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小説の世界 再び 匠 その9
しおりを挟むすると、彼女が、おもむろに話し出した。
「実は、このところ、親戚が結婚ラッシュで、残ったのが私ともう一人の親戚だけになちゃって・・・」
「そうだったんだ。」
俺の親戚も、実は結婚が早くて、むしろ、今は孫だな。
でも、うちには、もう孫、何人もいるからなあ。
そんなに、プレッシャーはないな。
と思っていると彼女は、
「ついでに、お孫さんラッシュもあって、ほら、年賀状とかで、お孫ちゃんの写真付きでくるでしょ、あれ、親が羨ましがって、早く孫の面倒も見たいっていうし、本当にうるさいからつい、子種だけもらおうかって言ったら、めちゃめちゃ怒られてね」
子種だけもらうって・・・
なんてこと言うんだと俺でも思うわ。
あっ、だからか。
まじで、今日は俺の子種だけ、もらうつもりだったんじゃ・・・
「古い頭の両親だから、できちゃった結婚なんて外聞悪いと怒られたけど、この年なら、もう授かり物はありがたいと思わなくちゃって言ったらますます険悪になって・・・」
一人娘だって言ってたし、両親だって心配してるんだろうな。
それに・・・彼女の言動も、結構、心配される要因の一つじゃないのか?
仕方がない。
俺としては、既成事実を作るつもりだったが・・・危なかった。
大事な娘さんだもんな。
ご両親の言うとおり、ちゃんと結婚できるまでは避妊して、できちゃった婚には気をつけよう。
まあ、すぐにでも結婚してしまえば、いいだけだから、やっぱり今日中にプロポーズしよう。
でも、とりあえずは、
「挨拶に行く日取り、今すぐ決めよう。」
と言うと、
「ありがとう。本当に助かります。愚痴ってごめんね。親が年を取ってしまったせいか、すごくうるさくなってしまって・・・この際だから余った親戚同士付き合ったらどうだって言われたりするから、本当にデリカシーなくて困ってたの。親戚も早くお見合いしろって、結婚が、女の幸せと思っているみたいで馬鹿みたい。だって、そもそも、離婚率だって高いんだから。」
「そっそうなんだ・・・」
大変そうだな、本当に。
「いらないお節介をしてくるからつい、付き合っている人がいるって言っちゃって・・・そうしたら、とにかく会わせなさいってはじまってしまい、本当に申し訳ないです。でもごめん、両親がびっくりするといけないので先に若いからって年齢を言ったら、今度はなぜか遊ばれていると思ってるみたいで、そんな若い子が彼氏な訳ないって全然信じてくれなくて・・・でも安心してください。絶対に結婚の話だけは、させないから。」
と、断言されてしまう。
それにしても、いろいろ突っ込みどころ満載なんだけど・・・と俺は、大きくため息ついた。
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