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待ちに待った学園生活 その3
しおりを挟む私達は学園生活が忙しすぎて、ほぼパパの行方を諦めてた。
まあ、私よりも聡は、ものすごく忙しそうだ。
極楽鳥と定期的に亮の報告会をしてるみたいで、この二人が一緒にいると、聡が本当に悪い顔するので、悪役令嬢に見えることがある。
亮には会えてないけど、元気そうだ。
最初、聡が送った家庭教師から、脱走したらしいが、最近はおとなしく勉強しているらしい。
「脱走って・・・そんなに大変なのかな?」
「絶対に逃がすなっていっといたから」
聡ったら、本当に悪い顔してるよ。
「亮も可哀想に・・・」
「当たり前だよ、あいつに、一体いくら投資してると思ってるんだ」
投資って。
「魔石の代金も、けっこうかかるからな。あのくそ極楽鳥のせいで」
「そうなんだ」
「まあ、その分、別で儲けてるけどな」
一体、何してるんだか。
「それはそうと、やっぱりパパの情報ないね」
攻略対象には、やっぱりパパはいなかったので、ほっとしたが、学園の学生や、教師、モブの中にもいなかったので、もしかしてこの世界にいない可能性もあるのかもと思ったのだが。
それに、もうひとつの可能性について
「仮に、もし魔法具職人になってても、国の秘密保持のために、なかなか会えそうにないしな」
「そうでしょうね」
あまり、考えたくないのだが、魔法具職人は秘密保持のために、森の奥の結界の中に工房があるらしい。
そして魔法具を売りに来るときぐらいしか、出てこないそうだ。
しかも魔法具を売りに来る職人は、決められているので、普通の職人は滅多に出てこないらしい。
工房の中が、ひとつの街のようになってるらしく、結婚したければ、国がお嫁さん候補送って職人を支えるので、大人気の、いたせりつくせりの職場らしい。
公務員みたいなものなのかな?
魔法使いたちが住んでいる魔法協会の塔も、同じ場所にあるが、そちらは魔法で隠れてるらしい。
ちなみに、この王立学園も強固な結界を張ってるので安心らしい。
パパの行方を諦めたもうひとつのきっかけは、魔法具の職人の息子のお家にお邪魔する計画が中止になってしまったのも大きい。
何でも森に急に魔物が増えてしまったらしく、討伐するまで親が帰ってこれないらしい。
工房は結界に守られてるから安心らしいが、帰るまでの道中には危険な場所もあるらしい。
そんな中、今度は騎士団長の息子が父親を紹介したいっていってると聡が言った。
「また家に招待されたの?攻略対象なんだから、やっぱり彼女紹介フラグじゃない?」
とからかったが、それはないと聡はけっこうクールだった。
なんでも、親が今まで病気で臥せってたから、入学式にも顔が出せなかったから学生生活の様子をちょっと見に来るらしい。
「騎士団長かあ、まあ、一度は見てみたいかも」
「興味あるだろ」
聡が、意外にもうなずく。
そもそも騎士団長の息子は、藍色のイメージカラーがぴったりな美形の筋肉質のイケメンなので、その父親だと思うと純粋な興味が湧く。
まあ、拝むだけだけど。
そんな話をしていたある日、聡が珍しく興奮して部屋に飛び込んできた。
「お母さん落ち着いて聞いて」
「まず、お前が落ち着け」
「騎士団長が、お母さんに会いたいって」
「はあ?なんで?」
ずるずるずるずる
私は引きずられるように、聡に連れていかれる。
姿を見て、聡が興奮した理由がわかった。
騎士団長を見て、声がでなかった。
「里子おおおお」
なんか久しぶりに、その名前呼ばれたよ。
凄いな。はた目では
超イケメンで筋肉質の男の人が号泣している。
そういえばけっこう泣く人だしな。
そうそう、この人って。
夫じゃん。
「探した」
「うん」
「なんだか凄く可愛いし、腰、括れてるな」
「うん」
やっぱそこか。
「括れのないお前も好きなんだが・・・」
「ハイハイ」
そういえば、あなたデブ専でしたね。
「でも、なぜ胸がささやかに?」
「うるさい」
「それにしても、親父はなぜ騎士団長?」
聡が首をかしげた。
「やっぱり選択できなかったとか?」
私みたいに
「選択?何になるかってことだろ。いや、できたよ」
「いいな。じゃあまさか亮と同じ二択かな?」
「亮もいるのか?」
「うん」
「俺は魔法具職人と騎士団長と食堂のおばちゃんの三択だったぞ」
「えっ」
「選択肢多いな」
「何で職人にしなかったの?」
「騎士団長の方がかっこいいから」
「そうですか」
「いやあ、こっちの世界の息子に、お父さんの世界からきた人がいるかもって言われたからから、見にきたら聡だったからさ、がっかりしたけど、お前がいてほっとしたよ」
「何で俺でがっかりするんだよ」
「まあまあ」
「で、亮はどこに?」
「まだ亮は学校にはいってないよ」
「そうなんだ」
「実はあなたの子供たちは二人とも娘になったよ」
「ええっまじか、亮もか。信じられないな。まあ、お前似た娘を欲しいと思ってたが・・・それにしても里子、可愛くなったな。元々可愛いけど」
「この親父始まった」
聡が呟いた。
騎士団長の息子が
「まあまあ、積もる話もあると思うから、良かったらお父さん、家に連れていったら」
「そうだな、そうしょう」
「駄目だよ、息子がいるってことは奥様がいるんでしょ、それにイザベラお嬢様は授業があるし」
凄く気になる。まさかの妻帯者になってるとは思わなかったよ。
でも返事は
「ああ、それなら死別している」
「えっ」
「今の息子が小さい頃らしい」
「そうです。だから遠慮はしないでください。」
騎士団長の息子って、本当にしっかりしてるな。
「そもそも今の息子には悪かったが、父親じゃないってすぐにばれたしな」
「まあ、そうでしょうね」
「そうだろうな」
騎士団長の息子に、聡と二人で本当にご迷惑おかけしましたと頭を下げたのだった。
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