家に決められた婚約者や、魔石の商売の関係者を呼べることになっている。
僕は、いつも、独身者のいる工房に入り浸ってたので、まさか、イザベラの笑顔の破壊力が、ここまで強いと思わなかったのだ。
イザベラは、外見とは違って、そもそもの性格として、さっぱりとしていて、美少女なのに、誰に対しても、気さくだったからかも知れない。
だが、職人見習いになった地点で、もう、すでに貴族の家の娘が、婚約者として王家から指定されている。
それに、工房の職人は現在は恋愛は禁止されている。
なので、師匠に、一人前になったと判断されたら、すぐに結婚が成立するのだ。
だが、事件が起こった。
もうすぐ見習いが終わり、結婚が許された職人の一人が、イザベラにガチに惚れてしてしまい、そのお相手の女性との婚約を破棄するといったものだから、婚約者が乗り込んできて、刃物を振り回すという、一歩間違えたら、刃傷沙汰だし、あやうく王家に逆らうことになってしまうところだった。
もっとも、肝心のイザベラは、強力な結界で守られているので、刃物をどんなに振り回されても、心配は一つもないのだが、この事件、結果として、事件を起こした双方の精神的ダメージが大きかった。
なぜなら、とりあえず結果だけ言うが、イザベラが、この上ないほどこっぴどく、職人を振ったからだ。
そして、問題を起こした婚約者の方に、イザベラが同情?し過ぎて、なぜか、婚約者がイザベラに惚れるというなんともカオスな状態になったところで、レオンハルトの侍女が、記憶操作をしてくれて、この二人は元のさやに戻って、騒ぎが無事終了したのだった。
イザベラは、しきりに謝ってくれたが・・・
僕はその日、師匠と親父に、こってり説教されたのも、初めてだった。
そして、その事件から、イザベラは工房全般に出入り禁止になった。
まあ、これは、僕がイザベラの魅力に対する配慮が足りなかったなと、大いに反省している。
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